2021年05月27日

ケンチク山

いつ頃だったかは、よく覚えていませんが、
ある時から、建築の仕事をしている事を山登りになぞらえて考えられるようになりました。

例えるならば、ケンチク山っていう大きな全体像も見えないような山があって、
そこをいろんな方向や、ルートや登り方でみんな登っているんじゃないだろうかと。

そして、どんなに有名な建築家も、歴史上の人も、大工さんやペンキやさんも、
建築を志す学生も、そして僕自身も、登り方やとっかかりや立場は違えども、
実はおんなじ山の山頂を目指して進んでいるのには違いがないのかなーと。

そして別に山頂まで登らなくても、途中で別のルートで登っている人がチラチラ見えたり、
まったく違う人種だと思ってた人が、実はおんなじ山を別の登り方で登ろうとしてるのが
チラッと見える場所があったりすると楽しいなーと。


とはいえ僕は、実際の山登りにはあんまり興味がなくて、山より海派何ですけどね(笑)。


でも、こういう風にある時ふと考えられるようになった時に、
気持ちがずいぶん楽になったのを覚えています。


「ふふ、
 憧れのあの人も、あの人も、、、、、結局はみんな同じ山を自分なりの登り方やスタイルで
 同じ山を登っているかも知れないな。じゃあ僕は、やり方も登り方もヘンテコだけれども
 もしかしたらいつの日か山中の登山道で出会える瞬間があるのかも知れないなー。」


さて本当にそんな山があるのか、ただの妄想なのか?
山って言ってもこういう形かどうかさえよく分かりませんし、山のことまったく知らないので自覚はなくても
すでに遭難していて、気がついていない可能性もあります(笑)。


でもこんな風に若い頃に思えたらずいぶん気楽だったと思いますが、
48歳の僕でさえつい4、5年前にどうやらケンチク山があるかも知れない、という仮説にようやく
気がついた程度です。

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そんな今、僕にとっては子供の年齢でもある20前後の学生を大学で教えているのですが、
先日偶然にも、ある先輩の先生も同じように建築の勉強を「登山」になぞらえて説明されている事が分かりました。
どうやらケンチク山というのは、実在しそうです。

でもなぁ、、、。
この山、大き過ぎて彼らは山にいることすら気が付かないだろうなぁ、、、、、とも同時に思うのです。
20歳の僕だったら絶対に気がつかないな。
隣の席の優秀なやつと自分がまさかおんなじ山を登ろうとしているなんて夢にも思わないでしょうし、
いろんな登り方、ルート、楽しみ方があっていいんだなぁ、、、なんていうのは、ヘリコプターで上空から見てみないと
分からないのでは?っても思います。


でも少しでもいろんな登り方、楽しみ方があることを伝えることで山登りを続けてくれたらいいなーと思う今日この頃。
そしていつの日か、別々のルートで登っている彼らと山中で出会えたら最高です。


まぁしつこいようですが僕は、
山派ではなく海派なので山で出会う確率はゼロに近いですけどね(笑)。


ああ自己矛盾。

posted by 西久保毅人 at 13:45| 2021.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月21日

大きな一手を打たない

先週末の「渡辺篤史の建もの探訪」で新さんの家を放映していただきました。

ちょうどまる3年経つのですが、設計していた頃はコロナのコの字もない時代。
でも、この時代に見ると、ステイホームやリモートワークもとても楽しめそうな家だなーと
つくづく思いました。

さて、以前、新さんの家について講演会で説明する機会があり、
設計内容を噛み砕いて伝えてみる、といういつもしないような事をしたことがあります。

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よくニコの設計は複雑だとか、斜めや曲線が多いとか、訳がわからないとか、テキトーだとか(笑)、、、
言われることが多いのです。

いつも「へーなるほど」と思いながら聞いているんですけど、
それを解きほぐすと、案外面白いことも分かるのです。
例えば、「開放的にしたい」とした時に、「じゃあ大きな窓を開けましょうね」っていう解答だけだと、
結局、住んだらカーテン閉めっぱなしになっている家が多いのに気がつきます。

要するに、「開放的」を「大きな窓」っていう大きな一手で解決しようとしている例ですね。
もちろん別荘とか、山の中ならこれが効果的な場面も多いですが、密集した都市住宅では実はそうはいきません。

そんな時、「開放的」というキーワードを大きな一手で解決しようとするのではなく、
小さなしつらえを「層」として重ね合わせる、というのが実は効果的です。


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そんな層状のしつらえを、敷地の法律的な条件、環境的な条件の中でどのように重ね合わせることが
できるか?っていうのが僕は大切だと思っているのです。

そうすると、一つ一つは弱いしつらえでも、重なることで奥行きができ、なんだかぼやーんとしているけど、
確実に守られているようで、確実に繋がっているような、そんな状況が作れるのだと思っています。

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それは、スクリーンだけでなく、内部の連続感もおんなじです。

一箇所だけぼーん、と吹き抜けがあるような大きな一手ではなく、
ちょこちょこちょこと小さく、大きくつながり続ける。



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ちょこちょこちょこちょこ、、、。


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くるくるくるくる、、、、、という具合に。


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でも正直に言うと、
まぁ、これらは僕の閉所恐怖症の現れ(笑)。

とというオチでもあるんですけどねー、、、。



そうそう、実は、日常生活における自分の性質上の欠点やコンプレックスって、仕事の役には逆にたつんですよー‼︎

という話でした。

欠点バンザイ‼︎


おしまい(笑)。

posted by 西久保毅人 at 12:06| 2021.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月12日

5/15(土曜)放映の「渡辺篤史の建もの探訪」新さんの家が!

ちょうど完成して3年経って、超〜良い感じになっている新さんの家が、
今週末、5/15(土曜)のテレビ朝日「渡辺篤史の建もの探訪」にて
放映予定です‼︎



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敷地は、69uで、住宅密集地の木造3階建ての住宅という、
とても典型的な都市住宅の問題がてんこ盛りな設計だったのですが、
新さんご家族の人間力により、のんびりと街と連続した住宅になりました。


さっき見た建もの探訪のHPの来週の予告によると、

「無限に広がる迷宮の家」

って書いてあったんですが、まさにそんな感じ‼︎
さすがプロは上手い事言いますね(笑)。

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設計が良いだけでなく、、、、、、
3種類の雰囲気の違うハタノワタルさんの和紙バリ仕上げや、
部屋ごとに違う色や素材など、見どころ満載ですので30分で放映できるものかどうかが心配。

2話に分けていただいても良かったんですが、、、、。


そんなわけで
ぜひぜひご高覧くださいませ‼︎




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posted by 西久保毅人 at 23:30| 2021.5月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月01日

出会いとその後の物語

僕たち設計事務所って、
家づくりやリノベーションのご相談はたくさん受けるんですが、
相談を受けたからといって、全てが実現するわけではありません。

案外、一回会ったっきりっていう場合も結構多いですし、
一回会って、随分長い間、音沙汰ないのでどこか別の設計事務所などで家を建てられたのかなー?って
思っていると、3年後くらいに、

「よ、ようやく希望の土地が決まりました!」

って改めてご連絡を頂くという場合もあります。

僕の方はやる気満々でも、

「やっぱり別のところで進めるコトにしました。」

っていう残念なご報告をいただく場合だってもちろんありますが、この連絡に限ってはしていただく場合と、ない場合がもちろんあります。
断る連絡だからない場合の方が多いかもなー。
僕だったらどうするだろう?? しないかも知れません。


さて、最近はインスタグラムなどのSNSがきっかけでご相談を受ける場合も増えてきましたので、
上記のようなご相談だけで終了した方とも、仕事の関係はなくても
ゆるーく繋がっているケースもあります。

先日、ふとインスタグラムを見ていたら
結局、僕たちが設計できなかった方のストーリーに

「無事、新居のリフォームが完成し〇〇の雑誌に載っていまーす!」

というような記事を目にする事がありました。
設計や工事をしてくれた方への感謝のメッセージも添えられていました。

きっと満足のいく家づくりができたのだろうなーと思うと、とても嬉しい気持ちになりましたので、
僕も数ヶ月ぶりに

「おー、おめでとうございまーす!!!」

とメッセージを送りました。

仕事としては設計を頼まれるかどうかが大事ですけど、
人との出会いに限定すると、それはあんまりどうでもいい事だなぁ、、、、と改めて思いました。


むしろ設計せずに、そのご家族の未来が楽しめると思うと、、、、、、
こっちの方がお得かも??(笑)。



そんな訳で、
いろんなご相談は、絶賛うけたまわり中でーす!
僕に頼むかどうかは、ともかくとして。。。。


posted by 西久保毅人 at 16:51| 2021.4月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月16日

「ウチくる?? 外だけど。」

よーやく対面での大学の授業が始まりました。

毎年2年生の最初の課題は、「外のある家」というタイトルです。

わざわざ言うまでもなく、どんなケンチクでももれなく外はついてくるのですが、
それを意識するのは、なかなか難しいようです。

僕なんか、むしろウチ側いらない派なので(笑)、ご提案時にウチ側が少なすぎて
いつも「、、、、、。」となるのですが。

特に、今年の2年生は、実は大学の最初の一年間をほぼリモートで、外出禁止で、ステイホームで過ごさざるを得なかった子達です。
そんな誰も経験したことのない一年間を過ごした彼らにとって、「ソト」ってどういう存在なんでしょうね?

これからそれを一人一人引き出していくのが楽しみです!


posted by 西久保毅人 at 23:11| 2021.4月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする