2007年01月09日

新年

1.2007.jpgあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

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2007年01月13日

桃井の家、上棟

isibashitei01.jpg今日は晴天、上棟の日。
桃井の家は、地下と1階がコンクリート打ち放しで、その上に木造が乗る構成。
高さ4Mの壁だけが立ち上がる工事は大変だったけど、やっぱりそのスケール感は圧巻。
それが木造部が乗る事で、よりダイナミックな雰囲気となった。
そんな中で行われた上棟式は、ご家族の希望で初の神主さんを呼んでの式となった。
祭壇が建てられ、空間のボリュームもあるので、ちょっと神秘的な雰囲気。

初めてだったけど、上棟式に神主さんを呼ぶのもいい

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2007年01月15日

五百羅漢の家上棟

今日から、小田原のデイサービス五百羅漢の家の上棟が始まりました。
といっても、規模が500uもあるので、ホントの上棟までには4日ほどかかる予定。

それにしても、デカイです。

現場にこんなに人が働いている風景は、ニコ設計室初ですね。

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2007年01月20日

道のような家、イエのようなミチ

世田谷で進行中の代沢の家が上棟しました。
写真でこの「ナガサ」が伝わりにくいのが残念ですが、約30mあるのです。
「ジュウタク」である事を忘れてしまうような不思議なスケール感。
といっても、30坪の住宅なのです。

設計過程でも、この妙なスケール感にかなり悩まされましたが、
ダラリとつながったかなり良い空間になっています。

道のような家。

イエのようなミチ。



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2007年02月25日

植木さんの家


渡辺篤志の建もの探訪にて、植木さんの家の放映がありました。


:
2005年の年末に完成した住宅で、撮影時は、入居後ちょうど1年たった頃です。
建もの探訪は、本間さんの家につづく2件目。
撮影の日には僕も立ち会いましたが、撮影中は、実は僕はのぞく事ができません。
なので、家の中で何が行われているのか?全然知りませんでしたし、オンエアーまで、僕ら関係者もどんな内容か分かりません。

ですから、オンエアーはとても楽しみでした。
ホントに植木さん御夫婦の人柄がにじみでるような楽しい内容だったと思います。

植木さんの家は、設計開始から完成まで、約1年半かかりました。
とっても小さな家なので、なんでそんなにかかるの?と言われそうですが、
まあ、かかっちゃった、、、としか言いようがありません。
工事の方は、順調に約5か月でしたので、設計が時間かかりすぎたのですね・・。

しかしその分、あの敷地と植木さん達には、ベストの解答ができた気がしています。

実は、植木さんにも言っていない、あのプランに行き着いた瞬間というのがありまして、その場所は、実はなんと、代々木八幡の居酒屋養老乃瀧です。
僕と、コガちゃんと、当時いた英と構造の名和氏の4人で最初は構造事務所で打合せ
していたのですが、場所を変えて近くの養老乃瀧へ。
居酒屋にうつっても、植木さんの家について議論。
その打合せの中で、最終的なプランの方向性が決まったのでした・・・。

飲み屋でもけんちくの話しをしてしまうというのは、もう、本当に職業病ですが、
良いプランと言うのは、本当にどの瞬間にうまれるか分かりません。
だから、実は、設計させて頂いた数だけ、最終案にいたったエピソードがあるのです。
すぐに産まれる場合もあれば、難産の場合もあります。
ただ、一番大切にしたいのは、
できれば、自然分娩で、陣痛促進剤を使うことなく、
妥協のない仕事をしていきたいという事です。





なーんて、仕事の遅いいい訳ですね・・・・・・・。
今後ともよろしくお願いします。
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2007年03月21日

潟の風景

:

時期にもよるのですが、ちょっと最近コンクリートの物件が増えました。
去年は、ほとんど木造だったんです。

どっちが好き?と聞かれると、
どっちも好き。
というのが正直なところ。

泉水さんの家のようなバリバリ木造も好きなのですが、
コンクリートはコンクリートで、大好きな素材です。

そもそもが、どちらも「素材勝負」な感じが共通していて、木造なら「木材」、
コンクリート造なら、「コンクリート」で、無垢な素材感が個人的に好きなのかな。
黒皮のままの鉄の質感も好き。

だから、僕はキャベツは生派。
ちなみに佐賀の焼鳥屋では、生キャベツが基本的に食べ放題。お酢と焼き鳥の肉汁
で食べるのですが、小さな時から、ざる一杯のキャベツを何ハイおかわりしたことか・・・・。

さて、佐賀つながりでいくと、実は僕がコンクリートが好きな理由がもう一つあります。それは、有明海の「干潟の風景」なのです。
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特に、生コンの打設の風景が、ドロドロした潟の泥とそっくり。
そこに鉄筋が立ってる様子なんて、海苔の養殖風景みたい。

子供の頃に、靴下を3.4枚重ね履きして、干潮の干潟を潟スキーのまねして
ムツゴロウを追いかけて遊んだキオクと潟のにおい。
そんな僕の原風景をかなり思い起こさせるのが、打設の現場なのです。

そんな意味で、コンクリート=潟の風景、みたいな、ミョーな個人的な
思い入れが僕を熱くさせるのです。

遅れましたが、写真は、練馬の田崎さんの家の現場風景。
普通のカンカクでは、潟=ドロドロでクサイ。という印象が一般的だと思うと
自分の家を潟と一緒にしやがってー、と思われるかも知れませんが、
そこはどうかお許し下さい。

そして、実は、コンクリート打ちのポンプを操るのは、花畑の家の庄司さん。
ご自分の家が完成してからも、ニコのコンクリート打ちには、
頻繁に来て頂いています。

上記のような思い入れもあるので、僕は庄司さんの事を敬意をこめて

「潟仲間」

とひそかに呼ばせてもらっています。。。。。。。

そんな訳で、今後ともよろしくお願いします。

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2007年03月26日

引っ越し

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本日、3/26よりめでたく新事務所での仕事が始まりました。
記念すべき日です。

思い起こせば、独立してほぼ5年間、職住一致でやってきました。
独立した時には、すでに2才のノノがいて、とりあえず食べていかねば、
と、6帖一間の和室で仕事をしていました。

ちょこちょこと入ってくるノノに何個模型を壊された事か・・・。
でも、楽しい面の方が多く、昔のココにも書いていますが、職住一致ならでは
の出来事も起こります。

そんな感じで、リンタロウが産まれ、ソラが産まれ、かなり生活感バリバリの
環境が、当たり前のように僕の仕事場でした。
さらに、そこにエンドウくんがいたり、キクチさんがいたりと、すごい人口密度。
それが先週まで。


さて今回、事務所を借りるにあたり、床を無垢の杉のフローリングに張り替えました。
今までとは違う生活感のない、ぶっきらぼうで、古いビルですが、
床を杉板にしたとたん、
なんだか、おうちの様になりました。

ちゃぶ台でも置いてゴロリ、という感じです。


事務スペース以外にちょっとゆとりがあるので、子供達が友達を連れてきて
宿題をしててもいいし、遊んでてもいい。
ついで寺小屋でも副業ではじめるか・・・?

というと大げさですが、
場所は変わっても自営業らしく、
今までのペースで仕事をしていきたいと思っています。


荻窪であることは変わらないので、これまで通り、
大抵、一日中荻窪をブラブラしていますが、無職ではありませんので
よろしくお願いします。


お近くにいらっしゃる時には、ぜひ寄って下さい。









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2007年03月27日

単純作業

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引っ越しには、欠かせない作業がある。

それは、梱包。


それ自体は果てしない単純作業だし、個人で閉じた作業のようで、
実は、そうでもない。


それは、それを次に運ぶ人がいる、というコト。

今回、夜逃げのような引っ越しをしてみて、そんな事を考えました。

どのくらいの量が持ちやすいか?
一人で運ぶのか、二人か?
ヒモはどのくらい緩んでると持ちやすいか?

その単純作業の結果が、もろに運ぶ時にでます。
持ちやすい物、こぼれる物、異様に重いハコ、軽い物、、、、、、


まあ、シロウト引っ越しなんで、しょうがないですが、
まあ、夜中に階段を5階まで運んだワケで、
まあ、そんな事でも考えてないとやりきれなかったワケなんです・・・。


で、その何気ない単純作業が、実は、次の人へのパスである、と考えると
なんだかすべてが繋がっているように感じました。


ただボールが来たから蹴っただけなのか?
スペースを狙って蹴ったのか?

ダイレクトでシュートをさせるつもりか、ちょっと先に落としてバックスピンか?
今日の芝は?風は?時間帯は?敵はバテているか?

たった1つの蹴る、という動作はとっても閉じた「個人作業」ですが、
その先を見つめたトタンにサッカーになりますし、そう考えると考える事は
たくさんあります。

送るFAX一枚しかり、あいさつしかり、線の強弱しかり・・・・。

1つ1つの単純作業の「先にいる誰か」をしっかり見つめ、
良いリズムの中で豪快なシュートを決められるようなチームに
ニコ設計室をしていきたいと改めて思った次第です。


まあ、半分、引っ越しのグチですが・・・・。
posted by 西久保毅人 at 23:47| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月31日

はなまる

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昨日、楽しみにしていた泉水さんの家の放映がありました。

撮影は立ち会ったんですが、
藤吉久美子さんも、山内アナもとっても気さくな方で、
話題の豊富さ、話しの展開のうまさは、ホントに

「さすが、プロっ」

という感じでした。

オンエアーではほとんど削られていましたが、写っていないところでも、
プロ意識をしっかり感じました。

また、お二人とも、お母さんであることもなんか親近感を感じました。
見た目は、全然生活感を感じさせないけれど、
撮影中、ご機嫌ななめの朝馬くんを二人で遊ばせてたり、笑わせてくれたり・・・。
それがとっても、自然で、上手だったんです。

やっぱ、何の世界でも、長く活躍出来る人って言うのは、
テレビに映っていても、映っていなくても、魅力がにじみ出るもんなんだなー、
と変な事で勉強になった一日でした。


僕も、長く仕事を続けるためにも、
何かにじみ出てくれるといいんだけど・・・・・・。
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2007年04月02日

快と不快

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今日、午前中に打合せで葛西臨海公園までいったので、ついでに谷口吉生さんの
名建築 クリスタルビューに行ってみました。

名建築の評価を僕がする意味もなく、公共建築という厳しいステージで谷口さん
が描ききった世界と実現力は、とっても素晴らしいと思います。

でも、正直、、、、、、、、不快でした。

天気もよく、さくら日和で、海風の、においのここちよいその場所で、
ガラス張りの空間はそれらを何にも感じられませんでした。
ガラスさえ入ってなければ最高なのに・・・・、と5分で後にしました。

この快や不快は、ハッキリ言って個人的なカンカクです。

さて、その足で、完成間近の「代沢の家」の現場へ。

敷地の長さが約30mもある住宅なのですが、世田谷とは思えない周辺環境の
中、とっても居心地がよい空間となりました。

土のにおい、風、緑、木の感触、鳥の鳴き声。

なんだか寝ころんで昼寝でもしてしまいそうな空気。
それらを全て、肌で感じる事ができました。
もちろん、ガラスごしではなく・・・・。

まあ、自分たちが設計させて頂いた建物なのでほめてもしょうがないですが、
とっても快適でした。

でも、この「快」や「不快」の感覚って、とっても大切だと思うんです。

「快」や「不快」に理屈はないんですから。


やっぱり、自分が心から「快」と思える物しか、僕らは作れません。
そこをウソついても、しょうがないですよね。

そして、その「快」の基準は、人それぞれ・・・・。

だから、今後も、自分の中の「快」の感覚に正直に、

「あー、気持ちいいー。

と思える空間作りをしていきたいとあたらめて思いました。

花見客をうらやましく思いつつ・・・・・。

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2007年04月13日

フレンチなブルドッグ

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西荻窪に気になるヤツがいる。
こいつと目があったら、立ち止まらない訳にはいかない。


それは、花屋のフレンチなブルドッグ。



ちょっと前から、西荻に行くたんびに立ち寄る花屋さんがあって、
置いてある植木もいいんですが、なんといってもこの犬です。
全然、愛犬家ではないんですが、この犬の愛くるしい事。

こういうのって、「キモカワイイ」って言うのかな??

そういえば、うちのソラちゃんにもこのキモカワイさ、通じるところあります・・・。

だから、もし犬を飼うなら、

ぜったいフレンチなブルドックをブラックで、

と決めました。

また、店の佇まいも素敵で、道路から階段2段分さがった店の入り口
から、こいつはいつも通りを眺めています。
しゃべるわけでも、ほえる訳でもないんですけど、ただのろのろと店の
前にたたずんでいます。


同時に、同じ商売人として、こいつにはやられたなー、と思うのです。

という訳で、まんまとハメられた僕の事務所には、日々、植物が増えていく事に
なってしまったのでした。

おしまい。

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2007年04月16日

水陸両用、的な・・・

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マングローブの姿はとてもおもしろい。

初めて見た時、

「なんじゃこりゃ。」

というのが、正直な感想で、なんだか今にも歩き出しそうな
そのすがたかたちが、とっても魅力的でした。

でも、そのすがた、かたちには、たぶん涙なしでは語れない
ふかーい理由があって、

昼にはよー、水がなくなっちまうしよー、
夜にはよー、水浸しになっちまうんだ。
正直どっちでもいいけどさ、
・・・・どっちかにしてくれよ。


という葛藤があったんだと思われます。

でも、環境はなかなか希望通りに変わってくれなかったみたいですね。

まあ、要はそこであきらめるか、どうかの差だとは思うのですが、
彼らは、自分のすがたかたちを変える事で、

「もうまわりは気にしてられん。でも、俺たちは生きるからね、ここでずっと。

と、腹をくくったんだと思います。

そんな、態度表明が、かれらのキュートなすがたかたちの理由なのだと
僕は勝手に信じています。

そして、それこそ、デザインの神髄なのではないかと思うのです。


かれらの選んだデザインは、フツウの環境に生きるぼくらにとっては、
ちょっと変わって見えますが、彼らにとっては、もう、自然も自然、
チョー当たり前の選択だったのでしょう。もちろん、他にも実現しなかった
いろんな案があったとは推測できますが・・・。

だから、マングローブに対して、僕は「同業者意識」がとっても強いのです。

僕らのしごとも、まったく同じなんですから。

それは、コストだったり、狭さだったり、要望だったり、さまざまですが、
要は同じです。

そしてポイントは、その条件達を「おもしろいじゃん」って思えるかどうか。
一見きびしそうな条件に、突破の糸口を見つけられるかどうか。

そして、その条件達を軽く飛び越えられるような、すがたかたちを見つける事。


桃井の家、代沢の家が完成して、

できればマングローブに見てもらいたいなー



そんな物思いにふける今日この頃でした。


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2007年04月20日

色柄モノも、化学センイも・・・。

ホームページの方で告知していますように、小田原の「五百羅漢の家」
完成しました。

下の写真達、実は、この建物で使用した色や素材の一部です。

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「イロキチか?」

と言われそうですが、こっちは大まじめです。
これらの色や素材が散りばめられた、とっても素敵な空間になりました。

そもそも、色は使うのが苦手な建築家が多いみたいですし、やっぱ、最近の流行の
建築は、白と黒で、ビシッと決まって?います。

色は、禁じ手、みたいな考え方もあるみたいですし・・・。

まあ、他人はさておき、

僕は、色というのも、空間を構成する大切な「素材のひとつ」と考えています。

そんな事を平気で言えるのは、前職の象設計集団時代に、色を使う事の勇気と
その効果を学ばせてもらったからなのですが・・・。

とはいえ、むやみやたらに色を付ければ良いってもんではありません。
植物がはえる色、お年寄りが元気に見える色、そして色を生かす暗闇・・・・。

特に今回は、お年寄りのデイサービスという事もあり、年齢の刻まれたおじいちゃん、おばあちゃんの顔が、元気に、素敵に見えるように彼らの背景として、
いろんな素材や、色を散りばめました。

それが、従来の高齢者施設の「施設っぽさ」を吹き飛ばし、さらに、大きな建物の中で居心地のよい奥行き感や質感を創り出しています。

という訳で、ぜひ、皆さんに見て頂きたい、という気持ちで一杯なんですが、


おだわら、、、、遠いですよね、、、、。


まあ、そのうち、何らかのかたちで、お見せしたいと考えています。

という訳で、

ジュディマリの「イロトリドリノセカイ」をどうぞ。
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2007年04月25日

大盛況

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告知していた「五百羅漢の家」内覧会、大盛況でした。

今回は、ニコ主催、というより、オーナーの(株)H.S.Aの施設お披露目がメインだったのですが、なんと、2日間で、700人オーバーです。
これは、デイサービス単体の内覧会としては、全国的にも希な数字らしいです。

設計者としても、住宅以外で初めてのこのような内覧会に立ち会う事ができ、
一般の方の、素直な感想や、表情に触れる事ができ、とっても有意義な2日間でした。
ニコ設計室の関係者も、遠くは千葉や都内からもきて頂き、住宅以外で初めての建物をお見せする事ができて、とてもうれしく思いました。

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正直、独立してからは個人の家しか設計した事ない僕にとっては、

僕に頼むって事は、家を作ってくれって事なんだろう・・・・たぶん。
多少、「デカくて」、「家族」は多いけど、、、、まあ家なら何とかなるか、、、。

と、勝手に思いこんで取り組んだ仕事でした。

だから、社長さんにも、

「「家」を作りますからね、いいですね。。。。「シセツ」は作りませんよ。」

と宣言してからのスタートでした。


養護学校の子供達と、若い介護スタッフ。
たくさんのおじいちゃん、おばあちゃん。


最大で延べ70人くらいが、同時に存在するこの場所。

血は繋がっていないけれど、僕は、この場所は、やっぱり「家」だと思うんです。
そして、ここに同時に存在する人達を「家族」と呼びたい。



少子化、核家族、高齢化・・・。
家族の形態がどんどん変わっていくのなら、

ちょっと人数が多くたって、
ちょっと血が繋がってなくったって、


全ての世代が一同にそろうこの場所は、やっぱり「家」であり、
かれらは「大家族」なのだ、

と、僕はやっぱり思うのです。

そして、そのようなスタートラインに立って、僕らの住む「セカイ」
見直して見る事。


それが一番大切なのだと、僕は思うのです。



というわけで、近々完成写真をアップしますので少々お待ち下さい。


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2007年04月28日

だいじなひと

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だいじなひとが けっこんする

あした けっこんする

あきにはあかちゃんもうまれる
なんというしあわせ
たぶん「おめでとう」じゃ なんかたりない
だから だいじなひとへ


ありがとう




だいじなひとは、僕に羽をつけてくれた
僕に飛び方をおしえてくれた
きっと、彼はそんなつもりはなかったんだろうけどね。

でも僕は、いまだにうまく飛べないでいる
そんな僕を、もどかしく 彼はみている

ごめんね たぶん、すごく時間がかかる

でも いつか飛ぶよ
きみの 目の前で・・・・。



だいじなひとがけっこんする

あした けっこんする

たぶん「おめでとう」じゃ なんかたりない
だから だいじなひとへ



ありがとう。



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2007年05月09日

遺跡的な・・・。

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「この建物って、どんな風な朽ち果て方をするんだろう・・・?」

僕はこんな事をいつも考えながら、設計をしています。


要するに「遺跡になった姿。」


窓も、家具も、お風呂も、近隣の家すら、全て無くなってしまってもなお、何か
「そこにある意味」や
「特定のお施主さんとの出会いや、やりとりの軌跡」が感じられる
すがた、かたちをもってたい、と思います。

だから、きっと、もう、みんな死んじゃってる100年後の事とか、現場でついつい妄想してしまいます。

さて、写真は、上石神井で工事中の田崎さんの家。
ようやく、3階までコンクリートが打ち終わり、型枠を外しました。

正直、カッコイイです。。。もちろん、「遺跡的に。」

遺跡的にカッコイイ、てことは、この計画が間違いでなかった、という事を確信する瞬間。

その「骨格」の持ってるチカラをできる限り損なわないよう、感じられるよう、これから仕上げ工事に入ります。

この建物は、高密な住宅地でのちょっと変わった「たたずまい」がポイントなんですが、それは、またおいおい書く事にします。

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2007年05月20日

学校

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すみません、きたない黒板の字で・・・・。

さて、昨年から、こんな学校で講師をしています。

池袋ウエストゲートパーク的に言うなら、

ブクロの北口で。

もう、その名の通り、学生は全て現役の若い職人さんで、ほとんど大工さんの卵です。
「なかなか、若くていい大工がいない。」とよく監督さんが嘆く声を聞きますが、結構いるもんです。

で、そんな僕が日頃御世話になっている大工さん達に何を教えているかというと、もちろん設計の授業です。
でも、これが実は難しい・・・・。

はっきり言ってしまえば、経験的には大学で授業する方が、よっぽど簡単なのです。

相手は、図面を「見る」て「作る」事は慣れていても、「考えて描く」機会はほとんどない。しかも、パッと見、ちょっとみんなこわそうだし、最初は
「おいおい、ここはスクールウォーズか??」
と正直つっこみたくなってしましました。
まあ、でもそれはホント、見た目だけの話しで、働きながら学ぼうをしているヤツらなんで、本当に、近頃珍しいまじめな若者達です。

だから、去年は試行錯誤で授業をしたんですが、
実は、去年の授業は、僕自身、満足できる事ができませんでした。
それは、たぶん、僕の課題の出し方が間違っていたんだ、と今にして思っています。

「限られた時間の中で、なんとか、こいつらの面白い部分を引き出したい。」

という思いでやってたんですが、ただ白紙の敷地と家族設定などの条件をを渡してみても
そもそも設計に慣れてないんだから、うまくできる訳がないんですね。
別に、うまくできる事を目指している訳ではなく、

「けんちくは自由なのだ。」

という小手先ではない「カンカク」を感じて欲しいと思っていたのですけれど・・・。

そこで、今年は、根本的に課題設定を変えてみました。
渡したのは、紙にパラパラと適当にベットや風呂や、便器や家具、階段、木々が点在しているそれだけの紙。
そんなモノ達が、木々のまわりに点在している、それだけの紙です。

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通常、我々や大工さんの仕事というのは、家具が置かれるハコを作るのが仕事です。
完成したら、そこに家具が持ち込まれ、初めて生活が始まります。

「でも、もしも、逆に敷地に置かれるモノの場所が最初に決まっていたら、どんな空間ができるだろう?しかも、森の中に、バラバラと適当に・・・・。」

そんな逆転の発想の設計です。

実は、これは去年の反省点でもあったんですが、建築というのは、スケール感を身につけると言うのが一番むずかしいんです。
例えば、ふとんの大きさ、便所の広さや、テーブルの大きさ、収納の大きさ。
それが、感覚で身に付いていて、それを絵にできて初めて設計ができるようになります。

「ふつう」が体で分かっていないと、「ふつうでない」事はできないんです。

だから、彼らの個性がそのままかたちになるように、

「森の中にバラバラとモノが点在した風景」

から逆に空間を想像していくような、授業をしてみよう、と思いました。
分かりにくいけど・・・・。

で、その作戦は、大当たり。

いやー、こんなにいろいろな事が考えられちゃうんだー、というくらい面白い作品達が出てきました。去年がウソみたいです。
あんまり面白い作品達なので、ここで終わらせるのはもったいないので、来週はそれを模型にして、立体化させようと思ってます。

やっぱ、学生の作品というのは、ハチャメチャなのが一番です。

そして、そんな風にしてできあがった自分の作品を、

「いつの日か、がんばって絶対実現してやるぞっ。」

という風に学生が思えるような授業にできたらいいなあ、と思っています。


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posted by 西久保毅人 at 19:46| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月24日

たぶん、母は・・・・。

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忙しい中、久しぶりにコンペをやりました。
「産婦人科と小児科」のあわさった病院。
これやらなきゃ、僕じゃないでしょう。

という訳で、以下、コンペ案のコンセプトです。
訳が分からないでしょうけど・・・。

今年は母の日に何も送れなかったので、まあ、佐賀の母には、その変わりです。
今頃だけど・・・・。

結果は期待せずに・・・・。




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2007年05月25日

不自由さから産まれるもの

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今日は、ブクロの授業の日。
ちょっと、前にマングローブの事を書いたんですが、たぶんそれと同じ事が、
きりんやゾウやカバのすがたかたち、昆虫のすがたかたちにも、いえると思うんです。

もっというと、都市住宅が変な形になるのも、きっとそういう事。

不自由な条件で、それをはね飛ばすくらいハッピーな世界を描く事。
そんなすがたかたちを探す事。

そんな意味では、「不自由さ」って、マイナス要素というより、超ハッピーな世界へジャンプするためのジャンプ台なのかも?って思います。

そんな事を、今日、ブクロのガッコで、授業をしながら、つくづく思いました。


僕が出した不自然で、不自由な条件。

それを踏み台にして、大工の学生はどんどん飛んで行きます。
自分が今、飛んじゃった事に、たぶん奴らは気づいてなさそうなんですけどね。。。

僕より一回り以上若い奴らが、ニヤニヤして自分の世界を作ってる姿を見てると、
「負けてなるものかっ」と僕も、闘志が湧きます。


ホント、すてきな時間を過ごさせてもらってます。

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2007年06月02日

今宵、ギロッポンにて。

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今宵、といっても昨日の話。

いつものように現場やら、打ち合わせやらを終えて夕方ギロッポンへ。

ギロッポン、といえば、ホリエモンやら、キショーやらという猛獣の住むという禁断の場所。ボクもかれこれ東京に16年近くいるけれど、3、4回しか足を踏み入れた事がない禁断の場所。


だって、用事ないし・・・・・。


しかし、今日は違います。用事があります。
なんと元ニコの古賀ちゃんのアニであり、イラストレーターの古賀重範さんの個展が、あそこで行われているというのですから。

という訳で、最終日になってしまいましたが、なんとか駆けつけました。
途中、電車の中で、

「はて、今日は何かの日ではなかったかな?」と思いつつ。。。。

さて、徒歩3分と書いてあったものの、さすがギロッポン。
・・・・・20分くらいかかりました。

ハラさんも遅れて合流。

ちょっと記憶があいまいだったんですが、「今日」について、ハラさんに確認。


「あのさー、今日って、もしかして結婚記念日なんじゃないでしょうか・・・・?間違っていたらすみません・・・・。」


ハラさんもすっかり忘れていたようだったけど、一応、ボクの脳みそ代わりなので記憶力は抜群です。

「あっ、そうそう、すっかり忘れてた−っ。」との事。

ホッと、ボクも胸をなで下ろします。

( よかったー、前の彼女の誕生日とかじゃなくて・・・・。 )


そうです。
今日は、我々の8年目の結婚記念日だったのです。



結婚記念日にギロッポンなんで、洒落てるじゃないですか。
東京の人みたいじゃないですか。


とわいえ、保育園のお迎えまで、あと1時間。すぐ帰るんですけどね・・・・。

さて、古賀アニの個展は、「Dog with Apple」というタイトルで、その名の通り、犬とリンゴが今回のテーマ。たくさんの犬とリンゴが、鮮やかでシンプルな彩りのアクリル絵の具で描かれていました。すべてを1ヶ月で描き上げたというその勢いが、とっても感じられました。

ボーッと見てると、5匹の犬が頭にリンゴを乗せて並んでいる絵を発見。
なんか、まとまってるようで、それぞれ別の事を考えているような、不思議な絵。

「なんか、うちの家族みたいだな・・・・。」

とふと思い、今日が結婚記念日だった事も、思い出しました。

これも、何かの縁かしら・・・。

という訳で、その絵をいろいろな記念として買ってしまいました。


結婚記念日にものを買うなんて、初めてじゃないかなぁ?
そもそも、ボクが、結婚記念日を思い出すなんて初めてじゃないかなぁ?
しかも、絵を買うなんて、初めてじゃないかなぁ?



と、言う訳で、
その場に居合わせた人たちにも、お祝いの言葉を頂き、そうしている間に、ソラが保育園で発熱、という呼び出しの電話もかかり、いそいそとギロッポンを後にしました。



まあ、その後は普通の日常。
ソラが熱があるので外食もできず、時間も遅かったので、持ち帰りのココイチカレーで、記念日ディナー。

まあ、そんなギロッポンの思いででした。



その後のオチとしては、

ホントの結婚記念日は、前日だった事が、ハラさんのインテル内蔵脳みそより判明。


やれやれ・・・・・。



:
posted by 西久保毅人 at 01:15| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月11日

こおじげんば

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なんとのどかな現場でしょうね。
進行中の佐藤さんの家の工事現場です。

東京なんですけど、ながほそーい遊歩道のような公園に面していて、行くたんびにのどかな気持ちになります。土地探しに時間をかけたかいがありましたね、佐藤さんっ。

もはや、漢字で書くよりひらがなで「こうじげんば」って書いた方が似合います。

また、ちっちゃくて、かわいらしいその姿かたちも、とってもキュートです。
写真は、コンクリートの型枠なんですが、ちょっと変わった型枠を使用しているため、補強のための縦材が細かく入っていて、それがまたいいんです。

一応、打ち放しの仕上げ予定なんですが、もったいないからしばらく、5年くらいは型枠つけたままで住むってういのは、どうでしょう、佐藤さん・・・・?

下は、完成イメージです。

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そして、今日は、下の写真の白石さんの家の上棟でした。

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前回内容をかいたのですが、上棟して、その骨格の正しさに感動しました。我ながら・・・。

ナシの木って、ナシを収穫する都合上、あんまり高く育たないらしいんです。せいぜい、脚立で収穫できる程度の、2〜3メートル。

だから、その上空は、なーんにもないんですね。

それで、ルーフテラスと、リビングの高さを、木の上の高さに合わせて設定したので、2階に建つと、果てしなくつづく空を独り占めです。(5人家族なんで、5人ジメ。)

なんでもそうですが、そんな計算があるとはいえ、しょせん想像なんで、やっぱり思った事が実現すると感動なのです。

しかも、思ったよりも、実際のほうが、数倍やっぱりいいんです。

上棟式で話しましたが、僕はいつも、上棟の姿には、建物の骨格、つまり

「この家では、これをやるぞー。」

という建物の意思が現れると思っています。それは、一方的な押しつけじゃなくて、ある意味、ご家族と一緒になって街にしかけた、確信犯的な「いたづら」みたいなものです。

もちろん、仕事なんで要望をまとめたり、構造計算をしたり、コストをあわせたり、時には激論したり、、、という当たり前の業務はそれぞれにありますが、そんな小難しい事を吹き飛ばすような、大きな「いたづら」の運命共同体的なパートナーになれると、ホントに家造りは面白く加速して行きます。


白石さんの上棟の言葉も、良かったですね。

「この3人の子供達はそうとう悪ガキですし、興味しんしんなんで、現場に行くなと言っても、近いんで、たぶんちょこちょこ来るとは思います。だから、現場で迷惑な時はとにかく怒鳴ってやってください。お願いします。」


この現場も、どうやら、

「こうじげんば」

になりそうです・・・・・。

すてきなメッセージありがとう。子供達。

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posted by 西久保毅人 at 23:57| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

あーゆー、あーきてくちゅ?

今日、たまたま仕事場に行く前に、近くの喫茶店で構想を練るためのスケッチをしていたら、


「あーゆー、あーきてくちゅ?」


と、久々にいんぐりっしゅで話しかけられました。

僕もゆったりしていたし、仕事場に行きたくなかったし、(かわいい女性だったし・・・)、、、。
という訳で、話し込んでしまいました。

彼女は、メリッサというアメリカ人のアーティストで、善福寺にある遊工房というアーティストレジデンス(海外のアーティストに個展や短期滞在での創作活動の場をあたえるような施設)に現在滞在しつつ、個展をやってるとの事。
個展のために徳島県でキャンバスとなる和紙を作ってきたとの事。
個展が今週末まで、という事で、じゃあ、近いし、そのうち行くね、とその場は解散しました。

話は、15年くらいさかのぼりますが、大学生の時の僕は、とにかく英語ができるようになりたくて、「英語を覚えるには、外国人の恋人を見つけるに限るよ。」と、いう通説を信じて、小田急線の中で洋風なかわいい女の人を見かけるたんびに「はろー、はわゆー」と日々、話しかけまくる、そんな学生でした。そんなのは、なかなか実を結びませんが、かなり度胸はつきましたね。今でも、たいして変わりませんが・・・。

さて、事務所について、彼女のウェブサイトを見てみたら、なんか、ちょっと不思議な世界観のある作品で、「これは行かねばっ。」と思い、夕方、ブラリと自転車で行ってきました。

ちょっと、ギャラリーとしては便が悪い感はありますが、昔の病院を改築した建物で、西荻らしく、とっても雰囲気のある場所でした。

メリッサとも無事再会し、絵の説明を聞いたり、いろいろ話してると、「友人のアーティストを紹介するわっ」という訳で、同じ場所に滞在しているカレンという、また同じくアメリカの女性アーティストと出会いました。

彼女の作品も、また個性的で、一言でいうと、「アースワーク」、というのでしょうか、ランドスケープアーキテクトにも通じるような、森や自然の中に自然の素材を使った造形作品の写真を見せてくれました。
で、その延長で、訪れる土地土地のいろんな色の土を採取して、土を顔料として絵を描いたりもしているとの事。だから、彼女のスペースには、いろんな土地のいろんな色の土が飾ってありました。「これが善福寺の土よっ」としっかり、善福寺公園の土も採取されていました。

この辺まで話を聞くと、

「あれっ、誰か似たような人、近くにいたなー、、、、。」

と思っていたら、その通り。

なんと、カレンが淡路島の左官職人、久住章氏を訪ねて淡路島に行った時の写真が出てきました。

「なーんだ、久住さんなら僕もよく知ってるよー。若い時、よくご飯を食べさせてもらって、淡路島にも、うちの奥さんと婚前旅行でいったし、この写真のゲストハウスにも泊まったもんね。いいよねー、このたたきの風呂も入ったよ。久住さんはホント、日本一の左官屋なんだよ。」

というなぜか、
善福寺で、アメリカ人のアーティストと、淡路島の久住さんつながりという事が発覚し、またまた盛り上がってしまいました。

表現の仕方は違うし、国籍も違うけど、本当にカレンは、アメリカン久住さん、みたいな女性でした。

なんか、世界って、広いようで、狭いなー、とよく日本でするような会話を、善福寺で、いんぐりっしゅで話す、という不思議な日でした。


最後に、アーティストレジデンス、っていえば、僕の大学の盟友であり世界をまたにかけるアーティスト、増山士郎を忘れては困りますね。

彼は、卒業後、日本での活動をえて、ここ数年は、世界中のアーティストレジデンスを渡り歩いて活動しています。会うたんびに、次はバルセロナだ、次はニューヨークだ、と次々と活動の拠点を移し、どうやら現在はベルリン永住をもくろんでるらしいです。


場所は違えど、「増山も、こんな感じなのかなー?」とちょっと思ったのでした。













posted by 西久保毅人 at 01:36| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月16日

スキマスイッチと田崎さんの家

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かーいさーつのまえー つなーぐ て と てー

こんばんは。スキマスイッチです。

さて、日曜日に、「田崎さんの家」のオープンハウスなのですが、この計画で一番悩んだのが、「スキマ」について。

実は、僕の大学の小林先生が、都市計画の先生であったので、その影響もあり、一つ一つの家の設計の時、いつも都市について考えます。。。。

都市は、ニコの仕事では、大げさですね・・・。言い過ぎました。

「まち」についてです。

その時に、必ず気になるのが、建物ができてしまう事による「スキマ」なんです。

だから、大学時代の卒業設計のテーマは、「都市のスキマと子供たち」でした。成長ないなー、自分・・・・。

そんな事を、もう、10年以上考えてきて、今でも一つ一つ、お仕事を頂くたびに、それを考え続けています。それは、それを考える事が、住む人も、街の人も、同時にハッピーにする方法につながるに違いない、という理由なき確信があるからです。

今回の田崎さんの家も同じです。
ちょっと他と違うのは、田崎さんもそこにちょっと不満があった、という事でしょうか?
たくさんの話を聞きましたが、一番印象に残ったのは、

だんだん、自分が育った街からスキマがなくなっていくのはイヤなんです。しょうがないけど・・・。」

という言葉。

すみません、田崎さん、変なところに、引っかかっちゃって・・・・。

で、それを僕なりに、一生懸命考えたのが、田崎さんの家のプランです。

まあ、それだけではなく、このプランにした事で、たくさんの良い事があるのですが、それは実際に見にきて感じて頂ければ、幸いですね。

ただ、「へんなかたち」を作りたかった訳では、ないですよ。断っときますが・・・。



それにしても、スキマスイッチ、いい名前ですね。。。。


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posted by 西久保毅人 at 01:04| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月18日

この世界の同時性について

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昨日は、田崎さんの家のオープンハウス。
暑いくらいのお天気の中、たくさんの人が見にきてくれました。
華道家である奥さんの真理さんが、家中にきれいな生け花を飾ってくれました。
僕は僕で、いままでの仕事を大きな写真パネルにして、展示させてもらいました。


僕は、この世界について、こんな事をいつも考えています。

それは、この世界のどうしようもない「同時性」について。

例えば、今僕がこうやって文章を書いている時、同じ地球上では、戦争や内乱でたくさんの子供達が命の危険にさらされており、そんな事が同じ時に、同じ地球上で起きているにも関わらず、僕はのんきに文章を書いています。

また、日本では、小学生の子供達が、受験しないといい大学に入れないし、それが人生のすべてなのだ、と毎晩塾がよいをしている同じ地球上で、インドでは子供達が、明日のご飯のために物乞いをしているでしょう。

新聞では、見開きページで、片側に少子化問題、出生率が語られ、もう一方には、アフガン内戦の話題。世界一の出生率7.3人/1人のアフガニスタンでは、毎日産まれてくる子供と同じくらいの人が死んでいるのです。それが見開きページで同じ日に、同時に語られるという事。

命の重みが、生まれた場所でぜんぜん変わります。
でも、それが事実、現実である事。

例を挙げるときりがないくらい、いろんな事が、同じ時間にこの地球上で起こっていますし、いろんな人がいます。どうしようもない事が、当たり前にたくさんあります。
そのいろんな事をひっくるめて、僕はこの世界が大好きですし、だからこそ、誰かを好きになったり、何かに感動したり、涙があふれたりするのだと思います。


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それは、「ケンチク」も同じだと僕は思うのです。

ケンチクは、一人で作る事はできません。
頼んでくれる人がいて、頼まれた僕がいます。
敷地はいつも、現実の場所にあるし、周りには、家があったり、畑があったり、崖があったりします。
ご家族一人一人の要望があり、予算があります。
明るい部屋が好きな人、暗い部屋が好きな人がいます。
建築のの歴史があると同時に、流行があり、その中に僕は生きています。
構造を専門に設計する人のやりたい事があると同時に、年配の大工さんの知恵とカンがあります。

それを一つの答えで、同時に成立させる事。

それが、設計だと僕は考えています。

いろんな条件による矛盾や不都合。
それらにこびるでも、拒否する、でもなく笑い飛ばすように同時に成立させる、一つの形を見つけて行く事。


それが、設計です。

少なくとも僕はそう考えていて、それを、一つ一つの設計で、一つ一つの出会いから生まれるものを作りたくて、独立しました。

そんな風に考えてつづけて、気づくと5年が過ぎ、完成した住宅は、20件を超えました。
僕が未熟で、ご迷惑をかけた事もたくさんあります。
同じ間違いを繰り返してしまった事もあります。
完成した喜びの数よりも、もっと出来たはずなのに、もっと早く気がつけば、、という悔いの方が正直多いです。
お金を頂いて仕事をしているのに、プロとしてやっているのに、という反省の日々です。

でも、僕はだからこそ、この仕事を死ぬまで続けて行きたいと考えていますし、設計をする機会を頂いている事を心から感謝してやみません。


ながーい、くさーい、話を延々と書きましたが、ここ数年嬉しい事があります。
もう、完成して、お引き渡しをした家のご家族が、オープンハウスに来てくれる事です。

昨日の、田崎さんの家もそうでした。
現在進行中のご家族やもう、完成した家のご家族、前職時代のお施主さんまで、わざわざ足を運んでくれました。ご自分の家の近況報告と同時に、ありがたいご感想も頂きました。
さらに昨日は、田崎さんの御厚意で、夕方5時からは、皆でビールを飲みながら完成を祝い、今までのお客様からの住んでみての実際の感想、思いの外、使いにくかった事、思いの外良かった事など、それぞれにざっくばらんに聞かせて頂きました。

もう、「す、すみませーんっ」と頭のあがらない思いでした。

でも、本当にうれしくて、夢のような時間でした。

あんな時間を過ごさせて頂いた田崎さんには、心から感謝しています。
それと同時に、今まで受けさせて頂いた仕事の重みを強く感じました。


ぜんぜんちがう条件、ぜんぜんちがう好み、ぜんぜんちがう設計。



そんなぜんぜんちがう人たちが、たまたま僕が設計をさせて頂いた、という唯一の接点で同時に存在するという事。

ぜんぜんちがう、という事を前提に、でも同時に本気で、意見をぶつけ合う事。

ぜんぜんちがう、って、本当に素晴らしい事です。

そして、ぜんぜんちがう、が、いっぱい、同時に、平気であるのが、

「最高にハッピー」な世界なんじゃないかと思うんです。


もう、長くなるから、この辺でやめますが、
とにかく、僕にとっては、最高のオープンハウスでした。

そして、これからも、ぜんぜんちがうたくさんの出会いを楽しみにしていきたいと思います。


そして、ぜんぜんちがう、ボクとアナタという「ニコの個性」が出会ったからこそ、誕生する世界で一つだけのケンチクを作り続けて行きたい、と強く思った一日でした。


・・・・・・ながっ。

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posted by 西久保毅人 at 23:12| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

トンカツ弁当

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佐藤さんの家の型枠が外れたという事で、お昼時に現場へ行きました。

建築現場で働く職人さんは、旅芸人みたいなものだなー、と思います。

彼らは、工事が始まると、ある一定の期間、現場へ通い、そこが終わるとまた次の現場へ。職種にもよりますが、その期間は、現場で一日過ごします。

そうすると、一番大事なのが、「お弁当」。

すごいもので、彼らは現場近辺のおいしいくて、安くて、量が多い弁当屋さんをいつも知っています。一日中、体を動かして働く彼らにとって、たぶんそれは一番大事な事なのです。体が資本なのですから。

で、たまにお昼に現場にいくと、その場、その場で、「この現場は、ここが安くてうまいよ。」と教えてくれます。

さて、今日の佐藤邸。
僕はお昼は初めてだったのですが、さすが、旅芸人。
現場のうらのお肉屋さんのが出しているトンカツ弁当がうまいとの事。
さっそくマネして頼みました。

いやー、さすが肉屋のトンカツ弁当。
揚げたてサクサクで美味しかったです。
しかも、500円。
しかも、現場まで持ってきてくれました。
しかも、ペットボトルのお茶は、ぬるくならないように、ビニール袋にたくさんの氷にが入っていました。

監督のヤマガタさんも、

「ここは、この肉屋の弁当がうまいから、来るのが楽しみだよ。」

との事。


これから、土地をお探し中の皆さん。
これからは、土地を探す時に、近くに安くて、うまくて、大盛りの弁当屋があるかをチェックするべきです。
たぶん、現場の盛り上がりが違いますよ。

土地は、多少いびつでも、狭くても、それは設計で僕がなんとかしますから・・・・。



という訳で、いよいよ型枠の外れた佐藤さんの家は、木工事開始。

なんだか、新種のポケモンのような、今にも動き出しそうなかわいい姿。

今回も、よいイセキになりそうだ、と子供達と公園から眺めていたのでした。


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posted by 西久保毅人 at 00:11| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月29日

よじ登れっ、子供達。

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写真は、工事中の白石さんの家。

まさにこんな感じの内部空間になる予定です。
スキップフロアなんですが、オシャレだから、スキップにした、なんて事を僕がする訳ありません。

交互にスキップしている床と床の段差を

「きっと白石家の子供達だったら、階段なんて使わないで、ここをよじ登って、ジャングルジムのように使ってくれるに違いない。いやそうしてくれっ。」

という願いをこめてデリケートに段差の寸法を決めました。

何となく、自分が設定した寸法を現場で体感して、

「おお、これは、すごい事になりそうだぞ。白石家だけに・・・・。」

と、想像して、ニヤニヤしてしまいます。


だから、階段はできるだけ使わないで下さいね。一応、ありますけど・・・・。


posted by 西久保毅人 at 01:08| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

建ち並ぶ街並みのなかで。

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遅ればせながら、小林さんの家の点検に行ってきました。

この敷地は、新興住宅地だったため、すべてが新築の街です。
完成後1年以上過ぎた、建ち並ぶ住宅の中で、小林さんの家だけが、空気が違います。

もちろん、設計がいいんですけど、、、、、

それはさておき、それ以上に、圧倒的な違いは、土の残り方です。

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なぜか、新しい住宅を建てる人は、敷地をすべて、コンクリートで被いたがります。
ハウスメーカや建て売りも当たり前のように、覆います。

草が生えるから?
猫がうんこするから?
水溜まりができるから?


まあ、理由はいろいろあるんでしょうけど、それで失うものの多さをいつも僕は考えます。

小林さんの家は、別にまわりより極端に小さく作った訳ではありません。
ただ、建物をつくる事で発生する「空地」、つまり、土の残し方を一生懸命考えた住宅です。

「それに、何の意味があるんだよ。汚れるだけじゃん、、、。せっかく、シンチクの家をツクルノニ、、、、。」



実は、僕も、まだうまく説明できません。


ただ、たくさんの住宅を設計させて頂き、現場に立ち会い、完成を見届けるたんびに、この思いは強くなるばかりです。

ホント、うまく説明できないんです。

でも、ただ、

「今度ぜひ、うちの子供達を連れてきたいな。」

と心から思えるという事。

「こんど、枕木でも引こうかと思うんですよ。草むしりは大変なんですけどね。ハハハ。」
と苦笑いの小林さん御夫婦の笑顔がすてきだった事。


たぶん、それだけなのかも知れません。


ただ、ケンチクは、そんなにエラくなくていいのだ、といつも思うのです。


恐竜の骨のような天井の、小林さんちに久々に訪れ、そんな事を思うのでした。


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posted by 西久保毅人 at 13:06| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月11日

やねのしごと

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あるお寺の参道に、屋根をつくる仕事をいただきました。

葬儀の時や、お墓参りの時、皆が必ずとおる場所。集う場所。
故人とのお別れの場所。再会の場所。

ただの屋根ではあるんだけれど、それは必ず「場」を作ります。


ちょっと申し訳ないんだけれど、なんか、そこには「ケンチク」は似合わない気がしました。なんというか、何か作るより、大きな大きな幹の大木が一本あるといいな、と思いました。
移ろうその木漏れ日の下に、参拝の人々が集まり、ひと時を過ごす。

木がいいじゃん。よし決まり。

と、上のようなCGを作ったんですが、なんで屋根を作るかって言うと、雨の日に参拝や搬入の時に人々が濡れないように、なのです。


がーん。。。。。


まあ、それは最初から知ってたんです。聞いてました。もちろん。

でも、、、、、。



と、まあそんな衝動から、あれでもない、これでもないと屋根だけ一生懸命考えています。まだ結論にはいたってませんが、こういうお仕事は、実は結構勉強になるんです。


僕が日頃設計させて頂いている都市住宅では、斜線制限や、隣地との離れなど、外からの縛りがとっても多くて、どうしても屋根は、その副産物になりがちです。
条件をクリアーした内部空間があって、それを雨風から守るもの。

どっちかっていうと、壁が先にあって、それを塞ぐもの。

だから、屋根って結構軽く見られがち・・・・。

でも、特に日本やアジアの建築の歴史って、どっちかっていうと、屋根のデザインの歴史のような気がしますし、むしろ壁なんてあってもなくても、壁でも建具でもよい、くらいのものだったのでは?ってふと考えます。


そんな事をモンモンと考えていたら、前職の象設計集団が今から25年も前の1981年に設計した名護市庁舎を思い出しました。

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上からの写真で見るとこれも屋根の建築だったんですね。
でも、その時の象が描いた屋根って、きっと内部をおおう屋根という現代的な意味合いの屋根ではないと思います。

屋根の下が、外か中かなんて、そんな事はどうでもいい。
どこからが外か、どこからが中かなんて事よりも、
木の下やパーゴラのの木陰に、人が集まるように、その場と風土に似合う「場所」をつくるという事。
雨の落ちる場所、明るい場所、暗い場所、ツタのからまる場所。

そんないろんな場所をつくる事が「ケンチク」なのだ、という事。

そんな初原的な事をこのケンチクからは、感じました。

まあ、そんな思いだけで作っちゃった建物が「役所」ってところが、一番感動なんですけど。

実際に訪れてみた時も、ホント、もはや「どこからが中ですか?」って考える自分がバカバカしくなるような素敵な空間でした。


さてさてかたや、小さな小さな「やねのしごと」
そんな初原的な事を考えながら進めていきたいと考えています。


やねとはなんぞや・・・・?





posted by 西久保毅人 at 00:30| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月18日

雑木林

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雑木林、って書きたくて変換したら、


「ゾウキリン」


って、出てきました。


ゾウとキリンです。


これはすごい。大発見。
たぶん、まだ、誰も知らないんじゃないかな??


忘れては困るので、自分で撮った昔の動物園写真を見てみたら、キリンのいい写真がありました。
ゾウはイマイチ。


しかし、昔々、象設計集団から独立した人たちは、いろんな動物の名前をのれん分けみたいにつけていたみたいですが、キリンって、つけた人いないんじゃないかな??

なんでだろう・・・・?

と、思って今はなき、建築文化1993年10月号の象の特集「あいまいもこ」を久しぶりに見てみたら、
ありました。麒麟。

失礼しました。


それにしても、どなたなんでしょうか・・・・・?キリンさん・・・・。

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posted by 西久保毅人 at 23:05| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月23日

I`m so exciting!!!(アイム ソー エキサイティング!!!)

今までの人生の中で、いくつかの忘れられない言葉があるんですが、
そのひとつは、

I`m so exciting!!!(アイム ソー エキサイティング!!!)

です。



先日、僕が大学時代に短期間ですが間御世話になったアメリカのマサチューセッツ工科大学の神田駿先生が来日されているという事で、久しぶりに再会しました。かれこれ10年ぶりです。

当時の僕はもうとにかく海外で働きたくて働きたくてですね、
皆が就職活動しているのを横目にボストンの神田先生の設計事務所を訪ねました。
言葉はさっぱりでしたが、アメリカ人のスタッフに混じってとっても充実した時間を過ごさせてもらいました。その間に、いくつかのプロジェクトにかかわる事ができたのですが、その中で一番印象的だったのが、ハーバードストリートにある、小さな小さな時計屋さんの内外装の改修の仕事でした。

広さ4帖くらいの店でしょうか?
とにかく、小さなお店です。
通りに面した窓の向こうで、一人の時計職人さんが朝から晩まで時計の修理をしていて、その腕が有名なお店でした。
まあ、とにかく仕事をまかせてもらえたのが嬉しくて、自転車で毎日その時計屋にいっては、その職人さんの椅子に座らせてもらったり、その職人さんが毎日同じ場所で何を見ているんだろう・・・?という事を一生懸命考えました。
その椅子に座って、ちょっと視線をあげると、ガラス越しにきれいな空が見えました。

そんな具合で感じた事をそのまま絵にして、模型にして、いよいよオーナーのスーザンにプレゼンです。つたない英語で、模型を前に説明をしおえると、何となくスーザンの顔が赤くなっているような・・・・・、気がして、

「やばっ、怒らせてしまった・・・・・どうしよう、外国で・・・・・」

と思っていると、スーザンはとても興奮した様子で、



「、、、、、I`m so exciting!!!!  」



と言ってくれました。

それにつづく言葉は、いまいちよく分からなかったので、覚えていませんが、分からないながらにも、スーザンは、喜びと興奮の感情を僕に伝えようとしてくれている、という事だけははっきり分かりました。

僕は、たぶん「さんきゅう、さんきゅう、、、。」というくらいしか感謝の言葉は持ち合わせていませんでしたが、産まれて初めて、考えた事で人に喜ばれるという経験を、しかも、「I`m so exciting!!!!  」なんて言われて、頭の中が真っ白になったのを昨日のように覚えています。
横で神田先生は、だまって見ていてくれました。

今思えばよく神田先生は、言葉もままならない僕に,大事なプレゼンテーションをやらせてくれたなー、と不思議に思いますが、それが10年経った今思えば、神田先生の器の大きさというか、教育者として人を惹きつける魅力なんだなーと思います。

そんなコトもあり、ますます日本に帰りたくなくなってしまった僕は大学が始まってもビザが切れるギリギリまで居座って、
「あのさー、、、、大学始まってるんだけど。卒業する気あんの??」
と日本から電話がかかってきてもしばらく無視してました(笑)。


帰国する際、そういえば神田先生の奥様に、

「若いうちは日本に長居は禁物よ!はやく帰ってらっしゃいね!」

と言っていただいたのも、そういえば胸に残る言葉だったなぁ、、、と今でも思います。
ちょっとだけ帰国するつもりだったのにな。。。


さて
独立するきっかけって、人それぞれいろいろ理由はあると思うんですが、僕はあの

「I`m so exciting!!!! (アイム ソー エキサイティング!!!) 」

が、忘れられなくて、そして、もう一度聞きたくて独立したのかもしれないなー、と時々思います。


10年ぶりに再会した神田先生は、「あれからあの時計屋は大繁盛して、10倍くらいのお店になったよ!」と教えてくれました。
ぜひ見に行きたいものです。



まあ、そのせいで、小さなおうちの設計ばかりを続けている訳では全然ないんですけど、
同席した象設計集団の富田玲子さんに

「ニシクボ君は、東京で小さな小さなお家が得意でね、たくさん作っているんですよ!
大きいものは密度が薄まるからやめた方がいいわねっ。ほほほほほーっ!!。」


と紹介され、まあ、、、これも宿命なのかも、、、、、と思わなくもなくもない今日この頃。



大きいものも得意なんですけどね、、、、。ホントは。

みなさん、遠慮なさらずに頼んでもいいんですよ!大きいのも。

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posted by 西久保毅人 at 21:41| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月31日

こがまる堂

ニコ設計室のスタッフの中でも、コアなファンの多かったコガちゃんが辞めてはや3ヶ月。さびしい思いの方も多いのではないでしょうか?

そういえば、「コガちゃんを偲んで・・・」を書くつもりがすっかり忘れていました。



で、さてさて、この3ヶ月、コガちゃんが何をしてたかというと、、、、、

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、、、青山で、お店を作っておったそうな。。。。


いいなー、青山。


何区?でしたっけ?

あの、オシャレで有名な街でしょ??

いいなー、そんなナウい街で仕事なんて・・・・・。

僕なんか、もう、5年もやってるのに、一度もお声のかからない街。


いいなー。

アオヤマって、響きも いいなー。

東京で仕事してます、って感じだよなぁー

いいなぁー。


と、いいなー、ばっかりでは、先に進まないので、どれだけシャレてるか見に行ってきました。

場所は、青山、といっても、山の方の、ちょっとひっそりとした場所。

でも、きっと青山なんかでは、人目につく場所よりも、すこし奥まった方が、きっと隠れがっぽくていいんでしょうね。まわりにも、隠れ家っぽい美味しそうなお店がぽつぽつあります。

そんな通りの奥の古い木造のアパートの一部屋が、噂の鍼灸院です。

「 はりまる開鍼堂 」

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隠れ家、って隠れ過ぎだよ−、コガちゃんっ。

というくらい、隠れてひっそりとその鍼灸院はありました。
まあ、きっと、それは自信の現れ。
本当にいい店は、看板を出さないらしいですから・・・・。


さて、
なんか、電話で話すたんびに、やれ、ペンキ塗りが忙しいとか、やれ、パテ処理してるとか、、、、そんな事しか言わないから何してるかと思ったら、ほぼコガちゃんが貼ったり、塗ったりしたそうです。

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だからかどうかは分かりませんが、新しいんだけど、なんか昔からあったような、そんな雰囲気に、そしてコガちゃんらしい空気が全体に流れていました。




・・・・・
かれこれ、4年ほど前、ちょっと一人ではやりきれなくなって、象を辞めたばっかりのコガちゃんに声をかけました。

初めての僕のパートナー。

その時は、僕も何にも知らなくて、たぶんコガちゃんも同じで、同じ土俵の上で、いろいろ一緒に経験を積んできました。

手伝ってくれそうな人は、きっとまわりにたくさんいたんだけど、なぜかコガちゃんに声をかけました。


「なんで、西久保と古賀が一緒にやってるか、訳分からん。。。。」


と、まわりに言われるくらい、僕とコガちゃんは、全然違います。

でも、たぶん、きっと、そうだからこそ、僕はコガちゃんに声をかけたんだと思います。

なんか、僕にないものをたくさん持ってる気がしたのかな??

実は、一緒に仕事をした事は一切、なかったんです。象の頃も。
ただ、知ってたのは、ドラえもんを描くのが上手な事くらい。


そんな事で始めて、あっという間の約4年。
8つの住宅を一緒に実現しました。
どれも、これも、一筋縄では行かなかった、思い入れのある仕事です。


今後、コガちゃんが、どんな活動を見せるのか?、海外展開も視野に入れているみたいだから、とても楽しみ。

そして、今後も良きライバルとして、いつまでも
お互いに、「ギャフン」と言わせるような仕事をしていけたら、
そんな勝負ができたら、

と楽しみに思っています。



それにしても、、、、、、


いいな、青山、、、、、


こんだけ言ったら、来るかなー、青山。。。。。。。。。




エンドーくんも、キクチさんもさー、
辞める時は、ファンをつかんで辞めないとね、ファンを。
そして、第一作目は、青山とかのオシャレな街に呼んでねー。

おしまい。
posted by 西久保毅人 at 01:37| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月05日

はす

ちょっとドキッとするくらいきれいな蓮の花。


大きなお寺の敷地の片隅に咲いていたんですが、人工物の中で、ここだけ命が宿っているような、、、、、、。


107.hasu.jpg


それにしても、なんだでしょう?

この、奇妙なすがた、かたち。

ケンチクの設計みたいに、あーでもない、こーでもない、と何案も何案も、スケッチして、模型つくって決まったカタチ、っていうより、

一瞬にして、何かの必然性でうまれたんだけど、現れた瞬間から、ずーっとそのすがたをしていたような、ずーっと前から、存在していたような、そんなすがた、かたち。

奇妙極まりないんだけど、
これ以外のすがたはないよなー、と思っちゃうその存在。

きっと、何百年たっても、このすがたしか、ありえないんだろうなー、という時間を超越したような、すがた、かたち。


この広大な、お寺の建物や、敷地の中では、とっても小さな小さな大きさだったんですが、だーれも、建物なんか見やしないで、建物なんて気づいてすらもらえてないのに、
みんなを惹きつける、たった一輪の蓮の花。

負けるな、ケンチクっ。

106.hasu.jpg


posted by 西久保毅人 at 00:13| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月10日

すっぴん。

まあ、完全にコジンテキな問題なんですが、

女の人はできるだけスッピンが好き。

ほぼ理解してもらえなんですけど、、、、。というか、言うと大抵、ムカッとされます。

だから、
「今日、お化粧ののりいいででしょっ?」

て言われても、はっきり言って、


、、、ゴメン、意味分からん・・・・・、ていうかさ、白いし、、、、。

というコメントしかできません、、、。
ホント、僕ほど化粧のしがいのない男はいないと思います。
申し訳ないんですけど、好みだからしょうがない、、、、。



さてさて本題は素材の話。

木、コンクリート、鉄。

この3つは、ケンチクを作るのに欠かせない素材であり、どれも好きな素材です。

そして少なくともこの3つの材料は、スッピンで勝負できる素材。

だから使うなら、できるだけ素のままがいい、といつも思います。
もちろん、スッピンだと、錆びたり、汚れたり、、、、マイナスの面もあるんですけど、、。でも、それも含めていいと思うんですね。

という訳で、木や、コンクリートについては、できるだけ素肌を生かしたスッピンな使い方をさせていただく事が多いのですが、鉄が意外と難しい、、、、。


錆びていく鉄はカッコいいと思うんだけどなぁ・・・。


さて写真は現在、計画中の、阪本さんの家のリフォーム。

なんと、阪本さんは、建築金物屋さんなのです。
すぐ隣りに工場もあります。

そこで、ダメもとで、

「あのですね、、せっかくですし、本棚とか、階段とか、できるだけいろいろ鉄で作っちゃいましょうよ、工場も隣りですし,,,,。しかもみんなスッピンで,,,,。」

という御提案をさせていただきました。

114sakamoto.jpg


この念願のワルノリに、阪本さんもおおいに乗っていただいて、現在進行中です。

でも、もちろんただフザケている訳ではないんです。

新築なら別ですが、
この建物は、築20年のコンクリート造。
30年の歴史がしっかりと刻まれています。

それをうわべだけ、こぎれいにお化粧してみても、たぶん、なんか表面的でバランス悪いと思うのです。それよりも、その築20年という歴史をそのまま受け止めるような材料の使い方、その歴史と勝負できるような材料の使い方をする方が良い空間ができるのでは?と思っているのです。

それがきっと、リフォームの面白さじゃないかと思うのです。

そんな訳で、秋頃着工予定で進行しているのですが、先日お打ち合わせに伺ったら、
なんと、鉄の本棚の試作品を阪本さんが作ってくれていました。

実物の試作を見ながら検討できるなんて、なんというゼイタク、、、。

そんな訳で、皆でおおいにワルノリしながら、
スッピンな鉄を楽しめる空間を作っていきたいと思っています。

お楽しみに。


115sakamoto.jpg
posted by 西久保毅人 at 00:54| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月17日

夏・甲子園

夏、といいえば、甲子園。


たぶん、全国の高校野球ファンにとっては、今年ほど物足りない甲子園はないのかも知れませんね。

中田は、出てこないし、大阪は負けるし、駒大苫小牧は初戦で負けるし、、、、、、。

でも、はっきり言って、僕には全然関係ありません。


しかも、僕的には、今年、最高に盛り上がっています。


そう、佐賀北が勝ち残ったのであります。

しかも、甲子園で2回も勝って・・・・・。

しかも、2回戦では、延長15回再試合という、足すと24イニングの熱戦を戦って・・・。

まあ、弟の高校なので、大っぴらには喜べませんが・・・・・。


そもそも、佐賀県の高校が、甲子園で勝つ、という事がめったにない。

やっぱ、甲子園って、全国ですし、ダルビッシュやマー君みたいな、将来プロ野球を背負うような逸材がウヨウヨしている舞台です。

そんな大舞台では、控えめな県民性の佐賀人は、なかなか活躍できないのが悲しい現状。
だから、毎年、出ても、大抵1回戦負け,,,,。

だから、甲子園に出るところまでは、結構盛り上がるんですが、出たあとは、意外と盛り上がらないんですね、負けちゃうから,,,,。


しかし、今年の佐賀はどうもいつもと雰囲気が違います。

とにかく、全国にビビっていない。

ホント、試合運びが堂々としています。

まさか、自分たちが、甲子園で、延長15回の再試合をするなんて、夢にも思っていなかっただろうね。きっと、想像や、限界を超えた戦いだったんだろうね。
それを、彼らは勝抜きました。


大舞台の、その試合の中で、彼らはどんどん成長していっているのでしょう。

伸び盛り、スポンジみたいな高校生。
甲子園の大舞台のプレッシャーをエネルギーに変えて、彼らはものすごい成長を遂げるのでしょう。

たぶん、疲れなんか感じてないはず。

それよりも、あこがれの甲子園で、一試合でも多く試合をしたい、そんな気持ちしかないでしょう。


さあ、明日はいよいよ、全国区の前橋商との3回戦。


負けるな、佐賀北校。


まぁ、弟の高校ではありますが、、、、、、
まぁ、わが佐賀西校が、県大会で負けた高校ではありますが、、、、、


今年ばかりは応援しよう。


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posted by 西久保毅人 at 00:44| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月20日

この夏の奇跡

話題はもう、もちろん、甲子園。



佐賀北です。


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まさか、まさかの帝京撃破。
あんまり興奮して、テレビを写真にとっちゃっいました、、、、、。



ついに、ベスト4です。

監督も、選手も、みんながインタビューで口にする


「夢のよう、、、」という言葉。


いいかげん、インタビュアーも、

「まさか、、、と、夢のよう、、」が多い佐賀北のコメントですね、、、

と多少困っている感じですが、


すみません、たぶん、コメント慣れしてないんです。佐賀人は、、、、。

たぶん、テレビでコメントする予定はなかったんです。もともと。


そして、選手はもちろん、佐賀県民もみんなそう思っているのです。。。。




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さて、昨日の帝京戦。
甲子園の舞台で、加速度的に成長し続けている選手達以上に、何か、見えない力が北高を後押ししているように思えてなりません。


たぶん、負けた帝京の選手達は、なんで負けたか、よく分からないのではないでしょうか?
たぶん、10回試合したら、9回は負けるような、そんな相手です。

たぶん、根本的なレベルが、全然違う相手です。

そして、佐賀北ナインにとって始めてのゼンコクという大舞台。

僕も、夢を見ているような、気がしてなりません。
でも、この、

不可能を可能にしてしまう力、

きっとこれが、青春なのでしょう。。。。。。。。ジジくさ、、、、。


まだまだ青いからこそ、どこまでも伸びてゆける可能性。
まさか俺たちが,,、、と心底思っているからこそなれる無心。




帝京戦は、ホント、なんで負けないのか不思議なくらいの展開でした。
何度も、何度も、決定機をつくられ、何度も何度も、奇跡のようなタイミングのプレーでそれを阻んできました。

121.kitakou.jpg



と、
もーーーう、書き出したらきりがないけれど、

こんなにお酒のうまい夏はありません、、、、。



しかし、夢の舞台は、駆け足で過ぎていきます。
残すところ、明日とあさってのあと二日。



もう、ホント、あとは、勝っても負けてもどっちでもいいから、

気負わずに、

この夏の伝説になるような、

一生の宝物になるような、


そんな悔いのない全力プレーで、甲子園という夢の舞台を楽しんでほしいと思います。


がんばれ、北高。


あーーー、甲子園行きたい、、、、、、。


、、、、、、一応、設計事務所なんですけどね
、、、、、。






posted by 西久保毅人 at 17:37| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月21日

この夏の奇跡 2

ふーーーーーーっ。






ついに、来ました。


もう言葉はありません。







、、、、、、、という訳で、明日、行ってきます。


どこへって?




それは、もちろん、






ピリオドの向こうへ、、、、、、、、。






123.kitakou.jpg



・・・という訳で、明日、西久保は急用のため、、、、、、


つまり、戦後の関西地区の都市計画における、スタジアムの役割の現地調査および、
真夏の決勝戦における、思春期の高校生の集団行動心理の実態研究、のため、



不在となります。




、、、、、、仕事は帰ったらします。


.
posted by 西久保毅人 at 23:23| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月28日

文脈

さて、甲子園の感動が、さめやらぬ今日この頃、、、、、、。

たまには本業、ケンチクの話。


物事には、必ずその背景になる文脈があって、それを読み解き、その流れの中に新しいモノをそっとおく事。

それが、設計だと僕は考えています。

だから建築に限らず、いろんな物事の背景に自然と興味がわきます。
興味がある人や、出来事があると、ひたすらその背景を読みあさる、、、、。

そんなタイプです。

結果よりも、むしろプロセス。

だから、
極端に言えば、僕が設計させていただく建築も、その脈々とつづく文脈の一部だと考えています。

さて、という訳で、新しい設計のお仕事を頂くと、まず、一生懸命に、その産まれてくるケンチクの背景となる文脈カンサツに一番集中力を注ぐのですが、それは、ご家族の生活像、どんな土地で生まれ、育ったのか?、土地の周辺環境、どんな社会背景か? そして佐賀つながりがないか?、、、、等など、、、割とくだらない事まで含めて頭に詰め込みます。

そして、お施主さんが、「そ、そこにあえて食いつかなくても、、、、っ。西久保さん、、、、。」

というような事に限って、なぜか僕には興味がそそられるのです。

いろんな設計者がいるとは思うんですが、僕は、とにかく、そんな事に一番興味があって、設計は、いわば、そのカンサツのレポートみたいなものなのです。

さて、写真は、進行中の白柳さんの家。

この住宅は、お施主さんが生まれ育った120坪程の敷地の一部に、小世帯の住宅を作るというプロジェクトです。

131.SIROYANAGI.jpg

戦後、瓦屋根の平屋が建っていた場所に、増築に増築を繰り返した大きな家。
増築の、全ての形跡が、そのまま形として残っています。

今も、一部残る、瓦屋根。

平屋の屋根の下は、おばあちゃんのバイオリン教室。
何十年も、そこから眺めてきた庭の風景。

屋根の上に、孫達が登る新しい営み。

この土地を住み継いでいく事を決めた、ご家族の思い。

そして、何十年か後に、きっと今度はこの建物が文脈の一部となって、
また、繰り返される増改築。

そんな、「これまで」と、「これから」の長ーい流れを想像しながらの計画。


、、、、、すみません、ひろいリビングとか、アイランドキッチンとか、何畳とか、いろいろご要望を聞いたのは、聞いたんですが、、、、、、とりあえず、僕の頭の中は、そんな妄想で一杯、一杯。。。。。

中でも、バイオリン教室のおばあちゃんの椅子の場所、
何十年も、庭を眺めてきた、おばあちゃんの椅子の場所が、どうしても気になって、
そこから設計を始めてしまいました。。。。。。。

こんな、広ーい、敷地の中で、おばあちゃんの椅子の場所から、全てを始めるなよ、、、、。と言われそうですが、白柳さんにも、おばあちゃんにも、共感していただき(たぶん、、、、)、なんとか、一つの形にたどりつきました。

気がつくと、白柳さんのご要望も、全て満たされている一つのかたち。

やっぱり、甲子園に行ったかいがあるってもんです。

着工は、まだまだ先ですが、これからが楽しみな計画です。

130.SIROYANAGI.jpg


そして、忘れてはならないのは、僕の文脈。

今まで、たくさんの住宅を設計させていただいた中で、つかんだ確信や、実感。

すべての「これまで」の仕事の上に、「これから」の仕事があるという事。
それは、必ずいつも意識していたいと思っています。

たぶん、以前は自信を持って提案できなかったであろう、形や空間。

でも、今は、確実に、よくなるはずだと実感をもって押し進められます。

経験が、不自由さへつながるのではなく、さらなる自由さへとつながるという事。


なんか、そんな事を出来上がったプランを見て、ふと思いました。


文脈は、時に「自由」を束縛する「不自由さ」だと思われがちです。


しかし、逆に僕は、不自由であれば、ほど、最高にハッピーな世界へのチャンスだと
確信を持って思うのです。

すべては、繋がっている。

甲子園も、設計も、、、、、。

posted by 西久保毅人 at 01:34| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月05日

おもさ

素敵なお葬式、という言い方が好ましいかどうかは分かりませんが、
そんな、自然と涙が溢れるお別れの場に、立ち会わせていただきました。



それは、20人弱の、小さな小さなお葬式。

93歳の大往生のおじいちゃんを、

長年連れ添ったおばあちゃんが送る。

世話になった孫が送る。

息子が送る。



おばあちゃんは、故人に対し、生前と同じように語りかける。

64年間連れ添った二人には、
きっと生と死の境目など、なんの意味もない。

冷たくなった肉体も、
二人の中では、ただ今だけの、一つのふるまいのよう。



「よくもまあ、63年間も、飽きずに一緒にいたわよねぇ、、、私たち、、まったくね。」



おばあちゃんから発せられる全ての言葉は、愛に満ちていて。。。。。。





出棺の際、棺を運ばせて頂きました。


始めて感じる死のおもさ。

そのおもさに、自然と涙があふれました。





なんの飾り気もない、小さなお葬式。
その飾り気のなさに、逆に、ご家族の、故人への敬意と満たされた日常を感じました。



きっと、飾らない愛情に満ちた、素敵な家族だったんだろうな、、、、、。



そんな、素敵なお別れの場でした。

ご冥福をお祈りします。
posted by 西久保毅人 at 00:33| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月06日

台風

だんだん台風っぽくなってきました。

ケンチク業界にとって、大風や、台風は、天敵です。

今日、佐藤さんの家の現場に行ったんですが、現場は監督さん達が、しっかり台風対策をしていました。


物がとんだり、雨が入ったり、、、、、。


とにかく、極端な天候は、想像以上の事が起こる可能性がありますし、
たぶん、そんな意味で建築現場が一番危険な場所です。


まあ、でも東京はなんだかんだと、いつも大した事はないですけど、
僕の実家の佐賀なんかは、毎年、どこかで屋根が飛び、家がつぶれ、、、、
という感じなのです。



とはいえ、建築は、立ち上がった瞬間から雨風にさらされるものです。
だから、雨風に対しての工夫が建築の歴史でもあると思いますが、
どうしても、予期せぬ事態、というのが起こってしまいます。


恥ずかしながら、僕が設計させた住宅でも、今まで数回、雨漏りというのが
起こりました。



だから、エラそうに「雨漏りは絶対しませんね、エヘンっ」

なんて、エラそうな事は言えません。

万全と思っていても、起こる時は、起こるものです。
原因は、様々ですが、その都度、勉強させていただきました。
そのような事は、大抵は、完成してすぐに発覚するので、すぐに直してもらって、
今のところ、雨がもる予定の建物は、ありませんけどね、とりあえず。。。。。



しかし、やっぱり、今日みたいな台風待ちの日は、なんだかソワソワします。


建てさせて頂いた分だけ、ソワソワは増えます。

最初は、1.2件だったのが、だんだん増えてもう、20件以上。
工事中の物件もありますし、、、、、、。



だから、とりあえず、全てを頭の中で、巡らしてみます。。。。。。



まあ、今想像する範囲では、何にも起こらない予定ですけど、、、、、



やっぱ、台風だしなぁ、、、、、。



まぁ、何もないのが一番ですけど、、、、、


何かあったら、ご一報を。











posted by 西久保毅人 at 22:55| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

ちいさく ひくく ほの暗く

さて、今週末は、佐藤さんの家のオープンハウスです。
屋上にも、ちらほら、草が生えてきました。

135.satoutei.jpg


大抵、家作りを考えている方は、

少しでもひろく、少しでも高く、そして、少しでも明るく、

と口を揃えて言われる事が多いですね。
別に、悪い事ではないんですが、雑誌なんかでも、

広いリビング、
吹き抜けの大空間、
狭小地でこの明るさ、

この3つをいかに獲得したか、という事が大抵話題の中心です。


正直、単純にこの3つだけを獲得するのは、設計者としてそんなに難しい事ではありませんし、それだけで良ければ、結構ラクなもんです。
でも、都市住宅において、それが必ずしも良いか?というと、そういう訳ではありません。



実際、人間の空間カンカクって、結構だまされやすいものなのです。



例えば、2m40pという標準的な、天井高に暮らしている人はとても多いので、
「少なくとも、新しいうちは、2m40p以上は・・・・」
なんて、言われる事が多いです。
でも、実際、その寸法だから、せまく感じているのではなく、空間のコントラストがないから、せまく、低く、感じているのです。

だから、実際は、空間構成によって、同じ寸法でも、低くも高くも感じる事ができますし、いろんな寸法設定をする事で、同じボリュームの空間でも、移動するたびに、ワクワクするとても奥行きのある空間にする事ができます。

133.SATOUTEI-.jpg

それって、野球のピッチャーの投球術にも、似たところがあります。
例えば、150キロの速球でも、投げ続けると、バッターも目が慣れてきます。
でも、そのピッチャーが、90キロのボールと、速球を使い分けたとたん、バッターは
きりきり舞いです。
内角にズバッと決まった速球の後の外角の球。
コントロールの良い、そんなに球の早くないピッチャーが、バッターをきりきり舞いにさせるシーンも、緩急のコントラストで、的を絞らせないんだと思います。

きっと、要は度胸なんでしょう。
緊張感のある試合の中で、やっぱ、90キロの球を投げるって、かなり度胸がいります。
だって、、、遅いですよね、、、90キロは。さすがに。


それは、ケンチクも同じで、2mを切ったような天井設定って、度胸がいるのです。
だって、低いですし、、、、、手もついちゃうし、、、、。


無難に、全部2m40pにしておけば、なんの苦労もないのに・・・・・。


と自問自答しながら、日々、設計をし、現場で確認します。


でも、ぎりぎりに絞り込む事で、生まれる素晴らしい世界がある事を、僕らは身をもって知っています。

要は、コントラストなのです。


人間のカンカクは不確かなので、高さ、広さ、明るさのコントラストで、いかようにも空間の感じ方が変わってしまうものなのです。
たいてい法規によって、建てられるボリュームって決まってしまいます。
だから、そのボリュームの中で、どうコントラストをつけるか?



度胸ですね、、、、。


さてさて、今回の、佐藤さんの家は、そんな寸法を考えるのに、とても有意義な仕事でした。


「あの、小さな家をお願いします。
背の高い現代人に合わせて作られた空間は、天井も高くて、扉も大きくて、背の低い私にはとっても疲れるのです。。。。。。。
だから、私のサイズにあった、小さな、安心できる家が欲しいのです。。。。。」


身長152pの佐藤さんにとって、居心地のよい寸法ってどんなだろう、、、?

広い事も、高い事も、特別に明るい事も求められない空間で、どんなコントラストをつけたらよいのだろう、、、?

そんな事をひらすら考える機会を頂きました。

136.satoutei.jpg


先日、もう、ほとんど完成した現場にて、

「いやー、この家にいると、2m40pってすごく高いねー。」

と、監督のヤマガタさんがしみじみおっしゃっていました。



ちいさく ひくく ほの暗く




完成まで、もうちょいです。







posted by 西久保毅人 at 22:49| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月16日

オープンハウスの夜

今日は、佐藤さんの家のオープンハウスでした。

晴天で、最高の日。

いい、一日。


138satouitei.jpg


佐藤さんも、喜んでくれて、

チャレンジした外壁は、「うちも、これにして下さいっ」て言われて、

今まで作らせて頂いたご家族も、来て頂いて、、、

進行中のご家族も来てくれて、、、

大きい人は、ちゃんと頭をぶつけてくれて、、、、。

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佐藤さんがおっしゃった、

「みんな、与えられたもので満足してる気になってるだけなんですよ、実は、、、。」

って、言葉が、とてもとても、心に残りました。。。


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、、、、そう、かなり酔っぱらってるさ、、、、今。

だって、オープンハウスの夜だから、、、、、。




じゃあ、寝ればいいのに、、、、、。

だって、オープンハウスの夜だから、、、、、。





何か書かずにいられない。

だって、オープンハウスの夜だから、、、、、、。





佐藤さん、こんな夜を、ありがとうございました。
posted by 西久保毅人 at 01:25| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月12日

はなはなはなと磯の香り

158hana.jpg

今日、進行中の「白石さんの家」に行ったら、
なんか、入った瞬間、磯の香り。

住宅の現場はたくさん経験してますが、海のにおいのする現場は始めてですね。

なんじゃ、このにおいは、、、、?と思っていたら、内装の仕上げ材に使用している
貝てきパウダーの仕上げ中でした。

159.hana.jpg

貝てきパウダーというのは、貝殻を原料にした漆喰のような材料です。
見本は見てたんですが、見本はにおいしなかったんだけど。。。。
たぶん、乾いたらにおいはなくなるんでしょう。
でも、磯の香りのする材料なんて、かなり、白石家っぽい材料で、いい感じですね。
においは予想外でしたけど、、、、。


しかし、、、、、、、住宅の現場で、磯の香り、、、、、、、。


めちゃくちゃ、違和感がありましたね。
浜辺の近くの家ならまだしも、です。


この違和感をなんとか伝えられないものか、、、、、、?


160.hana.jpg


という訳で、昨日撮った、お花の写真と磯のはなし。

まあ、違和感があればいいってもんではないですけど、、、、、、、。







posted by 西久保毅人 at 00:06| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月23日

よじのぼれ、こども達!

先週末、白石さんの家のオープンハウスを行いました。


168.sirais.jpg



「個人に属するスペースはいりません。」



白石さんの家は、そんな言葉から始まりました。


そんな白石さんの家にお邪魔した時の事は、とても印象的でした。
小学生の3人のこども達がいるのですが、
父ちゃんが作ってくれた、小さな小さな子供用の机を、その時々で自分が好きな場所に持ち歩いて、そこで勉強やお絵描きをするという事でした。
机っていうよりも、スケッチ大会の画板のようなイメージが近いかな?


そして、お母さんのそばで宿題をしたい時は、そこに机を持っていき、隅っこでこそこそしたい時は、隅っこに持っていき、、、、、、とその時々、その季節、気分で自分の場所をつくっていく、そんな生活をマンションで自然に実践されていました。



そんな生活を見せて頂いて、


「なるほどー、これはたのしいぞ。」


と思ったのがこの家の始まりです。


なんとなく、ダラーっと全体が繋がっているんだけど、薄暗い場所、低い場所、隅っこ、明るい場所、、、、など、いろんな質の場所を作るのがいいかな。そんな名前はないけど、いろんな質の場所だけ作って、それを白石家に渡してしまえっ。

その空間を舞台に、こども達の成長にあわせて、親も一緒になって、長い年月をかけた「陣取り合戦」が毎日繰り広げられるような家。

そんな家が白石家には、ピッタリだと思いました。

さてしかし、そんなビッグコンセプトを掲げても、1階、2階、3階、、、という階で空間を分けてしまっては、面白くありません。階は、明確に領域を分けてしまいます。


うーん、

と悩んだあげくの結論は、、、、、
スキップフロアでした。
しかも、ただスキップしているだけでは、白石家に失礼でしょう、、、、。

という訳で、
床と床の段差を、

「こども達が自力で、よじ登れる高さのスキップフロア」

にする事にしました。



「白石家のこども達よ、一応、カイダンってものをつけなきゃいけないんだけどさ、
君たちなら、階段なんて使わないで住んでくれるだろっ、信じてるぞ!」



という、あつーい、メッセージを込めて。

1.2Mだとちょっと高いかな、、どうかな、、、と少し不安だったんですが、
結果はというと、写真の通りです。。。。。

168.siraisi.jpg

ちょうど、夕方、こども達の友達含めて、10人くらいのこども達が集まったんですが、もう、期待通りによじ登ってくれました。


逆に、


「あの、、、一応、階段もあるんですけど、、、、。」


といいたくなるくらいですね。。。。
みんな、汗だらだら、、、。

169.siraisi.jpg


ちょっと、住宅にしとくにはもったいないくらい、楽しい空間です。

この家については、もっとたくさん、言いたい事あるんですが書ききれないので
それはまた次回に。


こんな楽しい家を設計させて頂いて、白石さんご家族には、ホントに感謝です。
できれば、西久保家5人家族にも、1年くらい住まわせて頂きたいです、、、、。






posted by 西久保毅人 at 00:30| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

和田さんの家上棟

千葉で進行中の「和田さんの家」が上棟しました。

170.wadatei.jpg


いつもの事ですが、この家も、和田さんご家族と、この場所と、
出会ったからこそ生まれた すがた、かたち をしています。

最終案にいたるまで、あーでもないこーでもない、といくつもの実現しなかった案がありました。ですから、上棟の日というのは、僕らにとっては、


「よし、この案がやっぱり最高だったよーっ。大正解っ!」


というのを、実感として始めて確認する日でもあります。

もちろん、ある程度は、想像力を駆使して設定していくのですが、やっぱり想像は想像。
怖い部分も多少はあります。

「ここからは、あっちの抜けが感じられるはず、、、。」
「ここからは、あっちの緑がみえるはず、、、、、。」

いろんな場所でイメージしていた事を、始めてその場、その高さに立って確認できる日。

それが、上棟の日です。

まだまだ壁のない骨組みの上に立って、そこからの景色や、空間のつながりを確認します。

172.wadatei.jpg


で、結果は、、、、、、、、、

もちろん、最高でした。

気持ちのよい、そして何より、和田さん一家ならではの楽しい家になる事間違いなし。

そんな確信を得た日でした。



家を構成する要素は、たくさんあって、
仕上げや、設備、こまかなディティール、御要望、コスト、、、、、、と、たくさんの複雑に絡み合う条件をまとめあげる事が設計の仕事です。


ただ、複雑な要素をずべてはぎ取ってもなお、残るケンチクの骨格。

和田さんご家族らしさを、一言で言い切るような強い意志をもった すがた。


そんな初原的な魅力をもったケンチクをいつも目指しています。


上棟後は、和田さんご家族のお気遣いで、その場で上棟式とお食事を頂きました。
だんだん寒くなってきましたが、やっぱり、上棟の場で、ご家族、職人さん、設計者と一緒になって、飲んで、食べて、にぎやかに過ごすのは最高ですね。



なぜなら、家は、飲んで、食べて、にぎやかに過ごす場所なんだから、、、。








posted by 西久保毅人 at 00:24| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

若杉さんの家

去年お引き渡しをした、「若杉さんの家」の1年点検に、
担当の遠藤君、監督の関さんとともにうかがいました。
どうやら今日は、世の中、勤労感謝の日、らしいです。。。。


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点検、といっても、結局は久々にうかがうお住まいで、美味しい手料理を、さんざんごちそうになり、僕はといえば、修学旅行の学生のようにいろんな場所に座ってみては、ぼんやりと設計中の事、いろんな事を決めていったプロセスを思いかえしていました。


どんなに手塩にかけたおうちでも、引き渡してしまえば人のもの。
そんな僕らにとって、設計させて頂いたおうちにお邪魔するのはドキドキしますし、実は一番の勉強の機会でもあるのです。


さて、久々にお邪魔した若杉さんの家は、いくつかの補修工事や反省点はありましたが、とっても大切に、愛情をもって住んで頂いているという事がとっても伝わってくる、そんなおうちになっていました。


引き渡しの時よりも、だんぜん素敵な空間。

1年経って、そんな風に思える事はとても幸せな事です。

そして、その「 素敵さ 」や

改めて「 いいなー 」って思えるカンカク。

それが、何によってもたらされているかを、ずーっとぼんやり考えていました。


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だから、実は、点検から帰って、一番最初に、若杉さんから届いたメールを読み返してみました。

そこには、ずいぶんまえに書いたこの文章の中の、「おうちやさん」としての僕に期待して頂いている事が書いてありました。

1年後のおうちにお邪魔して、なんで「いいなー」って、思えるか?

その理由は一つしかないと思います。


それは、「若杉さんに似合っているから。」


先日完成した「佐藤さんの家」にしても、「白石さんの家」にしても、
「似合ってる」から、いいなーって思える。

「似合ってる」から、かっこいい。


これからも、そんなおうちを設計していきたいとつくづく思いました。


お子さんの成長とともに、
これからもずーっと変わっていくんでしょうけど、


僕の中では、1年過ぎた今日、「 若杉さんの家 」は完成しました。

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posted by 西久保毅人 at 00:45| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月18日

手のアト

現在工事中の阪本さんの家のリフォームがいよいよ追い込みです。

マンションの2層分をぶち抜いて、そこに建築金物業を営む阪本さんご自身の
制作による、巨大な鉄板の本棚を設置します。

すぐそばに工場があるので、現場に行くたび工場を見せてもらいます。
着々と、鉄板本棚ユニットが作り上げられています。


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2.3ミリの黒皮鉄板を、ひたすらグリッドにくんで吹き抜けに積んでいく、、、、
と、口でいうと、

「かるーーーい」

感じですが、実際は、鉄板だから、かなり

「おもーーい」

事になっています。。。。。。

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この写真のユニットだけでも、70〜80キロでしょうか?

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それが、壁面中に、どーーんと積まれていきます。
2層分約5.5m、どーーんと積まれた姿は、きっと圧巻でしょう。


どーーん、


も口でいうと「かるーーーい」ですが、、、、、、。

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黒皮のままだから、溶接跡や擦れたムラとかたくさんあるのですが、
それが無垢の鉄板の迫力をだしていて、かなりカッコいいのです。


この工事はリフォームのため、壁をはがしたそのあとには、GLボンド跡やら、工事の時の
手書きの通り芯やらが、たくさんありました。

それらは、昔建物がつくられた時の職人さんたちの手の跡。

それが残ったままのコンクリートの壁面は、新築では獲得できない迫力があります。



鉄に残った阪本さんの手のアトと

コンクリートに残った手のアト。




その組み合わせがとってもかっこ良くて、

棚のうしろは、

そのまんま仕上げとしました。



新春には、オープンハウス予定です。
お楽しみに。







posted by 西久保毅人 at 23:44| 2007年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする