先日は成人式でしたね!
僕の二番目の子供の長男、リンタロも無事に20歳、成人となりました。
ちょうど、非常勤講師として工学院大学で教えている子達も20歳。
そんな学生たちと毎週一緒に学んでいて、いつも感じる事があるので
この機会に記しておきますね。
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おとこのこへ。
僕はみんなと同じ歳の20歳の子供がいます。男の子です。
だからみんなとケンチクの事を考えてて、いつもちょっと不思議な気分になります。
あのハナタレで動物みたいだった子供が、、、、と(笑)。

とはいえそんなやりとりをしていると、
「20歳くらいだと男と女がこんなにも違うんだなー」、っていうのをいつも感じますので
それを率直に書いてみますね。
今に限らずだけど、今年も設計課題の優秀作品で選ばれているのは、7割くらい女の子です。
これは今年だけじゃなくて、ここ10年くらい実はどこの大学でもおんなじような傾向にあります。
不思議な事に大学4年生くらいになっていくにつれて,
少しずつ男の子も頭角を現すようになるんですが、
大学2年生くらいまでは、どうしたって女の子には敵いません。
たったの2、3年なのにどうしてこんなにも違うんだろう?っていつも思うのです。
そもそも女の子って、、、、
子供の時から字もたいてい上手ですよね!
そしていろんなコトを知ってるし、実際に考えてるよね!
僕も、女の子も男の子も両方子供がいるんですが、
やっぱ、女の子のほうがおませさんで視野が広くて早くからいろんな事を現実問題として考えてる気がします。
それに引き換え男は、、、、やっぱバカですよね(笑)。これはいつの時代も同じです。
最近はジェンダーについてもいろんな考えがあって、それはそれで良いのだけれど、
性差って確実にあるのだなーというのは、いつも感じる事実でもあります。
これはもう、なんていうかどうしようもありません。
女の子の方が、子供の頃から遊びにしても、生活環境に目を向けて自分事として考える時間が長いからかも知れません。
おしゃれに目覚めるのも早いしね。読書量も多い気がする。
おしゃれは工夫と組み合わせの産物だから、自然とデザインのトレーニングにもなってるだろうし。
それに引き換え、男は大抵いつまでもマザコンで、自分の生活のほとんどをお母さんに頼っているような傾向にあります。たぶん。
だから、男の子は遊びとか、部活とか、好きな事だけを四六時中考えて育つ子が傾向としては多いでしょう。
だから家庭にもよるとは思うけれど、大雑把には男の子と女の子は、
同じようで、20歳くらいまでは実はずいぶん違うのです。
でもその差は残念ながら、受験勉強みたいな教科書ベースの勉強ではあんまり露呈しません。
大学生になって建築学科みたいに急に、自分で作品を考えろ!って状況になって
はじめて露呈してしまう事でもあります。
そんな中、時々優秀な作品を作る男の子ももちろんいます。
そんな子たちの話を聞いてると結構おませさんで精神的な成熟が早く、女性的な感覚も持ち合わせているなーと
感じます。建築を考えることは、住宅に限らず生活体験や想像力がとても大切だからです。
そういう意味で、ほとんどの20歳くらいまでの男の子は、生活体験やそれにともなう想像力が圧倒的に足りないから、
急に作品作れって言われても、できない訳です。
またここ10年くらいの大学生の傾向としては、自宅生が増えているのも特徴です。
つまり、自宅の男の子の大学生は、高校生の時と生活が変わらない人が多いのです。
だから、なかなかそういう自分の目、っていうのを持ちにくい環境にいると言えます。
どうせ洗濯もご飯もお風呂も、親に準備されたものなのだろうからね。
だから、僕の男子成長法アドバイスその1は、「環境が許すならさっさと実家を出なさい」、という事です。
もう一つ、
建築を考えることは相手の事を想像したり、相手の立場になる気持ちが必要です。
建築ではその相手が街だったり住む人だったり、利用者だったり、社会だったり、、、と多方面に渡りますが基本は同じです。
早くから良い作品をつくる男の子は、そういう感覚に敏感で優れていますが、こういう感覚はすぐに身につくことではありません。
そこで手っ取り早い方法。それは恋愛する事、彼女を作る事だと僕は思っています。
これも、結構真面目な話です。
だから2つ目は、
「男子諸君。勉強の前に、彼女を作りなさい。」です。
彼女がいたら、嫌でも自分以外の他者の事を考えてしまいますし、彼女に好きな気持ちをどうしたら伝わるだろうか?ということも
いやでも毎日毎日考えるものです。(たぶん)
失恋も大切です。失恋は、自分の至らなさを痛いほど感じさせてくれますし、じゃあ次はどう伝えたらいいだろう?という
思考でいっぱいになるでしょう。
そう恋愛は、「想像力とブレゼン力」を驚くほど成長させてくれるのです。
以上は、僕が昔から本気で考えている「男子成長法」なんですが、
いづれにしても、男の子の成長は女の子に比べて遅いというのはまぎれもない事実のように思います。
でもほんと不思議な事に、22歳〜24歳くらいになると、いろんなきっかけで覚醒しだす男の子が
増えて来るというのもまた事実です。伸び始めると受験勉強でもそうだけど、男の子の方が伸びる時の短期間での加速速度は速いです。
こういうの、不思議だなーと思いますが、性差ってやっぱりあるのでしょうね。
だから20歳くらいの女の子たちへ。
まわりの男の子がまだまだバカっぽくて、子供っぽくても安心できませんよ。
男の子は成長がただ遅いだけなのだから。
でも不公平感はやっぱりあります。最近の大学システムは男子がちゃんと成長するまで待ってくれたりしません。
おまけに最近の大学は、すぐに適正や進路を決めさせる傾向にもあります。
だから、成長の遅い男の子は入学早々にそんな波に飲まれて
「やりたいことを早々に諦めなきゃいけないのでは?むいてないのでは?」という
気持ちにさせられてしまう時代でもあるなー思もいます。
もちろんその段階、段階での成績や決断も大事は大事です。
でも、心の中に、「うーん、なんか違うなぁ、、、、。まだ分からないけど。」
っていう違和感がある場合は、ぜひその自分の中の違和感を大切にしてください。
そうです。
自分の中にある「モヤモヤとした形にならずに気持ち悪い違和感」こそが、あなたの個性なのです。
だからその違和感が、あなたを止める時は周りが進んでいても恐れずに止まってくださいね。
逆にその衝動が、あなたを突き動かす時は、衝動に素直になってくださいね。
それで恥をかいたり、悔しい思い、嬉しい思いをたくさん積み重ねてください。
大学の四年間、そして社会に出るのは全然ゴールではありません。
特に20歳から25歳までの5年間。そして30歳くらいまでの10年間はとてもかけがえのない時間です。
その時間に感じたこと、気づいたこと、想像できたこと、出会った人や物語が、その後の人生の全ての根っこになるのです。
だからその時間を大切にして欲しいなと思います。人生は長いのだから。
今、みんなが感じている劣等感や他人との間の差について、
今は絶望的に開いているように感じているかも知れません。
でも、5年後、10年後の自分から見返したらそんな差は、
本当に本当に、本当にたいした差ではないのです。ゼロに等しい。
だから今自分の中に沸き上がりそうな衝動や違和感を絶対に手離さないでくださいねー!
大人の言う事は、半分くらい聞いとけば大丈夫だから。
でも半分は、必ず聞くように!
いつでも耳を澄まして、全身のセンサーをビンビンにして、
「違和感」を受け止めてくださいね。答えを見つけるのは後回しで大丈夫だから。
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さてさて、
おとこのこへ
そんな訳で成人おめでとう!!!
いつか社会のどこかで。