「住宅」なんていう建築は無くっていいんじゃないか?
まもなく完成間近の「小松さんの家」の現場にて、
久しぶりに日が暮れるまでのんびり過ごしながら
久しぶりに日が暮れるまでのんびり過ごしながら
ふとそんな言葉が浮かびました。
とてもいい空間になりそうで、小松さんに求められた家族の居場所に少しは近づけたのでは?
と嬉しい気持ちがふつふつと湧いてきて、、、、、そんな時に浮かんだ言葉です。
僕の仕事柄、「えっ??」って思われる様な、
「そんな事言っちゃっていいの??」と思われる言葉かも知れませんが、
「そんな事言っちゃっていいの??」と思われる言葉かも知れませんが、
僕の中ではとても腑に落ちる言葉でした。
そもそも「住宅」なんていう言葉は、建築のタイプとして誰かが勝手に名前をつけちゃっただけのものです。
リビングルームとか、ベッドルームとかユーティリティーとかみたいな部屋の名前も同じ。
リビングルームとか、ベッドルームとかユーティリティーとかみたいな部屋の名前も同じ。
そういうのは本当はただの概念でしかありません。
名前をつけたのは、きっと住宅を商品として販売したいメーカーだったのかも知れませんね!
カテゴライズしたほうが、販売するためのキャッチコピーが作りやすそうです。
いやもしかしたら学者さんかも知れません。
分類するのが学者さんの仕事ですから。
分類するのが学者さんの仕事ですから。
でもその分類されたイメージが浸透しすぎた事により、
本当に居心地いいかどうかよりも、
「リビングが天井低いなんて!1センチでも高くしてください。」
とか
「リビングだけはこだわりたいのです、、、。」
とか、
「奥様のユーティリティーは、キッチンと隣接させて家事動線を、、、」
なんていうように皆が考える様になりました。
そもそも「住宅」なんていう建築は存在しません。
なのに誰もが「住宅っぽい住宅」を建てなくては、っていう呪縛から
建主家族も、設計者も逃れるのが難しいのが現状です。
建主家族も、設計者も逃れるのが難しいのが現状です。
どこにだって住めるのになぁ、、、、
っていうのがずっと変わらない僕の考えです。
っていうのがずっと変わらない僕の考えです。
倉庫だって住めば家になるし、お店だって学校だって、洞窟だって、
自分のものが置けて、プライバシーが守られていて、雨風がしのげれば
どこだって家になる事が可能です。極端かもしれませんが、
「住宅っぽい」だから家になる、っていうよりも、「住みたい」と思えばどこだって家になるのです。
だから「住宅」であることよりも、「住みたい空間かどうか?」「居心地いいかどうか?」が
一番大切なポイントなんじゃないかなーと思いながらこれまでも仕事をしてきました。
一番大切なポイントなんじゃないかなーと思いながらこれまでも仕事をしてきました。
だから、僕は「住宅」を設計してあげよう!なんて考えて設計した事は実はいまだに一つもありません。
その代わりに絶対に住んで気持ちいい空間を作ろう、という事は一生懸命考えてきましたし、
「この家族の住みたい空間ってどういうのだろう?」っていう事は精一杯考えてきました。
時にはそれが一般的な「住宅」っぽくなくったってそれはどうでもいいのです。
それが家族が「住みたい空間」であり、「気持ちのいい空間」でありさえすれば!
そんな風に思ってこれまで設計の仕事をしてきたように思います。
そうそう1年以上前、小松さんに設計を依頼された時に、
「仕事忙しいから別荘を建てようかとも思ったけど、それを家で感じられたら最高かなーって思って、、、。」
というような言葉がとても印象に残りました。
そんな経緯で設計を頼んでいただきました。
別荘とかリゾートって、自然の中で非日常を感じて、気分を解放してリフレッシュするために
わざわざ行くところですよね。
それを毎日過ごす「家」に求められるとしたら、、、、、僕たちは何をしたらいいんだろう?
そんな事をずーっと考えていました。
それはいわゆる「住宅」としてこういうものだ、と思い込まされている空間やインテリアやしつらえから、
逃げ切る事にヒントがあるように思っていました。
逃げ切る事にヒントがあるように思っていました。
もしかしたらこの住宅のプランや、選んだ仕上げ材や、お風呂場のあり方など、
いわゆる「住宅」では選ばない方法を選んだところが多かったかも知れません。
でも気持ちいとか、心が解放されるとか、居心地が良いとか、、、、そんな体感に向かっていけば
正しいに違いない、と確信を持って進めました。
「住宅」っぽくはないかも知れないけれど、
小松さんが手に入れたかったのは日常の中にあるこういう空間体験なのでは??
ちょうど先日、
日が沈んでいく現場で一人過ごしながら、なんと居心地がいいんだろう、
もしかしたら少しは手が届いたかもしれないぞ!という
充実感がありました。
同時に、
「あーよかった!住宅なんて目指さなくて!」
という想いがふっと浮かんできたのです。
「住宅」というくだらないもの。
でももしかすると、本当に気持ちの良い空間を目指す時の真逆の存在としては、
大きなものさしになるのかも知れません!
完成が楽しみです。