2017年07月03日

トリガー

人それぞれに、いろんなトリガーがあるのだと思うのですが、
僕の場合は、それは現場だなぁ、、、とつくづく思います。


7836.jpg


写真は、横浜の向こうに海を見渡す場所で工事中の
加藤さんのおうち。

「ロケーションがいいから、設計はまぁまぁでも、、、、、」

っていうくらいに、いい眺めの場所なんですけど、
上棟後、いろいろ壁が張られ始めた現場に行って

「うわーっ、木の彫刻みたーいっ!!!」

って、素直に感激しました!

7835.jpg


、、、、、、って、
その感想、新入社員じゃあるまいし、何回めの現場だよ、、、、って
自分でもおかしくなっちゃうんですけど、
もう、100回近く、こういう現場に立ち会ってきたはずなのに、
やっぱり、

「うわーっ、木の彫刻みたーいっ!!!」


って率直に思いました。


だってかっこいいからね!


7840.jpg

と同時に、

「このままでいいじゃん。

 窓もつけない方が、いいんじゃない??」

と、いつもの、このままでいいじゃん病が発病しつつ、

同時に、

「もっとこうしたい、ああしたい。」


っていう妄想が次々と溢れてきて止まりません。
40半ばの、いいおじさんですけど、、、、。


7838.jpg

7837.jpg

そう。

やっぱり未だに、
現場が、僕にとっての「言葉やアイディアが溢れる」トリガーなのだなぁ、、、。

机の上で考えるコトなんて、
たかが知れてる。

7841.jpg

それは、裏を返すと、
僕が著しく想像力が欠落しているコトの表れだとも思うし、
現場の職人さんたちからすると、

「何をいまさら?? あんたたち、設計したんでしょ??」

って思われちゃいそうですけど、
そりゃそうだけど、感動するんだから、仕方ないじゃん、、、。

模型はモケイ。図面は、ズメン。現場はゲンバ。
昨日は、キノウ。今日は、キョウ。

て思いますし、、、、、、、。


まぁ、良く言えば、
いまだに、そんなトリガーがあるコトを
幸せにも思うのです。

7842.jpg


あーでもない、こーでもないと、
仕事であるコトを忘れて思えるコト。

作られていく現物を目の前にして、話し合えるコト。

7843.jpg


あんまり言うと、

「、、、ニシクボさん、もう現場来ないでください、、。」

って言われるので、最近は、控えめに
コソッ、って言うようにしてますが。。。。。


7839.jpg


、、、、、、と、そんな訳で、
おそらく明日の朝には、加藤さんから、

「ですよねー!

 僕も、窓ない方がいいって、ホントは思ってたんです。
 でもなかなか言い出せなくて、、、、。

 仕上げも、今くらいの現場感がいいなぁ、、、。。

 変更、、、、、まだ間に合いますかねぇ、、、、、。」



って連絡が来るはずだと思うんですけど、、、、。
posted by 西久保毅人 at 20:50| 2017.7月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

ギリギリオダギリくん

最近、プログもなかなか更新せず、、、、、ですが、
春からのニコはいろんなインターンの人や就活の子が出入りして
いつもに増して賑やかです。


7828.jpg

その中でも、ひときわ動機が変わってるのが、オダギリくん。
彼はキャリアもある、立派な一級建築士なんですけど、

実は、オダギリ君が初めてニコに来たのは、3年くらい前の前川さんちのオープンハウスの
時のコト。

「オープンハウス参加してもいいですかー?」

と突然、愛知県から連絡をくれたのです。

「まぁ、、、、言っても、一回だけだろうな。。。」

って思ってたのですが、
それ以降、
結構な頻度で、オープンハウスに来てくれてました。

愛知県から。

7829.jpg

そしてこの春、ちょうど小田原さんちのオープンハウスの頃。

「、、、、実は、近々、愛知で独立を考えてるんですけど、
その前に、ニコさんでちょっと働きたいんですけど、、、、。」

とのコト。

7832.jpg

「変わった子だなぁ、、、。」

と思いつつ、面白そうなので、5月から来てもらっています。

せっかく遠くから来たので、、、、、というのもあり、
ニコは、頼めるっ、ってなったら、人使いが荒いので、
オープンハウスにも、飲み会にも、上棟式にも、雑誌の取材にも、点検にも、配筋検査にも、、、、。



ありとあらゆるコトに立ち合わせれているオダギリ君。
もうご存知の方も多いかと思いますが、
すごいなぁ、、、と思うのは、その馴染みっぷり。


7830.jpg


まぁ、思い起こせば、
一番最初の前川さんちでも、初対面のくせに、
飲み会まで参加して帰ったあたりから、どうも怪しかったのですが、
小田原さんちのオープンハウスの夜は、小田原さんちに泊まって帰り、
若井さんちの1年点検では、ふっと気づくと、奥さんとお友達のように盛り上がり、
最近では、牛島さんのお株を奪い、大抵の夜ご飯は、
オダギリシェフ。



そう、今では、オダギリ君に餌付けされつつある、、、、ニコ設計室です。


7831.jpg

さてさて、こんなにこき使われて、
彼のジンセイの役に立つのかは、、、、、、、、、
さっぱりわかりませんが、
人の縁、っていうのは面白いなぁ、、、、、って思いますね。


そして、ケンチクも同じだけど、
開くコト、受け入れるコト、さしだすコト。
縁がつながるコト。


7834.jpg


それはあたかも失うコトのようだけれど、
そのコトで広がったり、もらったり、つながったり、、、、、
そんなハッピーなコトの方が、圧倒的に多いのだなぁ、、、とつくづく思います。

ケンチクも、人の輪も、おんなじですね!


そんな訳で、愛知県に持って帰れるものがあれば、いくらでも自由に!

っていう、さらにまたこき使う、、、、、、、、体のいい言い訳です。(笑)
posted by 西久保毅人 at 19:50| 2017.6月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月13日

壊して作るというコト

いよいよ工事の始まる池田さんの家。


先日、工事契約にご自宅にうかがったら、
おうちの壁に、新しいおうちの図面が壁中に貼ってありました。


7813.jpg

新鮮だったのは、最初の頃の図面と最新の図面を並べてあったので、
どう変化してきたかが、一目瞭然だったコト。

とはいえ、池田さんちは、あんまり変わらなかった方ですけどね、、、。

それでも、意外とこういう風に初期のものと最終系を並べて見るって、
案外しないので、それがとても新鮮でした!

なんていうか、
それまでのお打ち合わせの経緯が、ぱぁーっと浮かび上がってくるみたいな。。。。

そうそう、例えると、まぁ、、、、
記憶を失った状態で、デスノートを触ると記憶が戻るときみたいに、、、、、、です(笑)

7814.jpg

極端にいうと、そのくらいに、
設計期間中に僕の記憶は更新され続けているのですけど、
でも、
プランを受け取った側は、きっとそうではないんだろうなぁ、、、っても思いました。

そういう意味では、設計っていうのは、
プランが変わる度に、頭の中を組み立て直すような、
一度設定を壊して何度も作るような、
そんな作業なのかもなぁ、、、、、。

7815.jpg

それとは別に
感慨深かったのは、その図面たちが、
これから壊すおうちの壁に貼っていただいていたコト。

そうそう、池田さんちは建て替えなので、
何十年も住んできたおうちを壊して作ります。
だから、もう何日か後には、このおうちはなくなっちゃうんですけど、
あぁ、なんか、このおうちの「続き」のような家になるといなぁ、、、と
いつも思います。

それは、池田さんちに限らないコトで、いっつも思うコトなんですけど、
新しいおうちでも、今の暮らしが、連続していくといいな〜。

7816.jpg

そういう意味で、
相変わらず僕が、いわゆる建築家と呼ばれる人たちとなんか違うのは、
僕は、あんまり自分が描いたコトにはそんなに執着しないけれど、
目にしたその場の暮らしや、空気っていうか、、、、、
その中に入るコトになる人やものが、新しい場所でも、ちゃんと生き生きとしてくれたら
いいな、と思うトコなのだろうなぁ、、、、、と今更ながら思うのです。

うーん、
建築家以外の名前があればいいのにー。


さてさて、この空き地の写真は、
設計中の麻生さんち。

ここにも実は、こないだまで家が建っていて、
池田さんちみたいに、麻生さんたちが住んでたわけじゃないですけど、
新しいおうちを作るために、壊したばっかりの土地。


7817.jpg

新しいものを作るっていうのは、
何かを壊して成り立つコトでもある。

それは、形あるものである時もあるけれど、
形ないものであるコトも多い。


どっちであっても、

「壊したからにはっ!」

っていつも思う。


そして、かたちに出来ないものが、
生き物のように連続していきますように。。。
posted by 西久保毅人 at 20:48| 2017.6月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月01日

はじまりのおわりの終わりについて

僕は、プロのスポーツよりも、どっちかって言うと、
学生スポーツの方が好きです。

なんでかなぁ、、、。
それは確実なチームとしての終わりがあるから、かも知れません。

2度と揃うコトのないチームであるコト。
だからこそのドラマがあり、儚さがあり。


7799.jpg

チームが強かろうと、弱かろうと、
約2年ちょっとの期間、
子供によっては、ありとあらゆるものを犠牲にして進む、
または進むコトのできる、学生スポーツ。

でも、負けたら最後、次の日からは強制的に引退させれれるっていう。。。。

7800.jpg


そして、その気概や、努力や実力がどれだけであろうと、
その結果は、良くも悪くもそれとは比例しないのも、
学生スポーツでしょう。

しかも、若者たちは、
ほーんとに、2週間くらいで別人のように変身したりもします。

7803.jpg

実は、中学まで選手だったノノは、高校からは、
もう、、、、、。
コトもあろうか、「男子バスマネージャー」になるコトを選びました。

、、、、もーーーー。

親としては、意味わからん、、、、っていう選択。

そもそもさぁ、、、、、、。

マネージャーなんてやられたら、親としては応援しに行けねーじゃん。。。。。

7801.jpg

、、、、、っていうのが、まぁ親心。


と、そんな訳で、
結局、一回も見に行かずじまいで、

「あぁーあ。つーーまーーんなーーーーーい。」

っていう、感じだったのです。

でも、超、真面目な部活だったようで、
マネも、ほぼ、3年間、週末も休みなく、部活に出かけておりました。


7802.jpg

さて、いよいよノノも3年生になり、最後の大会が近づいてきた頃。


「あのさぁ、、パパ、写真撮りに来てよ。」。


とのコト。


7804.jpg


内心、

「なーんで、高校生にもなって、しかもマネージャーやってる父親が
 しかも、脇毛ボーボーの男子バスケの応援なんか、、、、。
 一人も知らないし、、、、。」

って思いつつも、駆け付けた最後の大会。

ほーんと、
正直いうと最初は、名前も顔も分からない、脇毛男子の試合、
あんまり面白くなかったんですよね〜。

ノノが言うほど、強くないし、、、、。


やっぱさ、学生の応援は、自分の子供がプレーしてなんぼでしょ、、、、。


7806.jpg

まぁ、そんな感じだったんですけど、
3回くらい見ると、赤の他人だった彼らが、なんだか可愛く思えてきてですね、、、、。
いやぁ、なんだかんだみんなまだ高校生で、
顔もまだ、子供みたいで、、、、。


でも、やっぱり、ぎゅって、集中した時に見せてくれる彼らのプレーは、
とてもキラキラしていました。

よーやく、少しだけ選手の見分けもついて、勝ち進めばいいな、って思い始めたつい先日。
終わりの日は、突然やってきました。

7807.jpg

最後の大会。
磐石で望めるチーム。そうでないチーム。

それは、いつもそうですが、努力や実力の差ではないんだよなぁ、、、、。

チームは2回戦まで危なげなく勝ち進み、
僕が見たって、このまま勝ち進んじゃうかもーって思えた3回戦。

少し前に、ノノに

「このチーム、上手い子いっぱいいるけど、ジャーマネから見て、
 この子がチームの要、っていう子は、何番???」

って聞いたんですが、

「5番、5番。かれが中心。いないとゲームにならない。」

と、そんなコトを聞いてたばかりだったんですけど、、、、。

7811.jpg

なんと、
そのエースの5番の子が、前日に怪我で出場できなくなるというトラブルからのスタートでした。

それでも、前半までは、ほぼ互角でわたり合えていたのですが、
後半早々、今度は、これもまた、大黒柱のセンターの子が、
接触プレーで、負傷退場、、、、、。

下がっている間に、ここぞとばかりに点差をつけられてしまいました。


7809.jpg


最終ピリオド、残り3分。20点以上の差。


これは、時間が決まっているスポーツの、残酷なところでもあるのだと
思うのですが、ある瞬間、まだゲームは終わっていなくても、
「負け」を受け入れないといけない瞬間が、時折訪れます。

そういえば、これまで子供達の最後の試合、っていうのに何度か立ち会ってきたんですが、
幸運にも、どの試合も、最後は接戦で負ける試合だったので、こういう気持ちになったのは
初めてだったなぁ、、、、。



残り3分。

いよいよ、足をひきずったエースの5番の子がコートに入りました。
監督としては、
その決断は、意図していようといまいとも、
まだ試合は終わっていないけれども、

「負けるんだぞ。高校生活、最後の3分だ。」

と、コートに伝えるサインであるコトは、僕から見ても分かりました。

「これが、高校生活、最後の3分だ。」


7808.jpg

それまでの試合では、一番、コートを駆け回り、
ゲームを組み立てていた選手です。

結果、僕のカメラにも、彼の写真がいっぱい残っていたのですが、
この試合では、一枚もありません。

コートに入っても、全力で走るコトも、飛ぶコトもできないのが、
もう明らかでした。

悔しかっただろうなぁ、、、、。

高校生活の最後。
舞台にも立てずに、こんな風に終わるなんて、
想像すらしてなかっただろうなぁ、、、。

そして、こんな状況、
受け止めるコトだって難しいに違いない。

でも、無残にも針の進むスポーツ。
受け止められようがいまいが、時間は過ぎていく。


7810.jpg


僕たちもそうだったように、
青春時代は、その一瞬が、
いつも最後だと、人生の最後かのように信じていた。

だから、一瞬一瞬が、人を成長させるのだろう。

リンタロ達を見てた時も思ったけど、
ちょっとしたきっかけで、彼らは一週間後には、別人のように変化していく。
あたかも、大人とは、別の世界で時間を過ごしているようだ。

ホントに精神と時の部屋が彼らにはあるんじゃないだろうか?


写真のコトは、いまだによく分からないけれど、
たかだか無名校の地区予選の3回戦なのに、
レンズを覗きながら、我を忘れてドキドキが止まらなくなる自分がいる。



本気で負けたらこれで終わりだ、と思って駆け回る
彼らはホントにキラキラしていて、
もっともっと見ていたい、っていう思いで、シャッターを押し続ける。


でも本当は、これからまた何度でも。


7812.jpg


何度でも始まるコトができるんだよ!!!!
と思いながら。
posted by 西久保毅人 at 18:42| 2017.6月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月30日

大もり〜!!!

ほーんと、この季節は、
緑が綺麗で、、、、、


って思って、もりもりもりもり書いた前回。


先日、近くに寄ったついでに
ぶらっと
モーリアさんのおうちを通りがかってみたんですけど、、、。


7794.jpg


すご〜〜〜〜い!!!!

7792.jpg



7793.jpg

大もり!!!!

7798.jpg

旗ざお敷地の歩く部分だけ、最小限の細〜い道を
くねくねっと作らせてもらったんですけど、
そのせいで、道が緑に見えがかって、なんとも言えないなあ、、、。


7797.jpg

素晴らしき、施主力!!! そしてくねくね道!!!



脱帽ですね〜。
やっぱ、車を止めない旗ざお敷地の底力はハンパないなぁ、、、、。
posted by 西久保毅人 at 18:51| 2017.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月27日

もりもり

最近、完成して5年以上経ったおうちにうかがう機会が多いんですが、
その時、嬉しいのは、
植物が、びっくりするくらいに大きくなっているコト。

7789.jpg

写真は、ちょうど7年目の鷲巣さんち。

完成の時は、まだまだ小さかった木も見違えるくらいに
大きくなり、「これは、ホントにトネリコだっけ?」
って思うくらい。

7786.jpg

曲面の壁に沿ったお庭も、もりもり。

なんだか、雑多な感じがなお素晴らしい。

7791.jpg

「小学生が、お花を時々、こそっと食べてるんですよね〜、ははは。」


と鷲巣さん。

7790.jpg




7787.jpg


この白い壁の内側におうちがあるので、
確かに
街とは、絶妙な距離感。
中にいると、ちょうどいい具合に
小学生のこそこそ話が聞こえてきます。


街との境界線が、あるようでない感じが、
やっぱりいいなぁ、、、、。

あるのにね。


あたかもないように感じられる優雅さ。


街に住んでいる、カンカク。


敷地が、無限に広がっていくような体感。

7784.jpg


そしてそうそう、
色味はぜんぜん違うけれど、
そういえば、鷲巣さんちは、飯島さんちの親分だなぁ、、、、と
久しぶりに行って、実感しました。

なるほどー。 

自分のコトなのに、
いろんなつながりを改めて感じます。
posted by 西久保毅人 at 19:46| 2017.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月19日

集まって住む、ということ

先週末の「くすかめくのくの邸」のオープンハウス。

久しぶりに日曜日に開催させていただいたせいか、
いつもなかなかお会いできない方にもお会いするコトができて、
とても賑やかな1日でした!

「くすかめくのくの邸」は、
トウキョウでも、世田谷線というのんびりした電車の走る街に建つ3世帯住宅。
地下はテナントスペースになっています。

そういう意味では4世帯??でしょうか?

7731.jpg

さて、、、、、、。

7733.jpg



この建物には、「入ル。」っていう名前があります。


7732.jpg
「入ル。」って書いて、イル、って読む。



7728.jpg

ちょうど完成を迎える頃、

「この建物名称、何がいいでしょうかねー。
 ニコさん達も考えてくださーいっ。」

って頼まれたので、事務所のみんなであれやこれやとたくさん考えてみました。

7734.jpg

うーん、、、、、、立体的な路地みたいだから、ろじビル??

でも、ビルっていうのもなぁ、、、。


7735.jpg

ながーい階段があるから、だんだんハウス?


、、、、なんかチガウ。

7736.jpg

個性的なたくさんの人(動物たち)が住むんだから、動物園にちなんで、ZOO っていうのは??

猿好きだし、、、、。

7737.jpg

、、、、、うーん、でもやっぱ、
「くすかめくのくの邸」は「くすかめくのくの邸」だよねー。

7738.jpg

と、
いう具合に、皆で何十個も考えたんですけど、
しばらくして、

7739.jpg

「先日、家族会議で決まりました〜っ。入ルです、iru。

はいる、じゃないですよ、 イ ル 。」

って連絡がありました。

7740.jpg


7781.jpg

いやぁ、、、、、やられたなぁ、、、、って気持ちと共に、
とっても、すぅーっと腑に落ちるネーミングだな、って思いました。

僕たちは思いつきもしませんでしたが、、、、。

7741.jpg

7742.jpg

「入ル。 iru。」

7743.jpg


郵便屋さんに、

「ここ入ってねーっ」

ってさりげなく住所で伝えるような、そんな名前。


「ここ、入ったとこだよっ、わたしんち!」

7744.jpg

そして、
あくまでここは、

「私たちの場所」であって、

断固として、ビルとか、マンションとかいう、そんなモノじゃではないのだ!

っていう熱い想い。

7745.jpg


7746.jpg

さらには、


『私たち、ずっとここに「いる」よっ。』

っていう、

一つ屋根の下、いろいろめんどくさいコトも
想像できるけど、
大木のように、ここに根をはって、いつまでもここにいようね、っていう
3世帯の決意表明でもあるのかなぁ、、、。



7747.jpg

7782.jpg


そして、まだ小さな子供達へ。

7748.jpg

いつか巣立つ子供達へ。

7749.jpg


大人になったら、あなたたちは自由に羽ばたきなさいね。


私たちは、ここに「いる」から。


っていう、子供達へのメッセージなのかも知れないなぁ、、、、とか。。。

7776.jpg

もう、、、、ですね、、、


僕にとっては
そんな妄想が止まらなくなるような、、、そんな名前でした。

7750.jpg

ヤラレタ。。。。

7751.jpg


ヤラレタ。。。。

7752.jpg

ヤラレタ。。。。

7753.jpg

とにかくとにかく。

このプロジェクトに何とぴったりな名前だろう、

って思ったのです!

7754.jpg

でも。

やられたなぁ、、、、っていえば、
そういや、そもそもですね、、、、、

このプロジェクトの連絡をいただいた、
しょっぱなから
やられたよなぁ、、、、、と

そんなコトを思い出しました。

7755.jpg

なんてったって、
この大都会トウキョウで、
一つ屋根の下、3世帯寄り集まって、
一緒に暮らせる家を作りたい、っていうんだもの!!!

7756.jpg

うわー、それはいいなぁ、、、、っていう直感。

7757.jpg

でもですね、
それが田舎の広いシキチに建ててください、、、、、

だったら、簡単なんだと思うのですが、
土地の広さは、たったの32坪。


1世帯なら、30坪もあれば、贅沢なくらいの大きささんですけど、
3世帯。

7783.jpg

そこに、

じいちゃんばあちゃん家族(2人)

ねえちゃん家族(今のとこ、4人)

弟家族(今のとこ、3人)

の合計9人、3家族で住んじゃおう、って言うのだから。


7758.jpg





7759.jpg

よくもまぁ、、、、、。

7760.jpg

なんと素敵な着想なんだろう!

って思いました。


そして、よくぞニコにいらっしゃいました、と。。。。

7761.jpg

きっとたぶん、
こういうコトって、誰でも一度は想像したコトはあると思うんですよね。

でも、

「トウキョウだし、、、土地狭いし、、、。」

という訳で、実家の建て替えならまだしも、
わざわざ土地を買ってまで実行に移してみよう、
っていう人は少ないんじゃないかなーと思います。

7762.jpg

でも、いざ調べてみると、

何より「大家族」っていうコトを、


法律も、
ローンの仕組みも、

想定すらしていない、というコトも、
よく分かりました。


それが今の世の中のしくみらしいのです。

7763.jpg

なんか、都合が悪いコトであるんでしょうかねー、、、?
むかつくー。


だから、そういう意味では家族のカタチや住まい方は、
実は、自分たちの意思だけで決まっているのではなく、
こういう法制度や、融資のしくみも大きく関わっているんだろうなぁ、、、、
って思ったのです。


少し時代錯誤な気もしますよねー。

7764.jpg

なんだかなぁ、、、、。

ただ一緒に住みたいだけなのにねぇ、、、。

7765.jpg

でも。

そんなコトを、ものともしない、楠亀隊長率いるプロジェクトチーム!!!

進むと決めたら、進むのだ、と
ただでさえ小さな僕たちの事務所に、
3家族で押しかけていらした日のコトは忘れられません。

7766.jpg

7767.jpg

そして何よりも、
そんな3家族の気合の入ったプロジェクトの
設計に僕らを選んでくれたコトが、とても嬉しかったですし、

「、、、まぁ、ニシクボさんとこだったら、

 3家族で押しかけても、

 3家族でそれぞれ好き勝手なコト言っても、

 きっと大丈夫なんじゃなーい?」

って、思っていただいたコトが、何より嬉しかったです。

7727.jpg

7768.jpg

そんな訳で、、、、。

まぁ、最初は、完成後のあまりに楽しそうな風景ばかりが
浮かぶあまり、
作り上げるのが、どれだけ大変か、、、、、なんていうコトは
すっかり頭にありませんでしたけどね(笑)。

7769.jpg

7770.jpg

さて、そんなコトからはじまった、この「くすかめくのくの邸」。

前回も書きましたが、
今の建築基準法には、

「3世帯が一つ屋根の下に楽しそうに住むおうち」

なーんていう、気の利いたチャーミングなカテゴリーは残念ながらありません。


7771.jpg

あるのは、「一戸建ての住宅」か「共同住宅」かのどちらかです。

だから、このタテモノは、「共同住宅」の法律を満たすように設計しています。
そのため、どうしても「おうち」っぽくない基準もクリアーする必要が
あって、それは仕方ないのですが、
僕らにとっては法律がどうあれ、あくまで

「3世帯が一つ屋根の下に住むおうち」

を思い描いて設計をさせていただきました。

7772.jpg

そう、思い描く、というコト。

7773.jpg



いわば、妄想を膨らませるコト。

世の中のありとあらゆるコトは、これが一番大事なんじゃないかなぁ、、と
僕は思います。

7774.jpg


7775.jpg

時々、おしゃれな職業だと勘違いされるコトも多いですが、
僕たちの仕事は、実は情報処理作業がほとんどを占めます。

敷地条件、要望、コスト、法律、構造、設備、お隣さん、職人さん、工程、天気、、、、。
実現に向かっては、たくさんの条件を同時に処理する必要があり、
大抵それらは、互いに矛盾してることばっかりです。


7779.jpg

でも、どんだけ矛盾に満ちていようと、

最初に思い描くコトさえできたら、大抵のコトは、
実現可能なんじゃないか?

と僕は思うんです。


思い描いた世界に届くのであれば、
多少のコトは、どうでもいいのだ!

っても思います。

何よりも、この世界は、矛盾に満ちているコトこそが、
素敵なんだから。

7777.jpg

そんな楠亀さんたちが、思い描いた世界。

先日、3世帯ともお引越しが完了したとのコト。


オープンハウスも楽しかったですけど、
これから始まる暮らしがとても楽しみです。


7780.jpg

強烈な施主力×3倍だからなぁ、、、、。

どんな物語が産まれるんでしょうねー?


たぶん、僕の想像なんて、やすやすと超えてくるんだろうなぁ、、、この家族は、、。

楽しみ、楽しみ!!!
posted by 西久保毅人 at 18:24| 2017.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月09日

不思議な体験

今週の日曜日は、オープンハウスです。

そうそう、くすかめくのくの邸。


本当は「ISANA」の時みたいに、もう別の名前があるのだけれど、
なんか愛着があるし、
ずーっと「くすかめくのくの邸、くすかめくのくの邸」、って
思いながら設計してきたので、オープンハウスまでは、ひとまず
「くすかめくのくの邸」って言わせてください。

7725.jpg


、、、、ていうか、引越し後も「くすかめくのくの邸」には
変わりないんですけどね〜。。。。

7728.jpg

さて、先日、ちょっと不思議な体験ていうか、カンカクになりました。

あまりにも「くすかめくのくの邸」って思って設計も現場、打ち合わせも見ていたので、
このタテモノが共同住宅だなんて、すっかり忘れていたのですが、
それを、役所の完了検査を間近にして、ようやく思い出しました。。。。

てっきり、ただの3世帯住宅だと思っていたのです。
(そもそも3世帯住宅なんていうカテゴリーは法律にはない。(笑))

そりゃそうだよね、、、、
1軒のおうちの打ち合わせだって要望をまとめるのに一苦労するのに、
3軒も同時だなんて、3軒の住宅を同時に設計するようなモノ、、、、。

これを、マンションとかアパートと同じ「共同住宅」なんていう、
さらーーーーっとした、要望も住む人も決まっていないお気軽な言葉で呼んでなるものか!


だって、一回の打ち合わせで、毎回3軒分打ち合わせしてきたからねー。

3軒分、言うコトだって、選ぶものだって、そもそもツボが
全然違うんだからね〜。。。。。

だから、、、、、。

断固として、僕たちは「共同住宅」だなんて、さらっと気軽に呼びたくないのだ!!!

7727.jpg

さて、そういう(ホントの)心の叫びは置いといて、、、、、。

そう、心の叫びは、建築基準法はあんまり相手にしてくれません。

建築基準法には、「一戸建ての住宅」「長屋」「共同住宅」という3つのカテゴリーがあるんですが、
そのどのカテゴリーで設計をするかで、かかる法律も全然違ってきます。

中でも、いつもやってる「一戸建ての住宅」っていうのは、あくまで一家族のタテモノ、って
見なされるので、それ程法律は厳しくないのですが、

このタテモノは、3世帯が、別々の玄関を持っているため、建築基準法上は、「共同住宅」と
いうカテゴリーで建てなくてはいけないのです。

しかも、「共同住宅」は、特殊建築物、といって、不特定多数の人の使用を前提にした
法律下にあるから、言ってしまえば「おうち」っぽくない基準をクリアーしないといけない。

しかも、それは100世帯のマンションだって、3世帯のこのタテモノだって同等っていうんだからね、、、
それはないよー、って思うのです。
思いますよね??


だってですね、、、、、

そもそも、このタテモノが産まれるコトになったきっかけは、

「親世帯と二つの子世帯、この世知辛い世の中で、しかも土地の高いトウキョウで、
 別々にローン抱えて生きるよりも、分け合うところは分け合いながら、
 どうせなら一つ屋根の下、 一緒に住んじゃったほうが、、、、、、、、

 ぜーーーったい、ハッピーだよね??

っていう、家族の想いからはじまったのだから。




一つ屋根の下で、いまどき親戚3家族が住むなんて!

、、、なんか、田舎っぽいじゃないですか?
昔の家族っぽいじゃないですか?
おばあちゃんちにすぐ遊びに行けそうじゃないですか?
ちょっと飲みに行ってくるから、ばあちゃん子供たち見といてね〜、なんて気軽にできそうじゃないですか?
今日、ご飯作るの面倒だから、ねえちゃんちに押しかける〜??なんて週3くらい
できそうだし、そもそも保育園の送り向かえも、ローテーションでできそうじゃないですか?
インフルエンザが流行ったら、感染組と、無事組で別れて寝れそうじゃないですか?
正月とか、お盆とか、飛行機乗らなくていいじゃないですか?

そんな、、、、、、夢のような暮らし。

そりゃ、
佐賀とか、滋賀とか、高知とかの田舎で土地が広ければいまだにできるんでしょけど、
そんな夢のようなコトを、たった30坪程度の、トウキョウのど真ん中で実現しようとするなんて、、、、、。

なんて素晴らしい着想!

もう、設計を始める前から、そんな入居後の楽しい暮らしが
眼に浮かぶような、、、、、そんなプロジェクトでした。

いいなぁ、、、、、。羨ましい。


でもやっぱり法律は法律。
建築基準法は、羨ましがってくれませんので、法律上はバッチリ「共同住宅」でありながらも、
こってりこってり背脂MAXの3世帯の暮らしを詰め込みました。

そんな暮らしがこれから始まるのです。
正直、オープンハウスよりも、入居後が楽しみだなぁ、、、。



でも。

もう一つの不思議なカンカクになったのは、実は逆のコト。

こないだ現場で、ふと

「もし、この共同住宅に、まだ住む人が決まっていないとして、自分が家を探しているとして、、、。」

という目で、この共同住宅をぼけーっとカンサツしてみたのです。

その結果。

「うわぁ、、、、ぜひ住みたい。住んでみたい。こりゃ、絶対楽しい!」

って思えました。

そんな経緯や想いでつくりあげたタテモノだから、ひいき目もありますけどね、、、、
こんなモノが、「共同住宅」なんだったら、「共同住宅」も捨てたもんじゃないなぁ、、、、
いや、むしろホントの街みたいで、戸建よりもいいかも?
って思えたのです。


うーん、正直見直したよ、「共同住宅」くん。やればできるじゃん。。。。


7730.jpg

さてそうそう、先日の暑い日、2階にある楠亀家で、こんなシーンに出会いました。

麦わら帽子をちょこんと玄関の小上がりにおいて、
夏休みの午後みたい。
その先は、小さな畳の居間になります。

奥のひだまりには、おんぶ紐で、赤ちゃんおんぶしたお母さん。


そうそう。

設計も何もする前から、
こんな風景を作りたかったのだ!

たとえそれが、
マンションやら、共同住宅やら、、、と法律では呼ばれてしまおうとも。。。。

家と街のあいだに。




、、、、、とまぁオープンハウスの告知だし、さらっと書いて帰ろっ、
って思って書き始めたんですけど、やはり3軒分。

やっぱり長くなりました。書き足りませんけどね、、、、。(笑)


、、、、、そんな訳で、日曜日、楽しみです!
お問い合わせはこちらまで。
posted by 西久保毅人 at 22:08| 2017.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

ひさしぶりっ

そうそう、先日、
久しぶりに四国へ行くコトができたので、
香川の竹安さんちにお邪魔してきました!


7718.jpg

現場通いをしてたのが、つい先日のコトのように
思ってたんですが、
完成してかれこれ5年。

7712.jpg

その間も、

「行きますねーっ」

っていいつつ、なかなか行けず、
このままでは
行く行く詐欺になりそうでしたが、
ようやく久しぶりに実現しました!

7716.jpg

7714.jpg

おうちの方は、
相変わらず施主力満載で、とっても素敵に
住んでいただいていて、だんだん風景に馴染んでいる感じ。

そして大人は、数年会わなくっても、、、、たいして変わりませんね〜、お互い(笑)

7719.jpg


7715.jpg

でも、反面、子供達の成長の早いコト。

「ゴーヤとよその子供は、育つのが早かけんですね〜。」

と、博多華丸大吉の漫才にもあるように、
ほーんとびっくり。

7723.jpg

ちょうど設計中にうまれたツムちゃんも、
もう5歳。

今では、ターザンのように、梁からぶら下がったロープに
登って遊んでました!

いいなぁ、、、、広い家は、、、。


7717.jpg



7722.jpg

そしてまたピアノが上手いコト、上手いコト。。。

ほぼキオクに無いような、トウキョウからきたおっちゃんとも
仲良くしてくれて、
最後は、連弾までしてくれました!

7720.jpg

僕も、もうノノが辞めてから、かれこれ4、5年ピアノ弾いてないなぁ、、、
と思いつつ、感無量、、、。

また、トウキョウのおっちゃんともピアノ弾いてねっ!

7721.jpg

7713.jpg

そして、お兄ちゃんのサク。

今では、すっかり父譲りの野球少年とのコトで、
それこそ、僕と会っても、

「だれ??」

って感じだったんでしょうけど、、、、。
恥ずかしがりながらも、とってもいい顔してくれて!

さすが野球部!

7724.jpg


いやぁ、、、いい顔!


またうどん食べに行きますね〜!!
posted by 西久保毅人 at 23:01| 2017.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月26日

街のピロティー

僕は商店街が好きです。

7638.jpg

7642.jpg

反面、デパートとかの密室の大きな商業空間が大嫌い。
すぐ外に出たくなっちゃいます、、、、。

7639.jpg



7641.jpg

理由の一つは、僕が閉所密室恐怖症ぎみで、、
空気の流れないところは気持ち悪い、、、、、、というコトも
あるんですけど、


7643.jpg

それとは別に、こんな体験をしたコトがあります。

7644.jpg


僕の育った佐賀の街の中心には、もともと
割と賑やかで、長ーく続くアーケードの商店街がありました。

7655.jpg

でも実際僕が育った町は、
夜の9時には信号が点滅に変わり、
夜は明り一つなく田んぼしかない人口7000人くらいの町でした。
2017年の今だにそうです。

そんな町で生まれた僕にとっては、
時々親に連れらてそんな佐賀の街の商店街に行くのが、
とても特別で、ワクワクする体験でした。

7646.jpg

7647.jpg

とにかく歩くだけでたくさんのお店が並んでいるコトに
気持ちが高ぶったのを覚えています。

いいなぁ、、、都会は、、、。
佐賀に住んでても、その中に都会と田舎があるのです。

さて高校生になり、ようやく街に出てると、
そんな商店街の近くに家があったり、家が商売をしている家の子と
仲良くなったりました。
商店街に住んでて、しかも家がお店なんて、、、、

なんと夢のようなコトだろう!

うらやましかったなー。

そんな青春時代。

7652.jpg

それが、ちょうどトウキョウに出てきてしばらく経った時、
その商店街が、よくある地方の再開発ビルの建設のため、なくなってしまったのです。

7649.jpg

もうすでにその頃は、建築や街の勉強をしていましたし、
そういう商店街があるコトが、自分の街の魅力だと思っていたので
なんと時代錯誤で馬鹿な計画なんだろう、、、、、って
思ったのですが、計画は進行し、古くから商売を営んでいた商店は
立ち退きを迫られ、あっという間に商店街がなくなってしまいました。

7651.jpg

7654.jpg

でも実は、なくなった、、、、っていう表現は少し違います。

正確には、そのビルを作るために、つながっていた商店街が切り裂かれたのです。

7656.jpg

だから、商店街がなくなった、
というのは、正しくなくて、
実際は、中途半端に切り裂かれた商店街は、姿を残したまま、死んだのです。

7657.jpg

7661.jpg


街は死ぬんだ。。。。


7660.jpg

その時に、
僕は街っていうのは、

ただの建物の集まりではなくて、
「生き物」なんじゃないだろうか?

血みたいなものが流れていて、
ひどく切り裂かれると死んでしまう生き物なんじゃないだろうか?


そんなコトを思うようになりました。


その証拠に、誰もいなくなった商店街は、
なんとも言えない死のにおいがしました。


僕にとっては、忘れられない体験です。

7662.jpg




じゃあ、そこに流れる「血」みたいなものって、
果たしていったいなんだろうか?

何を残したら、商店街は生き生きし続けるコトができ、
何を失ったら、街は死に向かうのだろう??

それから、仕事でいろんな商店街や街に出会うたびに
ぼんやりとそういうコトを考えるようになりました。

7664.jpg

世代交代、後継者不足、時代の変化。

特に最近では商店街であるコトが、
インターネットの普及でどんどん難しくなってきていますし、
コンビニは数年後には、店員がいなくなる方向に向かうらしい世の中です。


7665.jpg

時の流れの中で、元のままでいられない状況になるコトは
仕方がないコト。

でも、その時に
何を失わなければ、姿を変えても街は生き続けられるんだろうか?

7666.jpg

7667.jpg


手段や理屈はどうでもいいんですけど、
その秘密さえ知れれば、、、、、、、。


そんなコトをいっつも考えています。


7672.jpg

さて、しつこいようですが僕は商店街が好きです。

7671.jpg

買い物をするにしても、食べ歩くにしても、お店と道を出たり入ったり。
お店の空気と外の空気を交互に感じられる町歩きの体験。
地面の上に場所を借りて、空の下、隣り合いながらそれぞれが主張する店々。

並んで自分の足で立っている感じでしょうか?
地面に根をはる植物にも似ています。


7673.jpg

反面僕はデパートやショッピングモールが大の苦手です。
状態は同じなのになぜだろうといつも思うのですけど、
一つ一つの店が直接街とつながっているのと、
そうでない事の間には、やっぱり決定的な差があります。



7668.jpg


デパートが酸素供給されている宇宙船のような環境だとすると、
商店街は、全体が一つの生き物のよう。



7670.jpg

じゃあ、一つ一つの商店は細胞でしょうか?

だからこその強さもあれば、弱さもあって、
活気が集まる事で、人を呼ぶエネルギーが増幅される事もあれば、
たった2、3件がシャッターを下ろす負のエネルギーが、
隣接しているお店に簡単に感染してしまうという事もあります。


7674.jpg

だから小さな一件一件が元気に軒を連ねている事がとても大事。
部分が全体に与える影響がとても大きいのです。


7675.jpg

そして子供を育てる環境としても、商店街はとても大切だと僕は思います。

通勤の共働きが当たり前で、核家族化した現代。
住宅地に昼間にほとんど人がいないという現状があります。


7676.jpg



7677.jpg

小学校の帰り道、街に働く大人がいる事。

商店街の人たちは、子供達が接する初めての働く大人です。
そして、その街に決まった大人が毎日いる事は、
子供達が安心して過ごせる事も保証してくれます。



7678.jpg

そういう意味では、
歩いて移動するという手段しか持たない子供達にとって、
商店街は初めて接する生きている環境だとも言るでしょう。


だから、子供たちにとっても、
生き生きした商店街は、とても大切なのです。

7680.jpg

7679.jpg

さて、、、、、。

これは商店街が好きすぎて、そこに住みたいと思ったご家族の物語。

7681.jpg

7682.jpg

7683.jpg

小田原さんちは、この街のカオスのような商店街の虜になったご夫婦です。


いよいよこの地に根をはるに当たって小田原さんちが選んだのは、
商店側のど真ん中の長細い敷地でした。



7685.jpg


7684.jpg

昔ながらの商店が後継者不足などでたたむ店が増える中、
どうせこの街に住むなら
少しでも商店街の活気づくりに貢献したい、
と、そんな言葉を最初にいただきました。



7689.jpg

ちょうど奥様が絵を仕事にされているので、
そのアトリエが時にはギャラリーになったり、
お祭りの時はイベントスペースになったり、、、、。

時には街の子供たちにも開放して使いたい、とのコト。


7692.jpg

7688.jpg

商店街も、飲み歩きも好きな僕にとっては、
とても楽しそうなご依頼でしたが、
考えてみて、なかなか一筋縄ではいかないなー、っていうのが正直なところでした。

7690.jpg


7693.jpg

なぜなら

商店街が求める、商店街であるコト、と

家族が求める、家に暮らす、っていうコトは、

根本的に違うコトだからです。

7694.jpg


7696.jpg

もし、お店の設計だったら、
できるだけ街に開きやすいような姿にすればいい。

7697.jpg

でも、暮らす、っていうのは、どちらかというと
その真逆のコトです。

多少は開くコトも大事だけど、商店街にとっては、人の暮らしが
開きすぎているコトは、あんまりいい雰囲気でもないでしょうし、
中で暮らす小田原さんだって、いくら商店街が好きがだからって、
生活が丸見えでも困るでしょう。

7698.jpg

かといって、街に背をむけたようなたたずまいも、
決して商店街にはいい影響は与えないでしょうし、
小田原さんの望むところでもないでしょう。

7703.jpg

要は、開くべき街に、守るべき暮らしを包む家を作るコトが、
そもそも矛盾しているです。

7700.jpg

7702.jpg

開けばいい訳でもないし、
閉じればいい訳でもない。


そして、しっかりと距離をとる程、敷地も広くない。


7699.jpg

7701.jpg

きっと塩梅の問題。

そこで、
商店街と暮らしの距離感を、
物理的な長さで確保するのではなく、

空間を何層にも重ね合わせた「層」として取ろうと考えました。


7640.jpg

「街のピロティー」とよんでいる、大きな門のようなしつらえは、
何の用途もありません。

でも、街のつづきの場所のようでもあり、
小田原さんにとっては、家に入る前の雨に濡れない場所でもあり、
中にいると、商店街と暮らしをぼんやりと繋げる緩衝帯のような場所でもあります。


7645.jpg

雨の日、商店街を通る人が、ちょっと雨宿りをするかもしれない。

お祭りの日、街の続きになって、小さなお店ができるかも知れない。

アトリエとつなげて、街の子供たちのイベントの場所になってもいい。

7658.jpg

そんなコトを考えると、

「なんの用途もない。」

っていうコトは、たくさんの用途がある、というコトの裏返しでもあります。

そして、そのたくさんの用途は、
いっつも、小田原さんの日常と街の連続の中にあり、
街と小田原さんの暮らしのあいだにあります。


7663.jpg


7704.jpg

商店街や街の子供たちにとっては、
小田原さんちができるコトで、
いつも何かが起こりそうな奥行きや妄想が生まれますように。


7669.jpg


小田原さんにとっては、

「まさに、この商店街に住んでいるのだ」

っていうコトを日々感じながらも、
その暮らしが、程よく守られますように。

7687.jpg


7707.jpg

7708.jpg

商店街がいつまでも賑やかでであるコト。
商店街に家族が住むというコト。

矛盾するような両方のコトを、
ただ向き合わせて置くだけではなくて、
あいだに「街のピロティー」という、
どっちのものでもないようで、
どっちのものでもあるようなな空間を挟むコトで、
どちらにとっても、居心地のいい場所にしたい。



そんなコトを考えさせていただいた、、、、、超欲張りなお家です。


7648.jpg

、、、、、、僕、性格が欲張りで、しつこいので(笑)

7659.jpg

さて、
5年後、10年後、50年後、100年後、200年後。。。。。

廃墟が好きな小田原さんと話していると、
そんな先の未来の時間について想像してしまいます。

7709.jpg

もう僕たちはいないかも知れない未来の街。

その時に、この街に何が残って、どんな姿をしているのかなんて、
想像もできません。


7710.jpg

何を残したら、商店街は生き生きし続けるコトができ、
何を失ったら、死に向かうのだろう??


そんなコトの答えは未だに分かりませんが、
一つ確信しているのは、理屈や意味じゃなくて、
作り上げた愛情とか、情熱とか、、、、、みたいな
一番くさいものが染み込んだもの程、姿を変え、用途も変わりながら
残り続けるんじゃないかなぁ、、、、、っていうコト。

小田原さんの想いが、この街に染み込んで、
これからこの場所でどんなコトが起こるでしょうか?

だからですね、、、、。
一緒に作るコトも楽しかったですけど、
どっちかというと、これからの方が楽しみなのです!!!!

7711.jpg


さて、

僕は商店街が大好きです。


いいなぁ、、、、。商店街に住めるなんて!
posted by 西久保毅人 at 20:51| 2017.4月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする