2009年01月04日

NEW YEAR 2009

本年も、よろしくお願いします。

ニコ設計室 西久保毅人


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posted by 西久保毅人 at 17:17| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月18日

集まって住むコト。。。。

写真はもうすぐ完成予定の、
ガレージ付きの小さなマンションです。

これは模型写真なので、実際はまわりに壁がついています。

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おおきな木の幹のような、曲面の階段室が中央にあって、
そのまわりに、らせん状に張り付くように、5つの住戸を計画しました。

大きな木の幹にぐるりと張り付いたような5つの生活。

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集合住宅で、おもしろいなぁ、と最近思うのは、
一つの建物に、壁を隔てて、全然ちがう生活が平気で行われる、という
ごくごくあたりまえの事。

コジン住宅ばっかり設計しているから、余計にそう感じるのかな?

例えば、僕らは完成するまで、どの住戸も好きなだけぐるぐる廻ってみる
事ができるので、あたかも全部ひと繋がりの建物のような気分がどうしても
なくなりません。

完成間近の、いまだにそんな感じ。。。。。


でも実際は、コジン住宅なら、工事中も、入居後も、隅から隅まで入っていく事が
できますが、集合住宅は、入居したとたん、別の住戸に勝手に入る事は、
許されないのです。

そんなの、当たり前ですが、、、、。


例えば、5つ住戸があったら、住まい手が利用できるのは、
1/5のスペースだけで、残りの4/5のスペースは他人のスペース。

頭では分かるんだけどなぁ、、、。
うーん、
それって、トムとジェリーに出てくるような、
チーズの穴に住んでるようなカンカクかなぁ、、、、?

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穴だけが、自分が住んでるスペースで、その他は、他人のスペース。

、、、、とか、あれこれ想像してみます。


実はこれが、一番分かりやすいかもしれません。
つまり、一つの建物の中に、いろんな生活があるってコトは、図面上は
全部が空間なのだけど、当の本人にとっては、チーズの穴に住んでいるような事。
だって、穴以外は、入って行けない訳なので、、、、。

生活者の体験としては、そうかも知れません。

実はそれは、集まって住むからこそできる独特な体験。

だったら、その、チーズの穴に住んでいるような体験を、
積極的に楽しめるような空間にしたいなぁと思いました。


そんな訳で、5つの細長い生活空間が、らせん状に巻き付いたような
構成になっていて、洞窟を探検しているような、面積を感じさせない
不思議な奥行き感のある空間です。


賃貸なので、はたしてどんな人達が住むのか、今から楽しみです。


ゴレンジャーみたいな、5人組なんかが、
実は住んだりしてくれたら楽しいけどな、、、、、。
ガレージもあるし、、、。


という訳で、入居者募集中です。

http://www.early-age.co.jp/rental/2008/12/bm_1.html








posted by 西久保毅人 at 00:55| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月21日

新しくない住まいの掲載

昨日発売の、「新しいすまいの設計」(扶桑社)に、
2005年完成の本間さんの家が、掲載されました。

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大抵の雑誌は何でもそうですが、新築がほとんどです。
見てみると、やはりほとんど2008年完成って、書いてあります。

雑誌の名前も「新しいすまいの設計」だし、、、。
そりゃ、そうだ、、、、。


そんな中で、もうすぐ、完成して4年経とうとしている住宅を掲載して頂く
事は、とても嬉しい事です。

しかも、特集のトップ掲載で、、、、。

実は、設計者としては、一番、光栄な事かも、、、?
とも思います。

まぁ、建物の寿命からしたら、4年なんてまだまだ新築のうちなのかも
知れませんけれど、少なくとも、新しいすまい、というカテゴリーでは
ありません。


そんな中、他に並ぶシンチクと全然ひけをとらない程、
とても大切に大切に、住んで頂いている御様子には、いつも感動しますし、
やっぱり、時間がたったものはいいなぁ、と単純に思います。


次は、10年後かな?
その頃は、子供達は結婚して、
御夫婦2人のすまいになってるかも知れませんねー。



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今後も、時間がたっても、

時代を超えて「新しい」

って感じられる建物をつくっていきたいと思います。

posted by 西久保毅人 at 02:34| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月23日

植木さんの家

新しくない家と言えば、
昨年末、たくさんのみかんを送って頂いたお礼に、
久しぶりに、町田の植木さんの家にお邪魔しました。

完成して、丸3年。

オープンハウスの時の写真と見比べてみると
明らかに違う床の色。

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そういえば、ソラが生まれたばかりの頃。
今では、我がもの顔で、人んちでふんぞり返っていますが、
あの頃は、小さくて可愛かったものです、、、、。

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久しぶりにうかがいましたが、とても大切に住んで頂いていて、
明らかに完成時よりも素敵な家になっていました。

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時間がたてばたつ程、味わいの出てくる建築をつくりたい、っていうのが、
独立した頃からの僕の目標でした。
それは、自分が好きな街や、建築のほとんどが、長い時間の蓄積の結果
できたものだったし、どれもツルツルピカピカしていなかったから、、、。

建築は、一度完成したら、壊さない限りは、なくならないし、
あり続ける限り、古くなっていきます。

だから、いかに古くなるか?をデザインする事が、
一番大切な事だと思うのです。

どういう風に、古びていくのが、カッコいいか?

それは、個人個人の美意識みたいな、初原的な感覚に
きっと根っこがあるはずです。

例えば、世界中で、どの街が好きか?っていうような事の
答えが、きっと一番真実に近いでしょう。

「日本のハウスメーカーの住宅地」って答える人は、ほとんどいないんじゃ
ないでしょうか??


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設計者は、建物を設計する権利はあるけれど、
建物を消し去る権利は持てません。


だからこそ、

「メンテナンスフリーです。」

みたいな、言葉で逃げるんじゃなくて、
何十年もの間、人と一緒に年を重ねて、
建物が愛され続けるには、どうしたらいいか?

っていう事から、ケンチクを考えていきたいと思っています。

その答えは、まだ全然分からないけれど、
たぶん、設計とは関係ないところにあるんじゃないかなぁ、
とかなり思ってるんだなぁ、、、、、、、、実は、、、。


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、、、、などと、
大切に住んで頂いているのに感激して、
いろんなコトをあれこれ考えました。

、、、という訳で、遅くなりましたが、ごちそうさまでした、植木さん。

今年も、機会をつくっては、
いろんなお宅に図々しくお邪魔したいと思っています。

逆オファーも、ご遠慮なく、、、、。





posted by 西久保毅人 at 01:51| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月27日

勝負

週末に、昨年完成した「吉原さんの家」の雑誌の撮影がありました。
写真が奇麗だなぁ、と前から好きだったコンフォルトという雑誌です。


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家具が入り、生活が入り、まだまだ一ヶ月ですが、
「おうち」らしくなって、なんだか、よその家みたい、、、、。
(よその家ですけど、、、、。)


さて、今回は、太田拓実さんという若い写真家の方に撮影していただきました。

写真の事は、よく分かりませんが、デジカメの普及で、
誰でもそれなりの写真が撮れる時代、と言われていますが、
僕は、そう思わないんだなぁ、、、、。

だって、撮影する人で、やっぱり写真はゼンゼン違う。
もしかすると、むしろ、プロと素人の差が明らかになる時代なのでは?
と思うのです。


僕も年間、何千枚もの写真を撮るのですが、撮ればとる程、

「はぁ、、、、。」

と、ため息ばかり、、、、。


プロのカメラマンの世界も、デジタル化しているのは同じで、
大抵の方が、デジタルカメラに移行されていたり、両方を使い分けていたり、
使うカメラも、人によって様々です。

なので、いつもの質問。

「デジタルとフィルム、どう使い分けてるんですか?」

しばらく考えて、

「うーん、デジタルの方が、ギリギリの勝負ができる、かな。」

との事。

これは、なんか新鮮な意見でした。
なんとなく、これまでいろんな人に聞いてみたのですが、
環境のデジタル化に伴って、仕方なく、、、、っていう人が
割と多いのが実情。

ふーん、と思いつつ、じゃあ、何が違うんだろうと、
いつも思ってたのです。

結局、カメラなんて、道具でしかない訳で、その道具を使って、
どう切り取るかが、たぶん写真です。
スポーツ選手のシューズ、料理人の包丁、、、、。

自分の力をギリギリまで引き出すための、体の一部のような道具。
そのために、何の道具をつかうか?

ギリギリの勝負かぁ、、、、。
僕の仕事は、すべてギリギリだと怒られちゃうけど、
そういう気持ちの「差」が、たぶん、大きな「差」に
なるんだなぁ、、、、。絶対に。

、、、、と、そんなコトを思った、印象的な一言でした。


物静かだけど、そんな思いで仕事をされている写真家の方に
撮影していただいて、なんだか嬉しかったですし、
本になるのが、今から楽しみです。


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posted by 西久保毅人 at 01:58| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月31日

上棟の音

今週、千葉県八千代市で工事中の、中澤さんの家が、上棟しました。

それこそ、もう30件以上の上棟をむかえた訳ですけど、
今回の上棟は、初めての経験でした。

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ちょうど、骨組みが組み上がって、夕方頃、
みんな集まり、いよいよ上棟式。

いつもは柱の四隅に、お塩、お米、お酒をまいて乾杯、という
形式なのですが、何だか、職人さん達が話しています。

「とりえあず、奇数登らせてっ。」

「ダメダメ、それじゃ、数あわねえから、、、。」


はて?、、、、奇数って、何??

数合わねえ、って、、、、?


2階にあがって見ていると、
ひょいひょいっと、大工の棟梁が、屋根に登っていきまして、
一番高い所に、一升瓶、お米お塩を置きました。

それから、

「おいっ、げんのう、げんのうっ!」

と、大きなげんのうを受けとると、
てっぺんの梁をゆっくりと、叩き始めました。


「カーン、カーン、カーン    


 カーン、カーン、カーン」


と、静かな街の夕暮れ時、
街中に響くような、何だか神聖な音。

「カーン、カーン、カーン    


 カーン、カーン、カーン」


こういう形での、上棟の儀式は初めてでした。

まぁ、都心では苦情が来るかも知れませんが、なんだか神聖な感じが
して、とても印象的でした。

どうしても、都心では工事は迷惑業っぽく扱われてしまいますが、
こういう上棟の音が、街中に響き渡り、


「あっ、今日はどこかの上棟かしらね、、、。見に行ってみようか?」


というくらい、日常にとけ込んだ小さな出来事になって、
子供達のキオクに残っていくような世界になるといいなぁ、
と思いました。



、、、、、やばい、明日は、ピアノの発表会。
ノノとレンダンの日です、、、、。
ドキドキです、、、、、、、。

まぁ、僕のピアノは、街中に響きわたりませんけど、、、、。





















posted by 西久保毅人 at 19:18| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月04日

忙しい日曜日2

さて、なんで忙しい日曜日だったかというと、
実は、この日は、吉原さんの家I`m home という雑誌の撮影でも
あったのでした。

あんまり、こういうスケジュールはないですし、
しかも、同じおうちを2週連続取材っていうのも、初めてのような
気がします。


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なので、朝は、撮影に立ち会って、昼はピアノの発表会、それから
また撮影に戻る、、、、という公私混同な強行スケジュール。

4時頃発表会も無事終わり、もう撮影終わったろうから、
行かなくっていいかな?と思って担当の方に、電話してみると

「うーん、あと一時間以上はかかるかなぁ、、、。」

との事。

そんな訳で、また自転車で、世田谷まで移動しました。

雑誌の撮影は、その雑誌によって、どんな写真を撮るかっていうのが
ぜんぜん違って、それはそれで勉強になります。

生活そのままを伝えたい雑誌もあれば、
ケンチクそのものがよく分かるように伝える雑誌もあります。
家族が映るのが必須の雑誌もあれば、
人は絶対入れない雑誌もあります。

I`m homeは、そんな中でも編集長さんの美意識の徹底した雑誌。
それは、本を見れば、伝わってきます。


なので、一度下見をして、その空間に似合いそうな小物類を、調達して来て
足したり引いたりと、いろんなレイアウトを試しつつ撮影を進めます。

そういうインテリアコーディネートみたいな事は、
なかなかいつも考える機会がないので、実は結構勉強になりますし、
その引き出しの多さに感心しました。


僕が一番、うとい部分でもありますので、、、。


なによりI`m homeは、紙面全体の色彩がとっても奇麗なのですが、
それもこういうこだわりの賜物なのでしょうね。


ちょうど、2冊とも3月に発売なので、どんな紙面になるか
見比べるのが楽しみです。
posted by 西久保毅人 at 02:24| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月10日

自転車マップ

世田谷というのは、どうも荻窪からは行きにくいのです。

電車で。

なので、昨年頃から、世田谷の現場が増えた事もあって、

世田谷へは、自転車で、

ていうのが、ニコ設計室流です。

雨でも降らない限りは、世田谷の現場へは、自転車で行きます。
だいたい片道、30分くらいでしょうか?
慣れると、電車よりも圧倒的に早いですし、自分のペースでこげるっていうのが、
何よりラクチンです。

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そんな先日。
いろんな方からお問い合わせを頂き、さてシキチを見に行こうと、
地図を見てみると、てんでんバラバラ。
電車で行ってたら、乗り換えも多いし、
しかも、駅からそんなに近くない。
とてもじゃないけど、一日は無理。。。。。

ていうか、電車で行く気がしない、、、、。

うーん、、、、。

と、言う訳で、自転車でまわる事にしました。

朝9時すぎに荻窪を出発し、まずはいざ、品川方面へ。
途中、世田谷の現場へチラリとよって、
それから、多摩川にでて、、、ちょっと土手で休憩、、、。

午後は、仙川方面へ昔向かい、途中で工務店さんに
相談へ寄り、荻窪へいったん戻り、完成間近の、環八の現場へ。

もう、気持ち的には、家に帰りたいのですが、
荻窪駅を見ちゃうと、家に帰りそうなので、
気を引き締め、早稲田通りへ出て、高田馬場のシキチへ。。。。。

まぁ、高田馬場だし、都会だし、シキチもすぐ見つかるかなぁ、、、
と思ってたら、一番のトラップ。

クネクネとした路地の中のシキチで、しかも持って来た地図情報が
間違っていたので、探し出すのに一番苦労してしまいました、、、。

気がつくと、もう、夕方。

さぁ、帰ろうと、戻る途中、

「そういえば、高円寺の知人の現場が、明日引き渡しって行ってたから
今日は遅くまで工事してるだろうなぁ、、、。」

と、もう、自転車に乗りすぎて、距離感麻痺している
僕のアドレナリンが、
余計な事を思い出し、せっかくなので、ちょっと見に行く事にしました。

案の定、職人さん達、たくさんいたので、
最後のより道。

結局、朝から10時間くらい、自転車に乗ってました。。。。

思い返すと、すごい移動距離。
たぶん、車じゃ、混んでイライラするだろうし、
電車じゃ、歩いて疲れちゃうし、途中の誘惑も多い。

そもそも、こんだけ一日でトウキョウを移動できるのって、
自転車ならではだなぁ、とつくづく自転車のすごさを痛感しました。

何より、道中、いろんな街並を見たり発見があるのがいいですね。
いつでも立ち止まれるし、どんな道でも走れますし、
下手なケンチク雑誌より、自転車でブラブラする方が、
よっぽど面白い風景に出会います。


でも、時々は、電車にも乗れたらいいので、
目下、一番欲しいのは、そこそこの長距離に耐えられるスピードと、
快適性を持ちつつ、必要とあれば、
すぐにコンパクトに折り畳めて電車に持ち込める、という
そんな自転車があれば、最強なのですが、、、、。

あるのかな?








posted by 西久保毅人 at 00:15| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

さっそく

こないだ、自転車のことを書いたら、翌朝の6時過ぎ、
白石さんからさっそくメール。

お勧めの自転車について、たくさんアドバイスを頂きました。

たしかに、電車に乗らないって決めたら、交通費かかんない訳だから、
高い自転車買ってもいいかも?

等と、白石ワールドへのお誘い。

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白石さんといったら、自転車もそうだけど、
遊びのプロだ、というのが僕の印象です。

生活そのものを、家族で徹底的に楽しむ姿勢は、
出会った時から、学ぶ事、多いです。

http://fore.cocolog-nifty.com/
http://fore.cocolog-nifty.com/house2/


白石さんの家との家作りも、まさにそんな延長でしたし、
ブログにも紹介されていますが、
家という、大きなおもちゃを
とことん楽しんで頂いてるようです。

ウチの子達も、杉並くんだりじゃ、
ワイルドで通っていますが、
白石家の子供達には、ちょっとかないません。

レベルが違う。



家、近かったら、毎週行ってたかもなぁ、、。
ていうか、家近かったら、こっそり、住んでたかもなぁ、、。


子供達だけでも、今度連れて行った時に、
こっそり置いてこようかなぁ、、、。


こんな子供部屋、うちの子達にも作ってやりたいなぁ。


天井高、1mの子供の巣。


上棟のとき、白石家の子供達にもらったこのカードは、
いまだに僕のポケットに入ってます。

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posted by 西久保毅人 at 17:45| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月20日

BM荻窪オープンハウス

もう今日になっちゃいましたが、
2/20(金)21(土)の二日間、杉並区荻窪にて計画しましたBM荻窪の
オープンハウス
を行ないます。


BMってのは、バイカーズマンションの略で、
バイクの専用ガレージのある共同住宅です。

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しかし、どうも、「マンション」っていう言い方に昔から抵抗があって、
何でしょうね、マンションって。。。。。

僕は、ビンボウ性なので、マンションって聞くと、
大きくって、高級、、、、、をまず連想します。

だから、マンションにはマンションなりの、見た目っていうのが
やっぱり重要で、以前住んでいたアパートが、見た目、どうみても
アパートなのに、「グレイスマンション」っていう名前が妙に
恥ずかしかったです。


この建物は、敷地は12.5坪、建坪10坪しかないので、
やはりマンション、っていうよりも、
小さな共同住宅っていう方がしっくりとくるかな。


それと似たようなカンカクに、株式会社ってのがあって、
僕のイメージ的には、株式会社っていうからには、
ビルがあって、たくさんの社員が背広着てて、株主総会が
大々的にあって、、、、、とういうのが、僕の中での株式会社。


前は、ちょっと控え目な有限会社ってのがあったんですが、
もうなくなっちゃったので、今会社をつくると、全てが
株式会社になっちゃいます。

だから、どうも僕のイメージには株式会社は合わないんだなぁ、、、。
もっと身の丈にあったネーミングがあってもいいようなものだけど、、、。

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そんな訳で、明日はオープンハウス。
今日は、オープンハウス用に、アールエイジさんが家具を持ち込んで、
コーディネートされていました。
さすがです。

家具が入ると、急に人んちみたいです。


人が入る前に、各住戸、一泊ずつ止まってみたいなぁ、、、、。

ぐるぐると階段が交差し、かくれんぼしたくなるような、
そんな建物です。




posted by 西久保毅人 at 00:30| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

建築どろぼう

今日は、BM荻窪のオープンハウス一日目。

引き渡しまでの、短い間、いる間中、なんだかんだと写真をとります。


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模型や図面で考えてきた空間を、


自分のものでなくなる前に、何とか、一枚に全てをおさめてしまいたい、、、。

こっそり手に入れてしまいたい、、、、。


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などと、いやらしい事を考えてるから、ダメなのか、、、?

シャッターを押しても押しても、なかなか近づかない、、、、。

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そもそも写真で手に入れようとするのが間違いのような気もするけれど、

全て、何とか写真におさめられないものか、、、。

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、、、そんな事を考えながら

だんだんアングルは、マニアックな世界へ、、、。


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そして、

「やっぱ、写真じゃ、無理だな、、、。そもそも、下手だし、、、。」


と、あきらめたくらいの頃の写真が、
実は一番良かったりします、、、、、。





明日もあるので、ぜひ見に来て下さい!

posted by 西久保毅人 at 22:59| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月04日

撮影

日曜日に、「辰巳琢郎の家物語 〜リモデル☆きらり〜」

という番組の取材で、「阪本さんの家」に行ってきました。

ちょうど、完成して1年たって、いろんな材料がほどよくなじんでいる頃。
とても大事に、楽しんで住んで頂いていて、阪本さんの家に行くのは
いつも楽しみです。

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阪本家では、

「家に、辰巳琢郎が来るっっ!!」

という事で、朝からおじいちゃんやおばあちゃんまでソワソワされていました。

こういう取材というのは、滅多にある事ではないですが、
なんか、ちょっとしたお祭りの前のようで、
みんなでドキドキ。。。。。。


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午前中は、スタッフがいろいろなカットを撮影して、
午後から、いよいよ、辰巳琢郎登場。


意外とデカい。


来るまでは、

「ためしに安いワインを高いボトルにいれて出してみましょうか?」

なんて、いろいろ話していましたが、
来ちゃうと、やっぱり圧倒されますね、、、、。


借りて来たネコのように、手も足も出ない、琢郎ペースでした、、、、。


最後は、きっちり皆で、記念撮影。
色紙に、サインまで頂きました。

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工事してくれたリフォームキューの森田さんまで、
駆けつけてくれて、もちろん撮影終了後は、阪本さんと反省会、
という名の居酒屋へ。

「阪本さんちに行くってコトはさ、、,どうせ、今日も帰ってこないでしょっ。」
って、ハラさんに言われてるので、夕方に帰る訳にもいきません、、、。



「やっぱさぁ、なんだかんだ言ったって、すごいね辰巳琢郎。
それに比べてさぁ、、、俺たちの人間の小ささと言ったら、、、。」


と、さんざん飲んで、
つぎ、最後の一杯ね、、、、、っていうのを、4.5回やって、
またもや帰りの電車でオギクボで降りそこない、
家についたのは新宿行き最終電車となりました、、、、。


放映は、3/21(土)予定みたいです。






posted by 西久保毅人 at 02:44| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月06日

大城さんの家

今週の土曜日に、「大城さんの家」のオープンハウスを開催します。

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シキチが小さいのは、まぁ、いつもの事なのですが、
57uで、しかも、旗竿、っていうのは、、、、、、。
つまり、半分が通路な訳で、しかも、道路から1.7M程高い訳で、、、。

不動産屋というのは、ナニを考えてこんな分譲の仕方をするのでしょうか、、、?
たぶん、何も考えてないんでしょうけど。


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そんなシキチとの出会いでしたが、

「カギ型(L型)っていうのは、実は、エジプトでは、王家を意味するのです、、、。

つまり、王が住む家。そんな意味もありおもしろそうだと思って買いました。」


っていう、エジプトにご縁がある大城さんの言葉にのせられて、
楽しんで設計させて頂き、とても可愛らしいスケールの家になりました。

建築の設計をしているのか、家具の設計をしているのか、
それがあいまいになるような、小さな家。
だからこそ、発見できた小さなしつらえ。

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あまりに小さいので、通り過ぎてしまわないようにご注意下さい。







posted by 西久保毅人 at 00:21| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月14日

オープンハウス

遅くなりましたが、先週末に、大城さんの家のオープンハウスを行ないました。
ずーっと、雨続きの週でしたが、この日はピカイチの晴天。

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設計条件としては、今までで一番シキチも小さく、面積も小さく、
予算も小さく、おまけに地盤も悪く、、、と、結構厳しいものでした。

実は、、、、。


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はたして、出来るんだろうか?
出来たとしても、わざわざ設計事務所に頼んでいただく事のメリットが
今回ばかりはあるのだろうか、、、?

と、条件だけを並べた時は、ちょっと考えてしまいました。


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こういう計画の場合は、出来るものは出来るし、出来ないものは出来ない、
っていう、ある意味割り切りのようなものが必要です。
しかも、それは、僕らだけが思っててもダメで、
設計者、建て主、施工者の3者が、それを共有しないといけません。


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なーんて、ちょっとネガティブな考えも最初は多少あったのですが、
何と言っても、僕は、基本的に人に惚れてやる気になるタイプ。

たちが悪い、、、、。

今回も、大城さんとお会いした瞬間に、
なんか、楽しい家ができる気がしちゃった、というのが、正直なところです。


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考古学者になりたい。

これは、多くの男の子が、たぶん、一度は夢に見る職業。

なんの職業でもそうですが、その夢を追いかけ続けるというのは、
並大抵な事ではありません。

上棟式の時の、大城さんの言葉が、今でもなんだか僕は忘れられません。


「、、、、ゼロか、百かの人生の覚悟で生きてきましたので、
まさか自分が家を持てるなんて、夢にも思いませんでした、、、、。」


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ゼロか百かの人生。

これはすごいなぁ、、、と感動してしまいました。
やっぱ、そのくらいの覚悟がないと、夢はつかめないんだなぁ、、、、。

よく、一か八かって言いますが、これは、最悪でもイチが残るコトを前提に
しています。
だから、それじゃぁ、あまいのです、、、、。

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と、そんな大城さんの生き方に感動しつつ、頼んで頂いたコトに
最大限の感謝をしつつ、なんとか小さくても、楽しい、大城さんらしい家を
つくりたいとあれこれ考えさせて頂きました。

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とにかくたくさんの書籍をどうにかしないと、、、、、、、とあれこれ考えても
もう、スペースは限られています。そんなコトを考えている時に、
スタッフの菊地さんと、何というか、「みの虫」の話になりました。
みの虫の家は、小さな小枝でできていて、家って言うよりも、小枝をまとっている
ようなイメージです。

大城さんの家は本がたくさんあるんだったら、みの虫みたいに、
本を体にまとうような、そんな空間になったらいいんじゃないか、と。

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そんな訳で、この家は、洞窟のようなこげ茶色の外皮の中に、
入れ子のように、本をまとう事が出来るような木箱がぶら下がっているような
そんなイメージで設計しました。

オープンハウスの時は、西久保家の大量の絵本を飾らせて頂きましたが、
入居後は、大城さんのたくさんの書籍が壁に並んでいくでしょう。

壁中全部埋め尽くされたら、本でできたみの虫の家みたいになるでしょう。

子供が大きくなったら、家中のいたる所にちりばめられた、
パパの夢の本を、洞窟のスキマのような、階段にすわって
読んでみるかも知れません。

そんな風に、父親の仕事に触れられるなんて、なんだか、
ロマンティックです。

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、、、、、と、できてしまうと、いつものように、

「あー、この家、住みたい。。。。。

できれば、西久保家で、1年くらい住んでから引き渡したい、、、、。

うちの子供達、ぜったい喜ぶだろうなぁ、、、、、、、、。」


と、またいつもの「引き渡したくない病」になってしまっている
今日この頃、、、、。

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本気で、自分ちにしたいです、、、、、。







posted by 西久保毅人 at 02:29| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月19日

いろいろ

いま発売中の、I`m home と confort に、
吉原さんの家が掲載されています。

同じ家でも、撮るカメラマンや、雑誌のテーマにによって雰囲気が
違うのが面白いです。
今日も別の雑誌の撮影だったのですが、ケンチクはもって歩く訳には
いかないので、こういう形でいろんな人に見て頂けると嬉しいです。

たくさんのプロのスタッフの皆さんのご尽力で、
撮影が行なわれるので、とても感謝しているのですが、

でも、設計した立場からすると、
やっぱり、実物に勝るものはないなぁ、、、、となんだか、
もどかしくも思うのが、正直なところ。

設計させていただいた、どの家もそうですが、
僕にとっては、

やっぱり、実物がいちばん。

、と改めて思いますし、
せっかくだから、
何とかその体感そのものを、人に伝える方法がないものかなぁ、、、、と、
常日頃思っているのですが、、、、、、。

これについては模索中ですね。

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それと、
「辰巳琢郎のリフォームきらり」というBS朝日の番組で、
「阪本さんの家」が放映されます。
放映日は、今週の土曜日3/21の12:00〜12:30。

僕もチラリと出演予定です。

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余談ですが、撮影の日、ダウンの下に半袖のTシャツ、という
まぁ、着ても脱いでも、真冬か真夏にしかならないような恰好で
ブラリと行ってたのですが、

撮影される時になって、

「あのー、西久保さん、着てても、脱いでも、季節感があまりにないんで
 なんとかなりませんか、、、、ねぇ、、、、?」

という訳で、阪本さんに急遽、服を借りて出演、という
事になりました。


全てにおいて、特に勝負所になると「中間」というのを、
持ち合わせていない、清原世代のメンドクさいタイプ。


なので琢郎は横にいるわ、服は借り物だわ、、、、、、で、
しどろもどろな感じが、大事な所でシュートを外す、いつものサッカーと
同じパターン。

なかなか人間は、変われないものです、、、。


まぁ、どうせウチは、BSとかの最新のモノは写らないんで、
見れませんけど、、、、。
posted by 西久保毅人 at 00:03| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月27日

にょきにょき

自転車でブラブラしていると、
なぜか壁から、木がにょきにょきと生えていました。


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正確に言うと、木に気がついたのはちょっと後で、
最初は、見たことありそうで、見た事ない、外壁がとても気になったのです。
ガルバリウム鋼板のようだけど、なんかゆらめいていて、
さらに、ぶつぶつした模様が何遍なくあります。

一見、フツウのようだけど、全然フツウじゃない雰囲気。。。。。。

明らかに、誰かが設計したとかいうより、
きっと住んでる人が自分で作ったような独特のユルさがあるのですが、
ただのシロウトの仕業では絶対ないような、ただならぬ雰囲気。


そう思ってみてると、そこは実は絵画教室でした。


なるほど、なるほど。
とにかく、かわいい。

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白い部分は、どうやら増築のようですが、
よーくみると、窓が入ってないところもあります。

てことは、この白い部分の中は、ソト??

木も突き出してるし、、、。


そう思って、引いて見ると、、、、、


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なんと、屋根から、たくさんの木がにょきにょきと、天高く突き出していました。

そのたたずまいが、ものすごく可愛くって、何とも言えません。
外見は家の様で、実はお庭を囲ってるんでしょうね。

きっとすごーく、遊び心のある絵画教室なんだろうなぁ。。。。
こういうところは、子供を通わせたいなぁ。。。。

そして、子供をだしに、僕も入ってみたいなぁ、、、、。


、、、と、これは是非、中を見せてもらおう、と思ってピンポンしてみましたが、
ザンネン、御不在。

次回、通ったら、是非。




posted by 西久保毅人 at 01:43| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月30日

大きいコト、小さいコト

小さいとか、狭いとか、そんな事ばかり気にしている
うちは、なんか案がしっくりきません。

小さいとか、狭いって、あくまで相対的な事なので、
僕にとっては小さい、とか、
子供にとっては大きい、とか、

何に対して?

っていうコトに頭を切り替えた瞬間、いろんな物事が
違って見えてきます。

うーむ、小さな家だなぁ、、、、、、

と家と思うと小さいけれど、

シキチに8mの高さの棚を作る、
って、思った瞬間に、巨大な家具に見えてきます。

そうすると、街に現れる家具だから、棚の厚みも
コンクリートで15センチくらいはないとねっ、て、
いつの間にか、家具のスケールと、街のスケールが
ごちゃ混ぜになってきて、


いつのまにか、小さいとか、狭いとか、感じないくらいの、
大きなスケール感の骨格がたち現れてきます。

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ゼンゼン、違う話のようですが、
先日日経新聞で、大和証券の会長清田あきらさんという人が、

「子供を産んだら、一人につき毎月10万円を20歳になるまで
支給してはどうでしょう?」

っていう提案をされていました。
基本的に、僕は中途半端な少子化対策って大っキライなのですが、
これはちょっと面白いなぁ、と思いました。

難しい話は、よく分かりませんが、
要するに、子供一人につき、月10万円の支給っていうコトは、
子供を2人生んだら、月に、20万円の支給という訳です。

今でも、大抵、大卒初任給って、20万前後でしょう。

て、コトは、子供を2人生んだお母さんは、社会人としての
最低限の収入が20年間確保されるっていうコトです。

つまり、専業主婦のお母さんも、収入的に働いてる人と対等に
なるのです。

理屈としては、国民一人が生涯に生み出す付加価値が4億円程度で、
そのうちの、4千万円を納税しているので、それを考えると、
子供一人に20年で2400万円を投資する方が、
投資効率の悪い公共事業に投資するよりも効果的だ、
っていうコトみたいですが、

まぁ、難しい話はさておき、

こんな世の中になったら、
たぶん、社会構造が、激変しそうでワクワクします。


そう、大事なのは、ケンチクでも、社会構造でも、

ワクワクできるかどうか?

成り立つか、成り立たないか、ってことよりも、

こうなったら、ワクワクするよねっ。

ていう、大きな枠組みを見つけられたら、
アトは、成せば成る、のだと、思うのです。


子供3人の、お父さんにも何か支給されないかなぁ、、、、。
posted by 西久保毅人 at 23:22| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月10日

犬レベル

今日、街を歩いていたら、犬と目が合いました。

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散歩している犬と目があうのはあるとしても、
突然、同じ目の高さで犬と目が合うっていうのは、ちょっと不思議な体験、、、。

で、どういうしかけか、覗いて見ると、、、、



なるほど。

これは、かなりやられた感があります。
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まぁ、要するに、おうちの庭が、道路よりも高い訳なのですが、
こんな、ほんのちょっとした高さの違いが、人間と犬との意外な出会い方を
演出しています。

都会で、飼い犬っていうと、
結局、散歩の時しかソトに出られない室内犬か、玄関の前の狭ーい場所に
閉じ込められてるような、なんかかわいそうな印象しか持っていなかった
のですが、
こんな高さから、人間様をみおろしてひなたぼっこなんて、
なんか優雅な感じです。

きっと犬も、気分が違うでしょうし、その事が、人と犬との新鮮な出会い
につながっています。

どうしても、人間と犬は大きさが違うので、見下ろす、見下ろされる、っていう
ヒエラルキーが前提にあるのですが、例えば、この街並全部、目線に犬がいたら
なかなか楽しいなぁ、、、と想像しました。

それは、大人と子供の関係も似たところがあって、
明らかに大きさも違うし、アイレベルが違うから、見てるものも違います。

ソラなんかは、道歩いてても、下ばかり見てるのは、
きっと、目の高さが地面に近いから、なのでしょう。

大人にとってはちょっとした段差でも、子供や犬にとっては、劇的な変化。
ちょっとした高さの変化を与えるだけで、
街並もきっとがらりと変わってしまうのだと思います。

今日の、この犬レベルと、道路との関係って、
実は、ケンチクを通して僕が一番したい事でもあります。

建物をつくる事で、新鮮な関係を作り出す事。
親と子。人と犬。人と自然、街。

できるだけたくさんの人をハッピーな気持ちにさせる、そんな関係を
つくっていきたいな。












posted by 西久保毅人 at 00:36| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

おさかなポスト

いつからでしょうか?

ニコ設計室では、住宅のポストやインターホンを
よく西荻窪にあるアトリエベガさんという鉄の工房に頼んでいます。

事務所から近いのもあり、鉄という素材に興味がある事もあり、
せっかくなので、毎回建物や、ご家族のイメージにあったような
形をデザインして、スケッチをベガさんに持っていっては、

「こんなのできますかねぇ、、、。」

という感じで、お願いするのですが、
大抵は、こちらでほぼデザインを決めてお願いしていました。

でも、ある時から、そもそもベガさんの作るテイストが、
結構すきなので、ある程度の絵や条件は僕が書くのですが、細かいとこは、
ベガさんお任せの方が、いいんじゃないかと思うようになったのです。

もちは餅屋、というか、ぜったい、金属に関しては、ベガさんが詳しい訳だし、
イメージをきちんと伝えさえすれば、
中途半端に知らない僕が口を出すよりも、
任せちゃった方が、ベガさんの方が、引き出し多そうな感じですし、、、、。

と、そんな事を思っていた時、
昨年完成した白柳さんの家のポスト口を、考える事になりました。

まぁ、普通に作ってもいいんですが、
前々から、白柳さんが釣りが好きだったりするお話を聞いていたので、

「サカナにしましょうか?」

と雑談が、発展して、実現する事になりました。

白柳さんは、じゃあ、シャケか、ヒラメがいい!との事でしたが、
僕は、シャケもヒラメもあんまり上手く描ける自信がなかったので、

「じゃあぁ、もう、ベガさんに全部おまかせしましょう。」

という訳で、ベガさんに頼んでいたら、かなり感動的なイメージ画ができました。

やっぱ、任せるもんです。

、、、、と、そんな訳で、ようやく完成し、先日設置しました。

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体は真ちゅう、文字は、銅をくねらせて。
ポスト口は、あけておく予定だったのですが、ベガさんの方から、
「せっかくなので、ポスト口も、サカナと一体でもいいですか?」
との事で、サカナと一体になっています。

ベガさんもかなりノリノリです。
面白くて、ノリノリで作った、っていう事が、作品から伝わって来るような、
何とも言えない出来映えでした。


そういうのって、実は一番大切だなぁ、と思うのです。
白柳さんの家もそうですけど、正直、僕も、ベガさんみたいに、ノリノリで
設計させてもらいました。

ノリノリになると、何だってできる気がしますし、
たぶん、自分の能力以上の、パワーが湧いて来ますし、
能力以上の仕事ができちゃいます。

取り付けにきたベガさんがニコニコしながら、言ってた一言がとても印象的。

「僕らは、発案してもらって初めて、ああこういうのもありだなぁ、
 と気づくチャンスをもらえるので面白いのです。。。。」


、、、、、なぁんだ、ベガさん、僕が設計する時の考え方と、同じですねっ。

と、妙に、親近感をもったのでした。


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posted by 西久保毅人 at 00:46| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月23日

植栽

千葉でまもなく完成する、中澤さんの家に植木が入りました。

先週末に、中澤さんご家族と植木屋さんにいって選んできたのですが、
今日は天気も良く、
ざらざらの外壁に写り込む木の影がとてもキレイです。

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最近は、街を歩いていても新緑がキレイで、色とりどりのお花が、
街のいたるところで咲き始めています。
街を歩いていると、この季節は建物よりも植物に目がいきますし、
植物の魅力と比べると、建物なんてどうでもいいじゃん、
なんて思う事すらあります。

やっぱ、植物には建物はかないません。

だから、建物の外壁というのは、できるだけ植物が美しく見える素材が
いいなぁ、と最近思います。


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木陰が美しく映り込んだり、光を受け止めたり。。。。。
時間と共に移り変わる光や影の変化は、見ていてあきません。


そんな中澤さんの家は、家の中までウリン材のデッキ敷き。
玄関を入っても、外にいるみたい。
ここにもたくさんの植物が似合いそうです。

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完成までもう一息。
5/9(土)にオープンハウスを予定していますので、お楽しみに。

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posted by 西久保毅人 at 23:50| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月02日

セルフペイント

今日は、少々暑いくらいのいい天気。

5/9(土)にオープンハウス予定の中澤さんの家
セルフペイントを行ないました。

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塗料はいつものポーターズペイント。
今回は、セブンシーズという名前のキレイなブルーを子供部屋に塗装。
旅好きな中澤さんにピッタリのネーミングです。

毎回恒例のようになっていますが、やっぱり自分の家に自分で塗るっていうのは、
記念にもなりますし、何より家に愛着がわきます。そして何より
「プロじゃない」っていう最大の強みをテクスチャーで発揮できる仕上げは、
コストに変えられない独特の味わいがあります。

そして子供だって、自由に塗りたくれるっていうのが、何より。

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プロがばしっと仕上げたものと、家族みんなで仕上げたもの。
そういう仕上がりの幅が、空間の奥行きになっていくと思います。

そして、自分でやる事で分かるのは、
「プロってすごいんだなぁ。」
っていうコト。

今日も、ちょっと立ち会ってくれたペンキ屋さんが、
「ちょっと貸してみなっ。」
と、難しい部分をサラサラっ、と塗ってくれました。

やっぱり、プロはすごい。餅は餅屋だ。

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と、作ってくれた職人さん達のすごさを体感するっていうのも、
きっと、自分の家に対する愛着となるでしょう。

瑕疵保証制度とか、ケンチク業界も、保証保証と、いろんな保証制度が
次々とできてる今日この頃。

まぁ、そういう紙切れの話も大切だけど、
それよりも、

「おー、まさにこれは俺の家だ。」


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って、思える家作りの方が、じいちゃんになった時に、
たくさんの昔話を聞かせてあげられるような気がするのです。

来週クリーニングなので、完成が楽しみ。
posted by 西久保毅人 at 23:49| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

中澤さんの家

今日は、午後から先日セルフペイントをした中澤さんの家にいきました。

明日の、オープンハウスの準備です。


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ところが、夕方から大雨で、
傘もなく、数時間ほど、家に缶詰となりました、、、。

する事もないので、担当の菊地さんと2人で反省会+撮影。

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こういうゆったりとした時間は、忙しい工事中はなかなか味わえないので、
実は天の恵みかも知れません、、、、。

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じっくりと、雨の音を聞きながら、
隅々までチェックしたり、設計中のいろんな選択や、ポイントを見つめる
時間。

もう、あと一週間程で、人のものになってしまうのが、
嬉しいような,寂しいような、、、。


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まぁ、とにかく、


あー、このまま、住んでみたい。
この家、くれないかなぁ、中澤さん、、、、。


と、心から思える家になりました。

明日は、晴れそうなので、楽しみです。



posted by 西久保毅人 at 00:57| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月14日

シーン

先週末、中澤さんの家のオープンハウスを行ないました。
千葉県で、ちょっと遠かったにも関わらず、
たくさんの方に来ていただきました。

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最近のオープンハウスは、せっかく見に来ていただくので、
お花や植物を置いたり、小さな家具を置いたりと、少しでも設計中に
描いたシーンを体感していただけるように考えています。

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今回は、それに加えて、中澤さんにもお願いして、
実際に置く中澤さんの照明やコレクションをあわせて飾りました。

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どんなに設計者が勝手にシーンを描いても、
家はその家族のものですので、引っ越して初めて、僕らが描いたシーンと、
ご家族の描くシーンが重なります。

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その2つが重なって初めて、

「あぁ、いい家だね。」

と初めて思えます。


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そういえば余談ですが、
ピアノのレンダンも、それと似たようなところがあるなぁ、、、、、
と、今日、先日の発表会の録音を聞いて思いました。

まぁぁ、ノノと僕の音の強さも、リズムも、合ってない事、合ってない事、、、、、、。

お互い勝手に弾いてる感じ、、、、。

それは、もう、上手いとかへたとか、そういう問題じゃないんだなぁ、、。

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それはさておき、いろんなものを実際に置いてみて、
中澤さんとのレンダンは、バッチリだったなぁ、としみじみ思いました。

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どっちが強くても、どっちが弱くてもダメだし、
じゃぁ、互いに気を使えばいいかっていえば、そうでもない。
お互いに、違うってコトを分かりつつ、
同じシーンを描くコト。


あとは、ジーンズや革ジャンのように、ざっくりはいて、
時間がたつ程に、味わいがでて、体になじんでいくような、
そんな家になってくれたら、いいな。


posted by 西久保毅人 at 00:51| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月28日

飛んでイスタンブール

先日、かれこれ12年ぶりに、友人と再会しました。

スガワラくん。

彼とは、12年前、イスタンブールのドミトリーで出会いまして、
彼は大学卒業して、就職もせず、1年間の世界貧乏旅行の真っ最中、
僕はといえば、その先のギリシャ、シチリアへの旅の予定だったのですが、
イスタンブールでであったサズ、というトルコの弦楽器の音色の虜になってしまい、
その後の予定をすべてキャンセルして、イスタンブールで、
楽器を習っていたのです。。。。。
その無計画さは、今につながる訳ですが、、、、、。

ドミトリーというのは、要するに貧乏旅行者用の旅の宿の事で、
8帖くらいの部屋に2段ベッドが3つか4つ、詰め込んであり、
トイレもシャワーも共同のかわりに、500円くらいで泊まれる
世界中のどこにでもある宿の形式です。

そのため、いろんな国の、いろんな境遇の、いろんな状況の人が
出入りする事になり、たいがいの旅人は、そこを通過して行くのですが、
僕は、僕で、楽器を習うために、一ヶ月以上滞在してるし、
スガワラくんはスガワラくんで、1年の旅の中間地点で、かなり体力的に
弱っていて、僕がいた期間は、ほとんど外出もせず、
僕のベッドの下で、メシをくう意外は、ほとんど寝てたような感じでした。

どこか、見に行く訳でもなく、夕方になると、パスタをゆでて、
毎日、ちょっとだけ違う味のケチャップをかけて食べてたスガワラくん。
そんな宿なので、建築家を目指す若者も、度々同居し、
僕は良く覚えていませんが、夜な夜な、ケンチクについて
熱く語る夜もありました。


僕の中でのスガワラくんは、そんな感じでした。。。

数年後、僕が独立してしばらくした頃、
突然、スガワラくんからメールがきまして
実家のある仙台で、地元の建築家と自宅を建てるとの事。

おお、がんばれ、がんばれと、
たまにメールでアドバイスをしつつ、さらに数年が過ぎました。

そして、昨年、いよいよスガワラ邸が完成したと連絡をもらったのです。


久々、飲みながら話したのですが、
スガワラくん曰く、
「あの時、君たちに会ってなかったら、建築家と家を建てようなんて
おもわなかったよ。」
との事。

そんなに、人のジンセイを狂わせるようなコト、
しゃべってたっけ、、、、?と僕は半信半疑ではあるんですが、、、、、。


でも、僕も人の家を設計させていただく立場として、
「いざ、建築家と自分の家を建ててみて、ぶっちゃけ、どうなの?」
って、いうのが聞きたかったのですが、
もう、その、自慢げな、スガワラくんの顔がすべてを物語っていました。

「いやー、めちゃくちゃ、たのしい。建てて良かったー。」

との事。

もちろん、数年がかりでできた家には、紆余曲折あり、
ちょっとした不具合もあるようなのですが、
そんな事を飛び越えるくらい、幸せそうなスガワラくん。

温厚だけど、ギラギラした目は、12年前、そのまんまでした。



独立して仕事をするって、
実は、一人旅みたいなもの。


一人旅だから、僕なんかに頼んでいただけるコトに,僕を見つけていただいた事に、
毎回心から感動できますし、ご家族との出会いに、運命を感じます。

そんな出会いと感動の中で生まれるケンチクをつくっていきたい、
と思って僕は独立しました。

だから、実は、ニコ設計室って名前を決める時に、最終候補として、
「ドミトリー」っていう事務所名も、真面目に考えていたのです、実は。

たまたま、同じような志をもった旅人が、
国籍も年齢も関係なく、
たまたま居合わせて、何かが生まれるような場所。

、、、と、そんな昔の事を思い出しながら、
さんざん飲んだ夜でした。


やっぱ、一人旅は大切ですね。

初心忘るべからず、です。









posted by 西久保毅人 at 01:09| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月29日

ケンチクの足もと

阿佐ヶ谷に行ったついでに、
久しぶりに2年前に、ちょっとした増築をさせていただいたイドリスへ
寄ってみました。

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イドリス、っていうのは、このご家族に名付けられた、場所の地名みたいな
もの。
平屋部分だったところをちょんぎって、黒い板張りの2階建てを増築しました。

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写真では分からないけど、この黒い部分、約6帖の2階建て。
なので、入り口のニワ部分は、やく4.5帖くらいです。

1階にお風呂、2階に子供部屋を作って、ハナレのように渡り廊下でつなぎましたが、
とにかく小さい。

約3坪の、ニコでの史上最小のケンチクです。


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でも、小ささと優雅さって、ゼンゼン関係ないんだなぁ、と
この場所を訪れるとつくづく感じます。
たった4.5帖くらいのスペースに、ご家族によってしつらえられたたくさんの
植物。種類も豊富なのに、なんか自然に生えてきたような感じで、
アプローチがとても長く、立体的に感じます。

まぁ、ぐねっとした設計もいいんだけど、、、、、

でもそれより何より、植栽のセンスですね。

細い路地なのですが、歩く人が皆立ち止まりたくなるような
そんな素敵なばしょです。

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最近、ケンチクの足もとが気になってしょうがありません。

僕の仕事は建ものを設計する事ではあるのですが、
逆にいえば、空地をどう残すか?っていう仕事ともいえます。

いわば、土をどう残すか?っていう仕事。

高さ1.2mより下の世界。

オトナは気がつかないけど、子供達の目線に残る風景。

土があって、ミミズがいて、虫がいて、雨のしみ込む場所。

エコとか、タコとか、そんなことより、
子供達に残すべきは、きっとこんな風景。




posted by 西久保毅人 at 23:24| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月05日

しあわせな瞬間

住宅を設計する事は、ご家族や御夫婦の生活に、
少しだけ参加させていただく事のような気がします。

そういうのが、僕はとても楽しくて、

よくもまぁ、図々しく、、、、、と実は結構思われてたり
するんだろうなぁ、、、と思いつつ、でもきっと僕の図々しい
性格が、意外と設計には向いているのかなぁ、と思いつつ、、、


まぁ、要するに、僕は、人様の生活に一番興味がある訳ですね、、、。


建築の一番の欠点でもあり、長所でもある事の一つは、
時間がかかる事だと思います。
だから、注文をいただいて、完成するまでの、1年前後の間には、
やっぱりいろんな変化があって、中でもちょっと嬉しいのは、


「あのー、赤ちゃんができちゃったんです、、。」


ていう、新しい家族の誕生のご報告です。

もちろん、僕のコドモではありませんが、
なんか、自分の事のように嬉しい瞬間でして、なんとなく打ち合わせ中も
ニヤケ顔が止まりません、、、、。

ちょうど、ついさっき、
お打ち合わせの席で、また、そんなご報告を頂きました。

初めての妊娠で、この初めての事態をどうしていいやら、、、と
でも舞い上がる程嬉しそうな、若いご主人様と、
そんな地に足のつかぬような男のそばで、意外と冷静な若い奥様。


僕もなんか、自分の事のように嬉しいのと同時に、10年前の自分を思い出して、

「あー、僕も、この時期、急に、無駄にやさしくなってたよなぁ、、、、。
 オトコって、そんなもんだよなぁ、、、、。わけ分かんないもんなぁ、、
 ニンシンって、言われても、、、、。」

と、妄想しつつ、何だかとてもしあわせな時間をいただきましたので、
お返しに、僕の経験を絞り出して、出産(する人のそばにいた)経験談を
エラそうに少々アドバイス、、、。

話してると、
僕はどっちかというと、ケンチクの話より、出産の話の方が、
得意なのに気がつきました。

ケンチクの方は、いまだにエラそうに話せませんが、、、、。


初めての出産、初めての家造り、
そんなのが、同時なんて、うらやましい限り。


と、僕までしあわせな気分にさせていただきました。

最近はだんだん、依頼される御夫婦が、僕より若くなりつつあるのが、
ちょいと微妙な気分の今日この頃ですが、、、、。

posted by 西久保毅人 at 23:38| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月13日

葉っぱの山

先日、これから始まる葉山の家の敷地調査へ。

僕は何度目かなのでしたが、一日かけてゆっくり周辺を散策。

それにしても、さすが、「葉山」って地名だけあって、
緑の量に圧倒されます。

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もちろん、自然の部分も多いのだけれど、家々がそれぞれ頑張って維持している
ちいさなしつらえもかなり多くて感動的です。
宅地造成されちゃったシキチも、ほっとかれるうちに、だんだんもとの姿に
戻ろうとしています。

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都心の土地の価格付けは、大抵、接している道路が広い方が便利で高くて、
道が狭い程、安くなっています。
でも、土地が高い事と、優雅である事は、実は真逆な事が多いなぁ、と
都心で感じる事を、やっぱり葉山でも思いました。

この葉山でも、雰囲気のよい場所っていうのは、大抵車一台分くらいの
道幅しかありません。
だから、便利か?っていうと工事もしにくくて不便なのだけれど、
不便だからこそ、人のスケールで居心地のいいままでいられるし、
便利さを優先する人は、こんな場所は選ばない、という風に、
場所が人を選ぶ、ような摂理があるような気がするのです。

だから、同じ葉山でも、容積率の高い、大きな通り沿いには、
せっかくの雰囲気を壊すような建物に新しく建て変わっている事が
多く見られるのですが、ちょっと不便な場所に入ると、
古ーい民家を大切にリノベーションした建物と出会う事ができました。


そんな訳で、今回のシキチは道幅もせまく、傾斜地なので、
とっても不便です。

だからこそ、とっても素敵な場所になるヒントがたくさん隠れている気がして、
とてもワクワクしている今日この頃。


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菊地さん、キャンプじゃないよ、、、、、そのニモツ。。。。


あ、でも、シキチでキャンプしてみるってもの、楽しいかもです。

白石さんちみたいに。




posted by 西久保毅人 at 01:47| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月20日

10万

今年は、仮面ライダーディケイドといい、
ケッコン10執念、、、、、周年といい、
10に縁のある年みたいです。

あんまり気にはしていませんでしたが、気がついたら
ニコ設計室のホームページが10万アクセスを突破しておりました。

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それが、どういうコトなのか、イマイチピンとはこないものの、
ウエブの世界では、一日何万アクセスとか、良く聞くので、
まぁ、グーグルとかが一日で達成する数字なのかも知れません。

僕は、約6年くらいかかって、やっとの10万アクセス。
これが多いのかどうかも、よく分かりませんが、
少しずつ、少しずつの結果ですが、とても誇らしく思います。

ちょうど、ホームページを作るのと同時に、
この気づきとカンサツを書き始めたのが2003年の9月でした。
まぁ、僕にとっては子供達への遺言のようなものです。

初めて設計させていただいたお家が、完成したのとあわせて作ったホームページ。

とにかく、お金もないから、ひたすら

「無料 ホームページ」

という検索ワードで引っかかるページを片っ端から読みあさり、
ほぼ馬力で作ったのが、とてもなつかしいです。

その頃は、まだブログってなかったんじゃないかな?

そんな素人がつくったものなので、テイサイも悪く、
最近のカッコいいホームページみたいに写真が動いたり、
スライドショーが始まったりはしませんが、どうも自分が
作ったものには愛着があって、なかなか変えられないのが正直なところ。

ウラでは、ヒマな時に、ホームページリニューアルバージョン案を
作ったりしてるんですけどね、、、、。



その他の10と言えば、
独立してから、実現したかはともかく、お問い合わせを頂いて、
ご家族にお会いしたり、プランを考えたプロジェクトは
番号を付けて保管しているのですが、
それがまもなく100になります。

それも、多いのか少ないのか、よく分かりませんが、
少なくとも、僕にとっては100組のご家族に少しだけでも
興味を持っていただいて、家造りのご相談を頂いた事は
独立した時から想像すると、信じられないような事です。

その間に描いたプランは、きっと1000は超えるでしょう。

でも、同じものは、ひとつも出来ませんが、、、、。


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数字だけ並べても,あんまり意味はないですけど、
なんか自分でも嬉しいのは、
それだけのご家族とであっても、
やっぱり、いまだに新しい出会いや、声をかけていただく事が、
とっても新鮮で感動的だし、毎回、新しい刺激をもらえて、
設計のエネルギーにさせてもらっている事。。


僕のガソリン、はっきり言ってそれだけですし、
それが楽しみで設計をしているようなものです。


そんな訳で、今後もいろんな出会いを楽しみにしておりますね。


皆様にいただいた元気玉を両手に。
posted by 西久保毅人 at 02:22| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月26日

「地面は地球のもんだろっ。」

ケンチクの仕事の最終形は、地上にあらわれる目に見える部分です。
なので、その建物の下については、出来上がると見る機会がないのだけれど、
小さな住宅にしろ、大きな建ものにしろ、
ケンチクの現場で、一番迫力があるのは、ただただ穴を掘る、という
土工事です。

ひたすら掘る、という、この行為だけは、どんなに
世の中便利になって、次々と新しい便利グッズがうまれる世の中になっても、
大昔から変わらない風景だし、だからこそ、なんか初原的な魅力があるのかも
しれません。


近所に荻窪団地っていうのがあって、ちょっと味のある建物だったのですが、
老朽化のため建て替えが進んでいて、
ピアノに行く時に、いつもちょっと覗き見をしています。

公団だけに、シキチはもう、ホントに無駄に広くて、
しかも、そのシキチが3mくらいの塀で囲まれているので、なんか極秘工事が
行なわれているような不思議な風景なのですが、先日ちょっとのぞいてみたら
ちょうど、基礎工事でひたすら穴を掘ってるところでした。

589.jpg

穴を掘ったら、もちろん残土が出ます。
やっぱりシキチがべらぼうに広いだけあって、
穴も大きければ、掘った事で発生する土も半端なく、掘った穴の隣りには、
大きな山が出来ています。

しかも、どうやら敷地内には大きな保護樹林があったようで、
ところどころに出来た丘の上に、大きな木が残っていたりして、
もう、なんかちょっとした遺跡のような風景。

ちょっと圧巻でした。
工事現場っていうより、風景として魅力的。

あー、登りたいな、あの山。

どうせつまんない建ものに建て変わるくらいだったら、
しばらくこのままの遺跡公園にして、10年くらいほったらかしてくれないかなぁ、、

街の子供達の、人気の遊び場になることは間違いないのだけれど、、、、。

とも思うし、ちょっとこの都会のど真ん中では、なかなかお目にかかれないような
迫力ある風景なので、塀だけでも取り払ってみんなが見れるようにしてくれたら
いいのに、、、。と思います。

まさに、「地球をいじくってる。」

ような風景です。


さて、先日、新築のご相談にいらしたご家族といろいろお話した際に、


子供達には、スイカの種は、やっぱ、外にベッてさせたいんですよーとか、
じゃあ、歯が抜けたら、縁の下に投げ込めるようにしましょうかね、、、とか、
オトコのロマンをいろいろ話しているうちに、なんとなく地面の話になって、


ふと、

「地面は地球のもんだと思うんですよー、やっぱ。」

と、購入されたご自分の土地に対しておっしゃっていて、
もう、なんか感動してしまいました。


そうなんだなー。
ケンチクをつくれば作る程、おおわれていく地面。
自分の仕事と真逆のコトなのだけど、だからこそ、地面に真面目に向き合わないと
いけないなぁ、、、と思うのです。

590.jpg

と、そんな訳で、あんまり感動しちゃったので、その他にも、

キッチンはどうとか、
リビングはどうとか、
お風呂はどうとか、、、、

いろいろご要望をうかがったような気はしますが、

「地面は地球のもんだろっ!」

以外は、よく覚えていません、、、、、、。


たくさん聞くわりに、自分の興味のあるところにしか食いつかないのは、
まぁ、いつものコト、、、、、。
でも、大丈夫です。

僕は素敵な一言だけで、
木にも登れば、
そらも飛べちゃう気がする、
かなり幸せなタイプなので、、、、、。




、、、、、、大丈夫です、、、たぶん、、、。


posted by 西久保毅人 at 18:19| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月29日

ラストナイト

飲食店は、古ければ古い程、いい。

特に、中華屋や飲み屋は、ボロければボロい程、なんか、いい。
ていうか、
ボロくないと、なんか信用ならない。

それはなんでだろう?
たぶん、舌で感じると同時に、
きっと目や、鼻や、肌で場所も味わっているからでしょう。

多少不衛生かも知れないけど、
いいじゃん、別に、死ぬ訳じゃないし、、、って僕は思います。

そして、たぶん、何十年もの時間を乗り越えてきた場所だけが持つ、
オーラみたいなものも感じるからかな?

だから、僕は、大好き好きな人が来た時は、
迷わず、ボロい店に連れて行く。


それが、僕なりの愛情表現。

まぁ、みんなが喜ぶ訳ではないけれど、
いつも愛は一方的なのです。

594.jpg

荻窪にも数少ないそんな場所があって、
その一体は、戦後間もない頃から続く、バラックみたいな場所。
この珍来という中華屋が57年というから、まだ荻窪歴10年の僕なんか、
まだ新参ものです。

近くには昼からやってる立ち飲みやもあって、
この風景は、一つの荻窪名物みたいなものです。

595.jpg

うわさには聞いていたんですが、この一角が再開発で一掃されるとのコト。

ウソだといいな、、、、と話していたら、
ラストナイトは思いの外、早くやって来ました。

まずは、珍来が、今日で終わり、との事。
ラストナイトは事務所のみんなで駆けつけました。

お店に行くと、たくさんの花束と、目を潤ませる店員さん。
ホント、熱烈なファンが多かったんでしょうね。。。。
あー、ホントになくなっちゃうんだなぁ、、、というのを実感。


この、一人飲みの苦手な僕にとって、
終電近くの帰り際、遅めの夜ご飯を食べる振りをして
一杯飲める数少ない場所、、、。

僕に限らず、ボロくて、ウマくて、安い店は、
いろんな人に開かれている気がします。


この中華屋を皮切りに、8月ごろまでには、全店閉店らしいです、、、。

596.jpg

あー、あー、このままの方がいいなぁ、、、。

どうせ、再開発って、ロクなものができたためしがありません。
そもそも、再開発って、一番うさん臭い言葉。

いい、っていうカンカクは、たぶんみんな、同じなんだろうけどな。。。。

でも、いい、だけじゃ、経済にはかなわないのだろうな。。。。。

こういう場所の、なんかいい残し方はないものでしょうか?


もうすぐ選挙だから、
駅前の飲み屋を残そうーっ、ていう飲んべえの候補者がいないかなぁ、、、。

投票しますが、、、、。


posted by 西久保毅人 at 21:46| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月05日

5年後

先日、完成して約5年程経過した、小山台の家へお邪魔しました。

ちょっとした手直しのお打ち合わせ。

僕もすっかり2年くらいご無沙汰していたので、いく前に、

「家の方はどうですかー?」

と聞いてみたら、

「家の方は、だんだん良くなってる感じですよー。」

とのお返事だったので、楽しみにしていました。


あいにくの小雨だったのですが、行ってみると、、、、

599.jpg

だんだん、っていうか、めちゃくちゃ良くなっていました。
引っ越しの時に植えた紅葉も、大きくおいしげり、少しずつ植えられたハーブ等の
植物が、アプローチにわんさか顔をだしています。

ちょっと、言葉が出ないっていうか、、、、ただただ感動。

598.jpg

トウキョウのど真ん中の、55平米しかない、小さな小さなシキチ。
その中に、5年前、できるだけ、たくさん土を残した小さな小さな家。

600.jpg


中に入って、まだ感動。

、、、、自分ちの緑を借景に、森の中にいるみたい、、、。

ホントに、良くなってるなぁ、、、、。
なんていうのかな、、、


愛されているというか、、、、。



3年前の雑誌の取材の時に、こんな事書いたけど、
さらにいいなぁ、、、、。

今、オープンハウスをさせてもらいたいなぁ、、、、。正直言って。

601.jpg

ケンチクは、誕生の瞬間から、雨風にさらされ、よごれていく。
モノは、誕生の瞬間から、古くなっていく。

じゃあ、なぜ、あるものは、みすぼらしくなり、
あるものは、どんどん良くなるのか?

そして、大きく見せようとすればする程、
小さな世界に閉じ込められ、

謙虚であればある程、
大きな世界を獲得できる。


ふしぎふしぎ、

ケンチクの不思議。

ふしぎふしぎ、

ケンチクの不思議。


答えは、、、、、、。


posted by 西久保毅人 at 01:34| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月11日

一般的

たとえば、大きさの違う家族が、同じ高さになれたりする事とは、
一般的なバリアフリーとは違うかもしれない。
でもその逆に、幸福な笑顔がある気がしている。

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例えば、なんだか引き込めれていきそうなアプローチとか、
内部に、あえて外部の仕上げをつかったりすることは、
一般的な防犯的には、NOかも知れない。
でもその逆に、初原的な気持ちよさが、隠れている気がする。

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そして彩りも、
一般的なコーディネーターとしては、邪魔なものかもしれない。
でも、彩りの中で、いろんなモノや人が美しく見えるのはなぜだろう?

607.jpg


僕は、そもそも、その「一般的な」、を疑ってみたい。

もしかしたら、誰もが「一般的」という言葉に、しばられて、
逆に不自由になっているのかも知れないし、
僕もその一人かもしれない、と時々思う。

603.jpg

そんな時は、定規をそのご家族にセットしてみる。
気持ちいいってなんだろう?と初原的なカンカクを思い浮かべて
家族の顔を思い浮かべる。


答えはすでにそこにある。


僕自身なんかは、もうそこにはいらないし、
消えていなくなればいいと思う、


そんな風にして出来た家は、愛される家だ。


ケンチクにとって大切なのは、作り上げる事よりも、
愛され続けることなのだ。


日曜日に取材で訪れた、
出来たばかりの中澤さんの家


どんどん、良くなるだろうなぁ、、、。


そんなコトを想像させる使われ方。

10年後が、とっても楽しみな家。

2つの雑誌で、9月に掲載予定です。
posted by 西久保毅人 at 23:32| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月19日

イメチェン

5年程前に、マンションの一室をリフォームした中山さんの家

子供達も大きくなったので、一室だった子供室を2つに分けたり、
大きな本棚新しくつくったり、という
再リフォームの計画していて、まもなく工事です。

615.jpg

5年前といえば、ほぼ、独立したての頃です。
自分の仕事を時間がたって改めて見る、というのは、実は一番勉強になる事。

その時の自分なりに、一生懸命考えたコトなのだけど、
なんだか、他人の仕事のようにも見えるのが、なんだか不思議。

よくここまで、考えたなぁ、、、っていうところもあれば、
若気の至りです、、、スミマセン、、ていうところももちろんあります。

そういうのを、両面見つつ、また改めて、今の自分として、以前の仕事に
向き合えるのは、とても光栄なことだなぁ、とつくづく思います。

さらに、時間がたっても、また声をかけてもらえるというのは、
設計者として、ホントに幸せなコトです。


さて、そのプチリフォームにあわせて、不具合の箇所等も
メンテナンスをするのですが、
部分的に壁を塗り直すので、時間がたったペンキと、新しいペンキでは、
同じ色でも、違う色になります。

そういうこともあり、せっかくなので、白かった一面を、
何かきれいな色で塗り替えちゃった方がいいかな?と思って
そんな御提案をしました。

いろんな色を準備していったのですが、
きれいなムラのあるきみどり色を見て、中山さんが、

「まぁ、森みたいねー。」

と、一言。

612.jpg


なんていう、素敵な感性!!!


確かに中山さんの家は、大きな大きな木の幹のような板張り壁を、
あたかもマンションを大木が貫通しているかのように、家のど真ん中に計画して、
くるくると回遊できるようなプランにしています。

それが、この家のシンボルで、
さすが、この家を住みこなして頂いているからこその言葉だなぁ、、、、
と、とても感動しました。


そんな訳で、

「まぁ、森みたいーっ。」

っていう、奥様の思いがけない一言が決め手となり、リニューアルの裏テーマは、
「 森 」。


「じゃあ、また5年くらいしたら、こんどは紅葉の色になってもいいですねー。」

613.jpg


、、、、と、本題は、子供室なのですが、思いがけないイメージチェンジが
とても楽しみです。



5年後の中山さんの家を、
マレーシアに飛んで行ったコガちゃんのかわりに
今度は、菊地さんが担当するっていうのも、また新鮮。

614.jpg

こういうのも、家との新しい関係で、楽しみなところです。


時間がたっても、その時の自分として、
自分の仕事に向き合っていけるというのは、
最近の僕の、また新しい楽しみです。

posted by 西久保毅人 at 00:39| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月24日

アラベスク

日曜日に、吉原さんの家の撮影がありました。

渡辺篤史の建もの探訪です。

かれこれ、
本間さんの家から始まり、
植木さんの家
白石さんの家

に続き、4回目。

たまたまですが、1年に一回、渡辺篤史さんに見ていただいている
感じです。

何と言っても、テレビ朝日では、徹子の部屋につぐ20年続く長者番組。
ご覧になってる家も1000件近いんじゃないでしょうか?

そう思うと、身が引き締まります。

623.jpg

まぁ、基本的には、僕の取材ではなく、家とご家族の取材です。
シナリオも台本もなく、撮影が終わるまで渡辺さんに設計者は
会わせない、っていうのがルールみたいで、
僕は、撮影が終わるまで渡辺さんには会えません。

なので、こっそりと隠れて待機です。

じゃあ、行かなきゃいいじゃん、って感じですが、、、、。


こっそり隠れているとはいえ、
やっぱりコメントは気になるので、
どんなコトを言うんだろう?とまさに、聞き耳たてて聞いている、という感じです。
実際のコメントは、放映をお楽しみに。


さて、完成した家は、もちろん僕のものでも何でもなく、
ただただ、吉原さんの家なのですが、
吉原さんと、あーでもない、こーでもない、と作り上げた家が、
今度は、次の設計へとつながっていきます。


そういえば、吉原さんに設計を頼んで頂いたきっかけは、
本間さんの家でした。

「中庭が欲しい。」

っていう要望だったのに、すみません、、、、、、
そういえば結局、中庭作りませんでした、、、、。
そのかわり、街のような家を御提案しました。

意地悪じゃないんです、、、。
つまり、、、、、、

僕なりのゴールデン、ってヤツ、です。


そして、先日、雑誌の吉原さんの家を見ての設計のご依頼がありました。

それを吉原さんにお伝えしたら、

「おっっ、つながりましたね!!」

と一言。

とても嬉しい一言で、一緒に喜んで頂きました。

、、、、、まぁ、また、たぶんゼンゼン違う家にはなりますけどね、、、。

僕なりのゴールデン、的には。



でも、こういう風に、「つながる」って素敵なことですし、
一番光栄なことです。

これまで何十件もの家を設計させて頂きましたが、
実は全部つながっています。
見た目はゼンゼン違っても、僕の中では、全部つながっています。


たとえば木のようなイメージでしょうか?

一本の枝から小さな小枝が出て来たり、葉っぱが生えたり、、、。
時にはゼンゼン違う方を向いた枝も生えて来たり、、、、。

ただ、僕にとっては、
一軒、一軒の出会いの中での、感動と発見の連続でしかないので、
正直、無計画な連続ですから、

たいそう、いびつなカタチの木だろうなぁ、、、。
木だったら。


さて、
これからも、どんどんつながっていって、何が生まれていくのか、
僕も楽しみです。



話は横道にそれましたが、放映は10月。楽しみです。


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posted by 西久保毅人 at 21:07| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月31日

くい

7月は、ニコは着工日和。
梅雨明けと共に、いろんな工事が始まる夏です。

台東区で五十嵐さんの家の工事が始まりました。

4階建ての2世帯住宅です。

とても地盤が悪い地域なので、杭が必須な場所なのですが、
その長さ35M。
まさか35Mのものは運べないので、5Mずつの杭を溶接しながら打ち込みます。

632.jpg

それにしても、35M。
例えば、一層を約3Mとすると、およそ地下12階分です。
言葉では分かっても、なかなか頭はついて行きません。
こんな感じでしょうけど、、、、。

631.jpg


だから、監督の山縣さんが、
「この杭の中に、なんか隠しといたら、何百年後かに発掘されるかもよ。」
っておっしゃるのも、なるほどね、とうなずけます。

タイムカプセルみたいなものでしょうか?

ちょっと深すぎますが。。。。。。

629.jpg


さて、五十嵐さんの家は、分離2世帯なのですが、その他に、
職人のお父様の仕事場、ガレージと、小さなボリュームの中に
いろんな用途が詰まっている4階建ての立体長屋のRCの住宅です。

杭にしても、こんだけ大げさな工事をへて作る住宅。

だから、作ったからには、できるだけ長い間、
愛着をもって住める家にしたいと思いました。

建ものは、今現在の必要とされる要望や用途を満たす事が
まず優先されるのですが、10年後、20年後、30年後には、
ライフスタイルも、用途も、変わる可能性があります。

今の生活と、未来の生活。

どっちも、ものすごく大切です。

ある意味、過去と未来をつなぐようなしかけが出来ないものか?

基本的にはRC造なのですが、
そんな事を考えて、各階の床を、一部簡単に取り外せるようにしています。
模型写真では、木の天井の部分がそうです。

例えば、将来、吹き抜けにしたい。
下の世帯と、つなげたい。
いっその事、4層全部つなげてみるか?

そんなまだ見ぬ未来の要望にも対応できる家。



結局、ケンチクは、未来の要望に対応できなくて壊されていきます。
200年住宅とか、長期優良住宅とか、聞こえはいいけれども、構造体だけ
どんなにがっちり作っても,たぶん

「今の生活にあわないから。」

という理由で、あっさりと壊されていくでしょう。

だから、強い部分と、弱い部分。

その両方をあわせもったケンチク。
住みながらも,未来の生活を想像できるような住宅、
愛着をもって住んでいただけるような構造体を目指しました。



建ものが、もつ、もたないは、結局は愛着なのだと思うな。



RCなので、時間がかかりますが、構造体ができあがるのがとても楽しみです。


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posted by 西久保毅人 at 23:54| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月04日

足裏のキオク

今日は、練馬区の上村さんの家の根切り底チェック。

ねぎりぞこって、いうのは、建ものの基礎が乗っかる地盤の事です。
基本的には、地盤調査のデータをもとに構造設計をするのですが、
データはあくまでデータなので、実際に掘ったところで、その地盤を
確認します。

写真は、構造設計のオサジマさん。
オサジマさんには、独立以来、毎年かなりの数のニコの仕事をお願いしています。

633.jpg

厳密にいうと、オサジマさんとの出会いは、前職の象設計集団時代。
社会人一年目の時でした。

オサジマさんは、ずっと象設計集団の建ものの構造設計をされていて、
僕の初めての現場もそうでした。

現場でお見かけする時は、偉い先生だ、とちょっとドキドキとしていたのですが、
たまたま飲み会の時に、お話したら、

なんと、佐賀の人!!

しかも、僕と、幼稚園から高校まで、全部一緒。

言っときますが、僕の育った街って、人口数千人しかいないような小さな町です。
そんな町の出身の大先輩と、花の都大東京で出会うなんて、
すごい確率です。

しかも、仕事の上でも、大先輩。
そんな大先輩が
好きで入った設計事務所の構造設計をされているなんて、
もう、嬉しくてうれしくて。。。。


そんな出会いだったので、一方的にボクが親近感をもってしまい、
それ以来、ずっとのおつきあいです。

ボクの片思いは、、、、あの、、、、しつこいです。。。。。。

634.jpg

しかし、ずっとお願いしてるのは、やっぱり訳があって、
一番は、すべて自分の目と、足で判断する人だから。

もちろん、構造設計、構造計算、名前の通り、全部机の上でできます。
地盤データも、調査書に載ってます。

でも、オサジマさんは、どんな時でも、足を運んで、自分の目で見る、
ってコトを欠かさない人です。


土の上を自分で歩いて、飛んでみて、掘ってみて、
それで最終的な確認をされます。

これまで、何百件のねぎりぞこの土の上を歩かれたんでしょうか?
体にしみついた土のカンカクがきっとあるのでしょう。
きっと、苦い重いもたくさんあるに違いまりません。




今日も、いつものように靴をどろどろにされて、
颯爽と帰って行かれました。
どんな理屈よりも、それがすべてだな、、、。

かっこいいなぁ、、、。


今後ともよろしくお願いします。

ボク、しつこいんで、、、、、。


posted by 西久保毅人 at 02:07| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月12日

5ヶ月

5ヶ月、、、、といっても、
もちろん妊娠ではありません。

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普段、モノにあんまり執着心のない僕ですが、
とっても素敵な家具屋さんを見つけたので、
よし、これは思い切って買っちゃおうっ、と思って
電話してみた時のコト。


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「あのーテーブル欲しいんですけど、、、、、納期ってどのくらいですか?」


と、聞いてみると、


「うーん、テーブルで5ヶ月、イスとかソファーが2ヶ月ですね。」


との事。

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受注生産ぽかったけれど、まさか5ヶ月とは、、、、。
来週くらいには届くような気持ちだったのに、、、、、。

それが、正直な感想でしたが、逆に、テーブルね、5ヶ月。。。。
って、いえるスタンスが、すごいなぁ、と思いました。

そして、もしかすると、これって、僕がお客様にいつも感じさせてる事に
似てるんじゃないかなぁ、、、とも思いました。

大抵のご家族の家造りのスタートは、ハウスメーカーや、建て売りです。
売っているものを買うようなカンカクで、多くの家はつくられて、
買われています。
商売はある意味、スピード勝負なので、

「いやいや我が社は、なんと工期60日!」

なんていううたい文句もあるくらい。

それが、ある意味、社会の主流なのだと思います。

そんな事をへて、ニコ設計室に来られる方も少なくありませんから、
いろいろ説明させて頂いて、


「そんな訳で、大抵、ご契約から1年後くらいが完成のイメージですね。」

という説明に対して、

「、、、、、えっ、いちねん、、、、?」

と思われる方も多いと思います。
その期間が原因で、仕事にならなかった事ももちろんあります。

そりゃぁ、もちろん僕だって、素敵なお話をうかがって、
明日にだって、つくり始めたいのはもちろんですし、
お話をいただく全ての方のお手伝いができたら、、、、
といつも思っています。


じゃぁ、ホントに1年かかるか、、、っていわれると、
正直、かからない事だってもちろんあります。

何となくですが、僕にとって、一年って、かかる、かからないじゃなくて、
もしかすると最低限「かけたい」時間なのかな。

そうだな、かけたいんだな、、、。

かけたい時間の設定は、人それぞれだと思いますし、
時間をかければ、良いものができる訳ではゼンゼンありません。

でも、頼んで頂くからには、その家やご家族に対して、そのくらい向き合った
仕事をしたいという事。
時間があるから、余計に悩むし、最初の案は違うんじゃないかと、
疑ったり、寄り道したり、やっぱりまた戻ったり、、、

僕にとっては、そんな時間です。


642.jpg

と,日頃の自分の行いを正当化するようなことを考えつつ、
でも、テーブルで5ヶ月かぁ、、、、長いなぁ、、、、、とも思いつつ。

自分のコトは、完全に棚の上、、、、、ですケド。


でも、きっとそのテーブルを待つ時間は、豊かだろうな。
ちょっとドキドキしそうです。


テーブル1台のお金で、
そんな5ヶ月を過ごせるっていうのも、
なんか素敵ですね。


もしかすると、そんな時間を売る 家具屋さんなのかも知れません。


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写真は、浦安の街でした。

posted by 西久保毅人 at 23:20| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月17日

帰省

8月21日金曜日まで
西久保は夏休みをいただき、
子連れで佐賀へ帰って来ますので、
事務所に不在になります。



事務所はやってますので、
不在中の御連絡は、
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この人か
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この人か
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メッシまで。
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日本語、通じます。
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posted by 西久保毅人 at 15:24| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

プレゼント エーション

よく、プレゼン、プレゼン、という、プレゼンテーション。

発表と勘違いしている人もいるかも知れないけれど、
僕にとっては、プレゼント。

つまり、プレゼント エーションなのです。

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もう、かれこれ、工事中も含めると、
これまで40件近くの設計をさせて頂きました。
実現しなかったものも含めると、もっとあり、
そのたんびに、大量のスケッチ、模型、図面を作成しています。

今日もそんなプレゼンの日。

別にたくさんつくる事を求められてる訳でもないですし、
一案つくって、それでおしまいでも良いのです。

別に、かけた時間と作業量で、ものの善し悪しが決まるものでもありません。

そして、往々にして、
大量にスタディーを繰り返したあげく、

「やっぱ、一番最初の案が一番いいね。」

って自分でオモウコトも実は結構、多いのです。実際。


でも、時間がゆるす限り、何案でも考え続けちゃう。
ホント、学習能力ありません、、、、。



独立したてならともかく、
40件の住宅を設計したのなら、

「ああ、このタイプのシキチで、このタイプの家族構成ねっ。
じゃあ、こないだの、アレの変形で、、、。
なんなら、そんまま置いちゃう??」

なんてコトだって、一回くらいあっても良さそうなものです。


そこまでしなくとも、
例えば、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、、、みたいなのがあって、
最初に、

「あぁ、Bタイプの、本間さんち風ですね、分かりました。」

だっていいとも思います。


でも、それはできないんだなぁ、、、。

だって、ちがう人じゃん、、、、。場所も違うしさ、、、、。


なにより、それではドキドキしない。。。。。。



いろんなご縁で、無数にある設計事務所の中からニコ設計室に
たどり着いて頂きます。
もう、それは、偶然というよりも、なんか運命的な事です。

ブザービートのヤマピーみたいなもの。

まさに、イチブトゼンブ。

そう、恋の始まりに似ています。

でも、まだ僕はアナタのコトをよく知りません。
アナタもきっと、そうかも知れない。

だから、アナタのコトを、よく知るために、
そして、僕のコトを、よく知ってもらうために、

精一杯の、ラブレターと、
アナタに何をあげようか、と時間の限り走り回って選んだ
プレゼントを贈ります。

そのプレゼントは、実は最初の店で見つけたものだったりするんだけど、
もっと、アナタが喜ぶものがあるかも知れない、と思って、
べつのお店をめぐります。
結局1日まわって、結局、やっぱ、最初の店で見つけたヤツが一番かな、
ってコトも、結構多いけれど、
そんな時間て、損した気にならないのが不思議です。

それが、僕にとってのプレゼント エーション。


そんなタイプなので、
まぁ、

「ちょっと、オモーイ。。。。。ていうか、ウザいし。。。」


って、一発で振られるコトもよくあるのですが、
まぁ、そういう性分なので、しかたありません、、、。


そして、こんなメンドクサイ僕に、付き合ってくれる
スタッフのみんなには、頭があがりませんね。

まぁ、おかげで、僕も変わらずにいられる訳ですが、


まぁ、学生の時から変わらずにいられるコトが、
いいことかどうかは、、、、。


僕は、いいことだと思ってますケドね、、、。



posted by 西久保毅人 at 23:27| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月08日

適当

ちょっと前に、中山さんの家のプチリフォームにて、
もう、ニコでは恒例になってしまったセルフペイントをしました。

コドモでも誰でも塗れるポーターズペイント。
いつもは完全セルフペイントですが、今回は久しぶりに職人さんにも
来て頂きました。

673.jpg

まぁ、誰でもペンキ塗りは初めてですし、しかも自分の家の壁。
現場はプロの職人の聖域です。

だから、子供達からも、

「どうやればいいの?」

という質問が必ずあります。

答えはもちろん、

「あのねぇ、テキトーにポンポンやればいいんだよ。」


674.jpg

うちの子達もそうですが、学校で習う事でも、ゲームでも、サッカーでも、
何でも世の中方法論だらけ。

オトナの社会も基本的に、マニュアル社会です。

最近は何かにつけて、保証とか、保険とか、責任とか、、、、。

コドモとプールに行っても、写真すら取れません。
コドモの名簿をつくるにしても、「コジンジョウホウが、、、、。」
と、名簿すら簡単につくれない世の中。

こういうのは根本的に間違ってる気がするんですけどね、、、、。


とにかく、テキトーが許されない世の中です。


672.jpg

だから、

「テキトーにやるんよ、テキトーに。」

っていうと、子供達は、最初キョトン、、、、、とします。
でも、やり始めると、何かから解き放たれたように、
みんな夢中で作業するのがフシギです。


そういえば、職人さんにも良くいうなぁ、、、、。

「あの、、、、、もっとガーッとテキトーな感じでお願いできますか?」

そういうと、やっぱり職人さんもキョトン、、、、とします。

「いやー、それじゃぁ、クレームついちゃうからよー。」

そんな感じで、最初はひき気味ですが、塗り始めると、
楽しそうにやって頂けるのがフシギです。

ある時なんかは、そんな風にして仕上がった外壁を、
自分の仕事がない日にわざわざ来て、
さも誇らしそうに眺めていらっしゃる職人さんもいました。


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僕は必ず、家の中に、「テキトー」でいい場所をつくりたいと思っています。
職人さん達のプロしかできないビシッとした部分と、
「テキトー」な部分。

全体としてはほんの一部の「テキトー」な部分が、家への愛着になり、
その家を建物から「私たちの家」に引き上げてくれます。

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最近では、

「我が家はナニ色塗りましょうか?」

なんて、設計の前に色や素材感のお話入る人も、
ニコのお客様には多くて、ホント嬉しい限り。

素材と、色と質感が共有できたら、
「私たちの家」はできたようなモノなのです。


posted by 西久保毅人 at 00:56| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月17日

いろいろ 色 色

今日発売のI'm homeに、中澤さんの家が掲載されています。
COLOR WAYSという色の特集。

ホームページのトップ画像にも使われていて、なんだか感動的です。

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しかも、中澤さんと僕らで自分たちで塗った壁が、こういう風に扱われて
それが一番嬉しいかな。

だって、この雑誌は、とても好きな雑誌の一つなのだけれど、
ちょっと工事費のケタが違うかな、、、、っていう家が多そうなのです。

だから、普通の土地に、普通の単価で、普通の家族のために設計させて頂いた
家が、こういう雑誌で大きく扱っていただく事が、なにより嬉しいです。


いろんなご縁で、初めて工事をお願いした鎌形建設さんも素晴らしかった。
津島さん、寺島さん、どうもありがとうございます。
ぜひ、トウキョウ進出を、、、、。


取材がたてつづき、お時間を頂いた中澤さんご家族にも感謝です。
でも、こんな素敵な写真はきっと子供達の記念になりますね。

かなりサボり気味でしたが、中澤さんの家の完成写真もアップしました。



さて、ついでにこれから秋にかけての掲載情報。

 9月20日発売 SUMAI NO SEKKEI 中澤さんの家

 9月27日放映 渡辺篤史の建もの探訪 吉原さんの家

10月21日発売  My Home+   中澤さんの家

10月19日発売 住宅建築11月号 中澤さんの家

12月発売   家つくりの基礎知識 和田さんの家

等。


どれも、ちょっとだけこだわりを持たれた、普通のご家族のための家達。

ただただ向き合わせて頂いただけで、僕は何もしてないなぁ、、、、


見返してそんなコトを思う今日この頃です。
何もしてないからいいんだろうな。。。。きっと。


どんな御家族も、みんなもってる私たちの「あたりまえ」が、
僕にとってはただただ楽しくて、感動的で、

ただ、それだけなのですけど。。。。。





posted by 西久保毅人 at 01:25| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

建もの探訪

今週の日曜日9/27に、昨年完成した吉原さんの家が、
渡辺篤史の建もの探訪で放映されます。


うちのコドモ達の中では、

「ハリーポッタの家」

と呼ばれている吉原さんの家。

なるほどね。。。。。


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写真は、カメラマンの吉村君が、特殊なレンズでぐにゃりと撮ってくれたものです。


実は、建もの探訪、10月からは番組再編で、
毎週金曜日の朝5:00からになってしまうそうです。
そういえば、最初は土曜日の朝9:00頃やってたような、、、。

そういう意味では、日曜日の最終回。
早起きの方は、ぜひ見て下さい。


取材自体は、こんな感じですので、僕も内容はよく分かりません。
どんな内容か、ぼくも楽しみです。


posted by 西久保毅人 at 00:49| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月08日

うよ きょくせつ

今週の土曜日10月10日に、浦安市で完成しました「栗村さんの家」
のオープンハウスをします。


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僕も栗村さんの紹介して頂くまで知らなかったのですが、
駅から少し歩いた川沿いに「フラワー通り」という小粋な通りがあって、
その行き止まりあたりが敷地です。


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川沿い、っていうのがこの街の最大の魅力でしょう。谷中や根津のような
お寺や路地の多い街で雰囲気は似ているのですが、東京湾につながる川がある、
というのがいわゆる下町と、おもむきが決定的に違うところです。


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そんな街に惚れ込んで土地を購入された栗村さん。

そんな訳で、じゃあ、栗村さんはこの街のどんなとこに惚れたんだろう?

そんなコトから、設計を始めました。


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下町風情、という言葉があるように、この街も浦安ならでは、という民家や
商店、路地があり、おばあちゃんがとっても良く似合う街。スケール感がとても
よいのです。でも、そんな雰囲気をつくっている建物はほとんど昭和の建物で、
保存される程の由緒がない限りはどんどん建て変わっていきます。
2mに満たない通路にしか接道しない建物は、現行法でははっきり言って違法な訳で
建て変わる度ごとに道がきっちりと広くなります。

とくに、谷中や根津でも同じですが、こういう街は商業地域の場合が多いので、
容積率がやたらと高いので、建て変わる度にムダに大きな建物へと変わってゆきます。
要するに、こういう街はなくしちゃえっていう数字。


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そういう変化に対してなんとかならないものか、、、?っていうコトを
考えながら進めました。

栗村さんのシキチは、ちょうど広いシキチを3つに分けたうちの一つ。
それぞれが、50〜60u程度。
もし、3つ合わせて設計ができたら、それぞれの住環境も良くなるし、
街並に対しても提案ができるんじゃぁないか、、?


そんな、頼まれてもいない事を思いつき、
土地を売ってる不動産屋さんにプレゼンをしにいったり、、、、、。


不動産屋さんは、良い方で、新聞の広告にまでしてもらったり、
ご尽力いただいたのですが、この幻の3棟案は実現しませんでした。


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こういう、プロセスを改めて見直すと、
あいかわらず、僕は、ムダな動きが多いです。

卒業設計も、そういえば正月あけてから最初からやり直したしなぁ、、、、。

好きなサッカー選手も、日本では昔の北澤やゴン中山。
海外では、オランダのダビッツやスペインのセナ。

要は、ムダに動きまくる犬キャラです。。。。。


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言ってしまえば、街にとっては、55uの小さな小さなシキチの話。
何ができても、たいして変わんないよ、、、というのが事実かも知れません。


でも、そんな紆余曲折を共有しながら進む事が、
家造りの一番の楽しみだと思っていますし、
そういうプロセスを経たからこそ、うまれた すがたかたち だったと、
栗村さんの家に行くたびに思います。

もしかしたら、街も生き物のように寿命があるのかも知れません。
でも、もし街が生き物であるのなら、
子供達が親から遺伝子を引継ぐように、
僕たちが作った小さな家も
この街の遺伝子を、少しでも引継いでくれたら嬉しいです。


まぁ、要は「惚れる」ってコト。


僕はいつもそこからスタートしたいと思っているのです。



楽しい街なので、ぜひ足をお運び下さい。





posted by 西久保毅人 at 13:52| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月14日

オープンハウス

土曜日に、栗村さんの家のオープンハウスを行ないました。


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ちょっと遠いにも関わらず、いろんな方に見て頂き、大変光栄な機会でした。



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まぁ、しいて言えば、娘の結婚式、前日の父親の気分でしょうか、、、、?

もう、シャッター、押すわ押すわ、、、、、

気がつくと、450枚。。。。


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、、、、いや、まぁ、最初から分かってはいたんです、、、、。

彼氏がいるらしい、、、っていうコトは。。。


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うすうす感じていました。
実のところ、、、、、。

そりゃ、分かりますよ、ムスメだもの。

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でも、まぁ、それがバカな父親というものでしょうか?
精一杯のおしゃれをさせて、いろんな方に見て頂きたい、、、、。

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オープンハウスってそんな複雑な気分です、、、。


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でも、実は、本当は分かっているのです。
今よりも、きっとオヨメにいったアトの方が、
見た事ないくらい、生き生きした顔になるってコトは。。。。。

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ムスメなんて、そんなモノです。
、、、、はっきり言って。

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チチオヤに見せる表情なんて、しょせんヨソイキ。

そういえば、心ここにあらず、って感じ、したもの。。。。最近。

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と、いう訳で、
お引っ越し後の、栗村さんちに行くのが、
今から楽しみです。



posted by 西久保毅人 at 01:22| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月20日

自由

モノを知り、経験すればする程、不自由になる、という人が多いですが、
僕は真逆なタイプ。

なので、僕にとって一番不自由だったのが、学生時代です。
不自由っていうか、あまりにも理解が悪すぎて、図面が描けませんでした。
そもそも、なんで、作った事もないのに、みんなスラスラ図面がかけるのか?

マズい、、。まったくむいてない学部に来てしまった、、、、、
ていうのが、正直なとこでした。



だから、初めてケンチクの現場に行かせてもらった時の感動といったら、
なかったです。


おー、こうやってケンチクは出来ていくのか!

だから、図面をこういう風にかくのか!

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学生生活6年間、一切の授業を石のように吸収しようとしなかった僕でしたが、
おかげで今度はスポンジのように、現場で吸収させてもらいました。
もう、現場が楽しくて楽しくて。。。。。


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、、、、まぁ、要するに、僕は、原寸でそのモノを見ないと理解できない、
想像力のまったくない学生だったのですね、、、、。

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でも、まぁ、そのおかげで、背中に羽がついたかのごとく、ケンチクが面白く
なりました。
基本的に現場にいくのは、職人さんに指示にいったり、
進行具合を確認しにいったり、、、というのが目的ではあるのですが、
それ以上に、想像とカンサツをしている事が多いです。


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机で図面をかいててもたいした事は思い浮かびませんが、
工事途中の現場にいると、いろんなイメージが浮かびます。

最終的には見えてこない骨組みががとてもキレイだったり、
あるはずの壁がまだなかったり。。。。

当たり前のように繰り返される工事の手順そのものが、
感動的だったりもすれば、当たり前のように繰り返される
作り方をちょっと変えるだけで、ゼンゼン違うものができる可能性が
あるのじゃないか、、、?、と思ってみたり、、、。

そして、

「あぁ、まだまだ実はケンチクのコト、全然分かっていないなぁ、
 参ったなぁ、、、、。」


と、相変わらず、進歩なく、
原寸の中でしか想像できない自分に気がつくのでありました。



今も、いろんな現場が進んでいますが、
そんな現場の中での気づきが、新しい自由を産む事がとても多いです。


、、、、じゃあ、途中の現場に住めばいいじゃん。


と、今日、進行中の現場でこっそり考えていたのですが。。。。。。


posted by 西久保毅人 at 22:37| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

都市伝説

久しぶりに、最近の模型写真を眺めてみると、
そのまま実現しそうなものやら、別の姿で実現するものやら、
まだまだ変わってゆきそうなものやら、あえなくボツになったものやら、
いろんな案があります。

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一つのプロジェクトで、一つの模型を作って終わり、ってことは、
めったになく、頼まれてもいないのに、いろんな案を考えてしまいます。


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全然違うタイプの案を作って、

「あー、決められない。とりあえず、どっちも作ってみたい、、、。」

と思っても、結局、できるのは一つだけ、、、、。


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その場所に、一つしかできないから、
いっぱい考えちゃうのかな、、、、、。


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しかも、面白いのは、
たくさん作るから、


「今回は、これ実現しなかったけど、別の機会に是非やりたいな、、、、。」


とか、いやらしいコトも、やっぱり考えるのですが、
不思議なことに、その時に、ボツになっちゃた案っていうのは、
次の機会がいくらあっても、
絶対実現することはないのです。


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ホント不思議。

ニコの都市伝説です。
意識している訳ではないんですが、そうなんだなぁ、、、。


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でも、一ついえるのは、ある人のために考えたものは、
あくまで、その人のための案なのだ、っていう気持ちがやっぱり
あるんですね。ボツになったものが何案あったとしても。


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それにしばられるよりも、毎回、自分を空にして、
ご家族と、シキチと出会う方が、絶対に楽しいに違いない。

と、そんなコトを考えているので、
毎回時間がかかってしょうがなく、

しかも、そういうコトを言うわりに、未練がましい僕は、
そんな模型達を捨てられず、、、、、。


困ったものです、、、。

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まぁ、昔もらったラブレターみたいな、そんな感じでしょうか、、、?

そのうち、たぶん人の居場所がなくなりそうです。
posted by 西久保毅人 at 01:14| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

先週末に、5年前に完成した小山台の家の雑誌の撮影がありました。

すごく素敵に住んで頂いていて、
完成時より圧倒的に今の方が良い訳で、
もはや、誰が設計したとか関係なく、

「あぁ、、今取材してもらいたい、、、、、、。」

と、祈っていたら、願いが叶いました。

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時間の経過したすまいを記録して頂く機会はめったにないので、
とても嬉しいです。
「新建築」、とか、「新しい、、、」とかのシンチクを紹介する
雑誌はいっぱいありますが、

「ちょっと古いめだが、いい感じの住宅特集」、とか、

「味の出てきたすまいの設計」、とか、

そういう雑誌はない訳で、、、、。

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タイトル長いですね、、、、。だからか、、、、。

でも、もしそういう雑誌があったら、
かなりニコの家は本領発揮なのですけどね、、、。


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さて、そんな訳で、久しぶりにのんびりと、お邪魔させてもらいながら、
ちょうど、今、設計中の家々を思い浮かべました。
これからできていく家達も、こんな年の取り方をしてほしいなぁ、、、、。


そして、ちょうど今お題を頂いている、「森の中の小さな家」について
考えました。

「森の中の小さな家」っていっても、別に森の中に作る訳ではありません、、、。

トウキョウの住宅地につくる、いくつかの賃貸を併設した住宅なのですが、
設計するにあたって頂いたテーマが「森の中の小さな家」なのです。


なので、シキチは森でもなければ、賃貸がいくつかあるので、
必要なボリュームが小さい、訳でもゼンゼンないのです。

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禅問答のような感じですが、

じゃぁ、森ってなんだろう?

じゃぁ、小さいって、なんだろう?

そんなコト根本的なコトを、最近考えています。
この小山台の家は15坪の土地しかないのに、
なんだか森の中にいるみたいな気がします。

要は、土地の広さでも、ボリュームでもないんだな、、、。


要は、、、、、、気持ちの問題です、、、。




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さてさて、そういえば、このおうちのチャームポイントだった、
タイルのポストが壊れちゃったので、撮影と入れ替わりに
新しく設計させて頂いたポストが到着しました。

制作はいつものベガさんです。

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さて、どこから出し入れするのでしょうか、、、、?



posted by 西久保毅人 at 01:03| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

いろ決め

現在、いろんな現場が進行していますが、
年末完成に向けて、平部さんの家と、上村さんの家の
2つの現場が追い込みで、これから仕上げに入ります。

ニコの家づくりの最終段階のイベントといえば、
色決めです。
ペイントだったり、クロスだったり、タイルだったり、
左官だったり、、、、、、何で色を出すかはそれぞれですが、
コジン的には、意外と設計するより気合いが入る時です。


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そもそも、別に色を使う必要はないかも知れません。
大抵の家は、まっしろですし、モノの本には、白い方が広く見える、
って書いてありますし、、、。

なので、もう、「うちの物件は白ですから、、、、。」
って言ってしまえば、それはそれで、仕事、ラクだなぁ、、、と
思ったりもしますし、
それに、別に白いクウカンが嫌いな訳でもないですし、、、。

だから、結果的に、いろいろ提案して、いろいろ考えて、
その末に、「シロっ!」

っていうのは、ゼンゼンありだとオモウのです。


だから、あくまで、赤や青や紫や黄色と、並列な色の種類として、
シロもあって、その中から考えたいなぁ、というのが正直なところかな。。。

なので、シロを使うなら、

「じゃぁ、シロがとっても奇麗に見えるには、
その前の空間はどんな色がいいかしら、、、。」

という風に最近は考えます。

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でも、正直なところはですね、、、、、
リクツではなく、

その方が楽しいから、、、、、、

っていうのが、本心かなぁ、、、、。
理論的でなくてすみません、、、、。


だって、色を選ぶっていうのは、誰でも参加できるのです。
全ての色が並列なように、色を選ぶってうのに、プロもヘチマもありません。

好きかキライか、ピピッと来るかどうか、、、、。
コドモも、オトナも、ケンチクカも、色選びの土俵の上では、同等なのです。

好きな色は好きだし、組み合わせも好きずき、、、。
なので、ケンチクの要素の中で、色ほど、

「誰が選んでも、どんな色でも、実は何でもいいですよ。」


って、言えてしまう要素って他にないのですね、、、。

だから、僕たち設計のプロも、一生懸命考えます。

みんなで対等に議論して、意外と思いもかけなかったような、
それぞれの家のテーマへたどり着く。

そして、だからこそ、完成したアトの、
家への愛着も、格別なんじゃないかと、思うのです。

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でも、もっと正直にいうと、本当は、
時間がたって、よごれても、タフで、味のある家であって欲しい、と思うからかな。。。

たまに、うちのコドモ達をよその家のオープンハウスに連れて行くのですが、
やっぱり、まっ白なクウカンて、コドモに触らせられないのです。
すぐ、手垢ついちゃうし、、、、。

素敵な家は、やっぱり子供達にも感じてもらいたいのに、
手垢がつくから、触れない、、、っていうのは、ちょっと切ないですし、
そもそも、それって、どうなのかなぁ、、と親としていつもオモウのです。

大抵の家は、子供達が育つクウカンとなる訳なので、
せっかくだったら、子供達がさわればさわる程、あじの出る素材や色がいいなぁ、
そして、多少の手垢や汚れも、気にせずすごせる方が、絶対いいなぁ、、。


そんな、子供達が、自由に過ごせて、
できることなら、うちの子供達が遊びにいっても、迷惑がられず、
さわっちゃ、ダメ、、、、と、いちいち緊張しなくていい、

すみませんが、
そんな、僕の親戚の家みたいな家を、
無意識に目指している訳なのかも知れませんね。。






posted by 西久保毅人 at 00:33| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

遅くなりましたが、、、、。

ずいぶん遅くなりましたが、
先月完成しました、浦安の「栗村さんの家」の完成写真をアップしました。


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今回は、
浦安の風景と交えてまとめてみました。
ぜひ、見てみて下さい。
建物の完成写真だかなんだか、よく分からない感じですが、、、。


まぁ、しかし、
こういうウェブ作業が、どうも、いつも、
停滞気味です、、、、。


たくさんある写真から、数枚を選ぶ訳なので、
数枚にしぼるだけでも、一苦労、、、、。
というか、
この、選ぶ、っていう作業が、
実は一番時間がかかります。

へたに思い入れがあるだけに、ムダに写真を眺めて
泣く泣く選び込む感じです。

そうじと同じで、他人にやってもらうのが、
効率的でいいとは思いつつ、
どうも、手放せないこの作業。


そんな訳で、まだまだアップできてない家もたくさんあるのですが、
少しずつ見やすくしていこうという、
意気込みだけはある、
今日この頃でありました。


posted by 西久保毅人 at 01:23| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月25日

ハッピーハッピー

月曜日、僕が独立以来、
たくさんのニコの住宅を工事を監督していただいている
おなじみの
新建築工房の新さんの結婚披露宴がありまして、、、、、、。

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なんと、オープニングのスピーチと乾杯の挨拶という、
大役をやらせて頂きました。

前日まで、
「まぁ、いろいろしゃべる人達の一部だから、まぁ、その場のノリでいいかな、、?」

くらいにしか思っていなかったのですが、、、、、、。

ふたを開けてみたら、僕のジンセイで、後にも先にも、ないような、
そんな大役、、、、、。


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見かけによらず、大舞台にはめっぽう弱いタイプですので、
原稿は用意したものの、もちろん開くヒマもなく、
案の定、しどろもどろ、、、、、。



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もう、申し訳ない気持ちで一杯でしたが、
まぁ、この幸せそうな、子グマちゃんの笑顔で帳消しですかね、、、、。


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さすがに自分の結婚式くらい、もっとしゃべれよ、ともう、相変わらず
口べたな新さんと、年下なのにしっかりして、華やかなありさちゃん。


ホント、素敵なカップルでした。






そういえば、僕も、結婚したような気がするなぁ、、、、。

10年くらい前。


たぶん、こんな感じの人だったような、、、、、。

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posted by 西久保毅人 at 01:59| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月28日

ふるいもの

山梨県甲府で計画していました、
溝口さんの家のリフォームが着工しました。

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約25年前の木造の骨組みなので、解体しないと分からない部分も多く、
今日は、構造の筬島さんにも来て頂き、骨組みの確認と、補強方法の確認を
行ないました。

解体して結構ひどい状態の時もあるのですが、とってもキレイな柱や梁、
下地材が現れ、ホッと一安心。

それより時を超えた骨組みがキレイで、ちょっと見とれてしまいました。

とくに天気が良くて、光がとってもキレイでした。


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リフォームの魅力は、やっぱり古さと新しさが同時にある事で、
それはある意味、シンチクではどうしても作り出せない魅力でもあります。

だから、これからの工事にあたっても、もともとの骨組みのもっている
魅力をより引き出せるような決断をしていきたいと改めて思いました。

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さて、
リフォームといえば、西荻窪に古い住宅を改修したこんなギャラリーがあります。

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とてもざっくりした仕上げなのですが、
古い骨組みと、白く塗られた新しい部分がとてもバランスよく
とても居心地の良い空間なのです。

なんというか、力の入れどころと、抜きどころの絶妙な感じ。

勉強になるところがたくさんつまってます。

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さて、もう一つ。
甲府という事もあり、着工にあたって、以前ニコでバリバリ働いてくれていた
遠藤君に手伝ってもらう事にしました。

遠藤君は、独立を目指し、今は地元である甲府に腰をすえて、
根を張るべく修行中なのですが、
もとスタッフの遠藤君と、時をへて新しい関係ができたのも、今回の収穫です。

古いパートナーとの新しい関係。

これも、ある意味、リフォームかも知れませんね。。。。

posted by 西久保毅人 at 21:52| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月05日

五十嵐さんの家の上棟

例えば、障子の魅力ってなんでしょうか?

答えはいろいろあると思いますが、

僕は強い木のフレームと、それに対してあまりに弱くはかない障子紙という
極端な耐久性の違う素材の組み合わせなのだと思います。

フレームは手入れをしながら大切にし、
そのうち味わいが出てくるのに対して、
指で穴があいちゃう障子紙は、
定期的に張り替える、時には柄を変えてみる、というように
使い手に更新可能な自由さを想像させます。

シャープな力強さと、はかなさ、弱さの組み合わせ。

どっちか、じゃなくって、どっちも。

どっちも同時にあるからこそ、とっても魅力的なのです。


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さて、現在工事中の五十嵐さんの家がいよいよ上棟し、
これから内装工事に入ります。

ちょうど、今日は明日から始まる内装工事前の構造体の確認と撮影に行って来ました。


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かなり感動!

その感動は2つあって、五十嵐さんとイメージを膨らませてきた物語のある
構造体が、イメージ以上のできばえだった事。

もう一つは、工事中にも関わらず、あたかも「撮影用??」と思うくらい
現場がキレイに清掃されていて、ゴミ一つなかった事。
今日、行くなんて言ってなかったのに。

山縣さん、素晴らしいですねー。


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さて、この五十嵐さんの家は、RC4階建ての2世帯住宅+工場という
建坪は、10坪くらいなのですが、中身がぎっちり詰まった計画です。

前にもかきましたが、家族の形はどんどん変わっていくものです。
変わっていく家族に対して、一度作ったら変わらないケンチク。

ケンチクと家族の関係は、そもそもスタートから矛盾している訳です。

特に、2世帯住宅は、現在の要望を満たせば満たす程、将来が不自由になるし、
逆に先の事を考えれば考える程、今が不自由になります。

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じゃぁ、今と、将来、どっちが大切?


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すみませんが、僕の答えは、

「どっちも!!」

基本的に欲張りなので、、、、、。


だから、最初の障子のように、
力強く、長持ちして、愛着と味わいのわくようなフレームと、
もしかしたら将来はずして家をつなげたり、吹き抜けにしたり、、、、、
とその時代の家族の形に対応できるような取り替え可能な床を
各階、スキップ状にもうけたような家の作り方を考えました。


なので、最大、今の現場のような、4階建てのワンルーム空間と
してしまう事も可能なのです。

まぁ、これはさすがにないかも知れませんが、、、、、。

いやいや、もしかしたら、5〜60年後くらいに、五十嵐さんのひ孫あたりが、
代々受け継いだこの家を全部スケルトンにして、
4階建ての隠れ家的なレストランにしちゃうかも知れません。。。。。

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そんな、途方もない未来のイメージから、近い未来の生活まで、
住まいながらも、いろんな想像ができるような家となるように、考えました。


さぁ、これからの内装工事。
この骨格の魅力を、住まいながらも感じられるような家にしていきたいです。
posted by 西久保毅人 at 01:34| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月15日

週末は、、、

先週末は、


五十嵐さんの家で、盛大な上棟式をして頂き、、、

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年末完成の
上村さんの家と、

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平部さんの家にて、


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恒例のセルフペイントでペンキだらけになりつつ、、、

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新しく始まるおうちの打ち合わせをしつつ、、、

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その他お打ち合わせをしつつ、、、、、

と、ニコ設計室とご家族、親戚、総動員な週末でした。
みなさま、ごちそうさま、おつかれさまです。
この雰囲気、年末ですね、、、。

こんな感じで、

楽しく、忙しく、

いろんな段階の家作りが同時に進んでいますが、
別々の事をしている気がしないのが、不思議です。

ぜーんぶ、つながっていて、一軒一軒での出来事が、
他の一軒一軒に少しずつ、影響を与えて行きます。
それは、頭で考えて思いつくようなことじゃ、ないんだな。

感じて、気がつくコト。


一軒だけだったら、思いもつかなかったコト。
一人だったら、気がつきもしなかったコト。
出会わなかったら、生まれて来なかったカタチ。
      

イロや素材も、やっぱり感じるコト。


しかし、仕事をいただいて、設計をさせて頂いている立場なのに、
いただいたり、ごちそうになったり、、、、、気がつくと、
こちらがいただくコトばかりです。

すみません、その分、たくさん働きますね、、、、、。

posted by 西久保毅人 at 02:58| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

オープンハウス

年末です。


オープンハウスです。


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ギリギリのお知らせですが、今週の日曜日12/20に、
「平部さんの家」のオープンハウスをさせて頂きます。

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平部さんご家族と一緒にセルフペイントで、
トイレと、子供部屋を仕上げたのですが、


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今回は、いつも御世話になっている、ポーターズペイント伊藤さん
直々に、塗装の指導にきてくれました。
ホント、フットワークの軽い伊藤さん。

実は、ニコのキレイな色達は、大部分は伊藤さんのおかげで実現しているのです。



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たくさんの時間と、いろんな方々の尽力で、ようやく完成を迎えるのですが、
やっぱり自分達の家に、自分達で最後の命を吹きこむ作業は、

「私たちの家」になるための、大切なプロセスのような気がします。


大工さんの仕事に、「さすがー。」

と見とれつつ、

自分の仕事に、「、、、、ヤバ、はみ出てる、、、、。」

と、ため息をつきつつ。


ちょっと不思議なプランの楽しい家になりましたので、
是非、見に来て下さいね。




、、、、、、実は、12/26(土)にも、もう一軒、オープンハウス
予定なのですが、そのお知らせはまた後日。



posted by 西久保毅人 at 22:19| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月21日

坂田さんの家

先週末、品川区で工事中の、坂田さんの家が上棟し、
上棟式をして頂きました。

木造とコンクリート造の混構造なのですが、今回は木造部分の上棟。
大抵、ニコ設計室では、上棟にあわせて大きな模型を作ることにしています。

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ちょうど、上棟したクウカンの中で、
同じアングルで、模型をながめてみたりして、最終確認、、、、、


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という意味もあるのですが、
これから本格的な工事の始まる上棟の場で、
大工さんや職人さん達に、

「こんな家になるのですよ。」

という、最終形のイメージを持ってもらう事が大きな目的です。


どの職人さんにも言えるのですが、
建築工事は、いろんな職人さんの持ち場持ち場で、
工事が行なわれるので、
実は意外と、フィニッシュを見れない方も多いのです。

特に、大工さんは一番大切なのですが、大工工事って、
仕上げの前に終了しちゃうので、本当に完成した姿を見ずに、
次の現場へ、、、っていうコトがわりと多いのです。

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これは、小さな事のようで、僕はとても大切な事だと思っています。

「へー、こんなになるんだぁ、、大変そうだけど面白そうだね。」

とか、

「おたく拝見に出てきそうな家だね。」

とか。

まぁ、どっちかっていうと、

「げっ、思ってたよりも、大変そうじゃん、、、、、。」

と、きっと皆さん、思う事が多いんだと思うのですが、
最終形のイメージをもって仕事をするのと、
ナニを作っているのかの、イメージのないまま、仕事をするのとでは、
たぶん、ゼンゼン、出来上がりが違って来ます。

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まぁ、模型はあくまで模型で、
いくら作っても、やっぱり実物にはかなわないなぁ、、、、、、
と、思うのが正直なところなのですが、
自分の想像力のなさを補うためにも、
こういう場で、情報を共有するためにも、
とっても大切なのです、、、。


模型は作らない、っていう人もいるみたいですが、
想像力が大幅に欠落している僕には、
まぁ、ムリな話ですね、、、、。



あぁ、中に入りたい、、、、。





posted by 西久保毅人 at 20:59| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月23日

今年最後の、、、。

まぁ、当たり前ですが、
今週の土曜日、12/26に、2週連続となる今年最後の
オープンハウスを開催します。


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先週末は、平部さんの家のオープンハウスだったのですが、
たくさんの方にご来場頂きました。

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工事の養生もとれ、ようやく完成した空間に
まるまる一日いると、たくさんの気づきがあります。

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思わぬところから、光が入ってきたり、
思わぬシーンがあったり、、、、。

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設計中も、一生懸命想像して、現場に通うのですが、
やっぱり完成して、人がいて、初めて命が吹き込まれるのだなぁ、、
と、つくづく思います。


全部、想像しておけよ、、、、

と言われちゃいそうですが、
すべて想像や計算ですんでしまう空間にはあんまり魅力は感じません。


たくさん想像しても、想像しても、
思いもしなかったような出会いのあるような家。



どちらも、そんな家になって、とても嬉しいです。

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我が家のソラやリンタロウという隠れキャラも、どこかに潜んでいるかも知れません。

そういえば、平部さんのコドモ達、
出会った頃、ミリオン家族に出たいって言ってたけど、
まだ、やってますかね、あのテレビ。

やってたら、ここに隠れておくといいと思います。


さぁ、
年末の押し迫った時期ではありますが、

「上村さんの家」

ぜひ、ご来場下さいませ。




posted by 西久保毅人 at 02:29| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月25日

そういえば、、、、。

明日は、上村さんの家のオープンハウスです。

植栽も終わり、何とか完成。
ようやく年が明けそうな気がしてきました。


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そういえば、ですね、、、


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上村さんの家は、今年ニコに仲間入りした細田君の初めての担当物件。
すっかり、ホームページのプロフィールでの更新を忘れていたので、
この期を逃すと、ずーっと忘れそうなので、更新してみました。


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ゴメンゴメン、マジで忘れてた、、、、。

おわびに、顔写真もイジれるようにしておいたからね、、、。

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年末、鳥取へ帰省するようなので、御両親も心配されているかも知れませんが、
立派に働いていますよ。

まだ、東京タワーには、たどり着いていないようですが、、、、。
posted by 西久保毅人 at 23:09| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月31日

年越し

毎年のコトですが、今日は大晦日。

ようやく、今年も終わりです。


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年末に行なった、上村さんの家のオープンハウスも、
たくさんの方にご来場頂いて、開催して良かったなぁ、、、と思いました。


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実は、年末の、2つのオープンハウス。
当初は、スケジュール的にも難しそうだったので、

辞めちゃおうか、、、、、。

と、思った時期もありました。

でも、たかがオープンハウスといえども、やるかやらないか、では、
大きな違いがあります。

僕やスタッフにとっては、長い時間をかけて作り上げた空間を
見てもらい、生のご意見をうかがえる貴重な機会。

設計中のお客様にとっては、

「ニコのつくるクウカンて、実際はどんなだろう、、、?」

というのを実物を通して確認してもらう機会。


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実は、平部さんも、上村さんにも、いろんなニコのいろんな
オープンハウスを見て頂いて、素材や、クウカンの共有を
設計途中でさせて頂きました。

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例えば、平部さんの家の最初のプレゼンの時なんか、

「えっ、ナニ コノ ななめプラン、、、。」

と、思われたに違いないのですが、
ちょうど、その頃、吉原さんの家のオープンハウスがあったりして、

「こんな風になるのですよ。」

と、ご説明をさせて頂いた記憶があります。

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上村さんも、完成までの間、
ほとんどのオープンハウスに足を運んでくれて、
その時々で、素材や、クウカンの共有をさせて頂きました。

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もちろん、好き嫌いは、ゼンゼンあっていいのですが、

「体験を共有する。」


というコトが、家造りでは、とっても大事な事だと思うのです。

「我が家では、どうなるんだろう、、?」

という、ワクワクもあり、

「うちは、じゃあ、違う風にしましょうねー。」

という、挑戦もあり、、、、。


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とにかく、「共有」する事が、一番大切なのです。

「好きだ」ということを共有する事も、

「ワタシはキライ」ということを共有する事も。

そして、うれしさも、くやしさも。

成功も、失敗も。

それさえあれば、共にいくらでも先に進めるのです。


そう思っても、まだまだ、自分のいたらない部分の多さが身にしみた
一年でもありましたし、たくさんのご迷惑をおかけした一年でもありました。


さてさて、もう気分は来年です。

たくさんの素敵な出会いがあり、僕も無事、2010年を迎える事ができそうです。

新年もこりずによろしくお願いしまーす。

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posted by 西久保毅人 at 23:09| 2009年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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