遅くなりましたが、先週末に、大城さんの家のオープンハウスを行ないました。
ずーっと、雨続きの週でしたが、この日はピカイチの晴天。

設計条件としては、今までで一番シキチも小さく、面積も小さく、
予算も小さく、おまけに地盤も悪く、、、と、結構厳しいものでした。
実は、、、、。

はたして、出来るんだろうか?
出来たとしても、わざわざ設計事務所に頼んでいただく事のメリットが
今回ばかりはあるのだろうか、、、?
と、条件だけを並べた時は、ちょっと考えてしまいました。

こういう計画の場合は、出来るものは出来るし、出来ないものは出来ない、
っていう、ある意味割り切りのようなものが必要です。
しかも、それは、僕らだけが思っててもダメで、
設計者、建て主、施工者の3者が、それを共有しないといけません。

なーんて、ちょっとネガティブな考えも最初は多少あったのですが、
何と言っても、僕は、基本的に人に惚れてやる気になるタイプ。
たちが悪い、、、、。
今回も、大城さんとお会いした瞬間に、
なんか、楽しい家ができる気がしちゃった、というのが、正直なところです。

考古学者になりたい。
これは、多くの男の子が、たぶん、一度は夢に見る職業。
なんの職業でもそうですが、その夢を追いかけ続けるというのは、
並大抵な事ではありません。
上棟式の時の、大城さんの言葉が、今でもなんだか僕は忘れられません。
「、、、、ゼロか、百かの人生の覚悟で生きてきましたので、
まさか自分が家を持てるなんて、夢にも思いませんでした、、、、。」

ゼロか百かの人生。
これはすごいなぁ、、、と感動してしまいました。
やっぱ、そのくらいの覚悟がないと、夢はつかめないんだなぁ、、、、。
よく、一か八かって言いますが、これは、最悪でもイチが残るコトを前提に
しています。
だから、それじゃぁ、あまいのです、、、、。

と、そんな大城さんの生き方に感動しつつ、頼んで頂いたコトに
最大限の感謝をしつつ、なんとか小さくても、楽しい、大城さんらしい家を
つくりたいとあれこれ考えさせて頂きました。

とにかくたくさんの書籍をどうにかしないと、、、、、、、とあれこれ考えても
もう、スペースは限られています。そんなコトを考えている時に、
スタッフの菊地さんと、何というか、「みの虫」の話になりました。
みの虫の家は、小さな小枝でできていて、家って言うよりも、小枝をまとっている
ようなイメージです。
大城さんの家は本がたくさんあるんだったら、みの虫みたいに、
本を体にまとうような、そんな空間になったらいいんじゃないか、と。

そんな訳で、この家は、洞窟のようなこげ茶色の外皮の中に、
入れ子のように、本をまとう事が出来るような木箱がぶら下がっているような
そんなイメージで設計しました。
オープンハウスの時は、西久保家の大量の絵本を飾らせて頂きましたが、
入居後は、大城さんのたくさんの書籍が壁に並んでいくでしょう。
壁中全部埋め尽くされたら、本でできたみの虫の家みたいになるでしょう。
子供が大きくなったら、家中のいたる所にちりばめられた、
パパの夢の本を、洞窟のスキマのような、階段にすわって
読んでみるかも知れません。
そんな風に、父親の仕事に触れられるなんて、なんだか、
ロマンティックです。

、、、、、と、できてしまうと、いつものように、
「あー、この家、住みたい。。。。。
できれば、西久保家で、1年くらい住んでから引き渡したい、、、、。
うちの子供達、ぜったい喜ぶだろうなぁ、、、、、、、、。」
と、またいつもの「引き渡したくない病」になってしまっている
今日この頃、、、、。

本気で、自分ちにしたいです、、、、、。