2021年01月01日

あけましておめでとうございます!

9980.jpg


今年もよろしくお願いします。
posted by 西久保毅人 at 07:00| 2021年.1月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月08日

しっぽを振る牛

新年明けたと思ったら、東京は明日から緊急事態宣言です。
コロナ禍は、2020年で終わりだといいなーとぼんやり思っていたんですが、
残念。2021年も収束する兆しがなく、年始から出鼻を挫かれた感がありますねー。

出鼻、と言っても僕たちは設計事務所ですから、一週間とか1ヶ月という期間では、正直何にもできない商売です。
よくも悪くも。だから仕事上は急に、「じゃあ明日からデリバリー設計だ、UBER建築だ」、
なんていう事にもならないのです。僕たちの仕事は即興性や、即効性が著しく欠けた仕事だよなー、と昨年からつくづく考えます。
今考えている建築を実際にお施主さんに引き渡し、それが街に現れるのは、短くても1年以上先の事になるのですから。

だから、今の社会で起こっている事にも向き合いつつも、同時に1年以上先、そしてその建築が立ち続ける何十年も先の未来の
物語を同時に想像していかないといけません。コロナ禍が収束した先の未来。その未来は前と同じでしょうかね?
それとも全然違うんでしょうかね?

実は、今年でニコ設計室は、20年目を迎える事になるのですが、
10年目の2011年は、東日本大震災の年でした。そして20年目の今年は、収束の見えないコロナ禍の年。
10年ごとに、社会が大きく変わってしまうような出来事に直面するというのが、どうやらニコ設計室の宿命のようです。
しかもどちらも想像すらできなかったような事件ですので、事前に準備も対応もできるはずがありません。
でも不思議な事に、2011年に完成したISANAをはじめとした建築たちは震災後の人と人とのつながりを見直す未来を描く建築物として、
素晴らしい評価をいただくとともに、たくさんの素敵なご家族との出会いを加速させるきっかけになりましたし、
昨年、コロナ禍でステイホーム、テレワークを余儀なくされた新しい社会においては、
「ニコさんの家は、家にいるのに外や街にいるみたいだから、全然ステーホームが苦じゃないんですよねー」
というたくさんのお言葉をいただく事になりました。


正直僕は長い間ずーっとおんなじ様な事を考えているだけのような気がします。
例えれば1食を何度も何度も咀嚼する動きがのろい牛のようなタイプなのだろうなとつくづく思います。
あ、そういえば僕、丑年でした(笑)。

牛といえば、西加奈子さんの初期の小説「さくら」の中にさくらという名前の犬が出てきます。
嬉しい事、悲しい事、絶望、または平穏な日々。どんな出来事が家族に起きようとも、または起きなくっても
さくらはいつも変わらず家族に向かって全力でしっぽをふっています。
しっぽを振る、って日本語ではあんまりいい意味で使われる事のない表現ですが、
西加奈子さんはあとがきの中で「私は全力でしっぽ振ろうと思う どんな時でもちぎれるくらいしっぽを振ろう」
というこれからの決意のような事を書かれていました。

この小説は2007年に発売されていますので、かれこれ15年くらい前に書き始められたものかも知れませんね。
でもなぜかこの言葉が今の僕にとても、すうっと染み込んできたのです。

そんな訳で珍しく今年は目標とイメージが明確にできました。

2021年の僕の目標、それは


しっぽを振る牛になる どんな時でも全力で、ちぎれるくらいにしっぽを振る牛になるぞ!



です。

ではでは、ではよろしくお願いします(笑)。


posted by 西久保毅人 at 00:13| 2021年.1月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月29日

今週末は、ひさびさのオープンハウスです。



ホームページやインスタの方には告知をしていましたが、
今週末の1/31(日曜日)は、久しぶりのオープンハウスです。


9981.jpg


グリーンハウスは、杉並区に計画した全部で6世帯のワンルーム、木造2階建ての共同住宅です。
それだけ聞くと、普通のアパートが頭に浮かぶと思いますが、
そうそう、そうなんですよね、
規模的にも、どこの住宅街にも必ずあるようなアパートの計画です。

9983.jpg


実はこの場所には、もともと「旧グリーンハウス」が建っていたんですが、その老朽化のために
設計をご依頼いただきました。

最初に、「そういえばなんでグリーンハウスっていう名前なんですか?」

と伺ったところ、実はこのアパートを建てられた今はなきお父様が、緑溢れる場所になってほしいという
願いを込めて建てられたのだと伺いました。
とても素敵なエピソードだなーと思いましたので、

「じゃあ建て替えても、グリーンハウスにしましょうね、名前。」

とそんなお話から設計をスタートしました。

でも、必要な広さの部屋をただ並べていくと設計自体はいろいろできるんですが、
なかなか、グリーンハウスっぽくならない、、、。

「うーむ、、、これじゃあ、グリーンハウスっぽくないよねぇ、、、。」

と言いながら設計していたのを思い出します。

そんなグリーンハウスっぽく、なんて別に頼まれた覚えもないし、きっと頼んだ覚えもないでしょうけど(笑)、
そんな事を一生懸命考えて作った共同住宅です。


共同住宅は、一軒家と違っていざご入居が決まるといつものように勝手にピンポーン、って
遊びに行けないのが寂しいところ。でも早く住む人決まってほしいしなぁ、、、、。
でも、グリーンハウスは、実は1階の一部屋は、オーナーさんが運営する貸しスペースになる予定なので、
その部屋はいつでも遊びにいけるみたいなので一安心。

近いので、こっそりニコのサテライトオフィスになるように、徐々に侵食していきたい今日この頃です(笑)。




9982.jpg


直前ですが、興味のある方は、ニコ設計室のホームページよりお問い合わせください。
コロナ禍で、緊急事態宣伝中なので衛生管理をしっかりしつつ、安心に過ごせる日にしたいと思っています。


以下は、インスタグラムへの投稿記事です。





posted by 西久保毅人 at 00:13| 2021年.1月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月30日

共に進んでいくというカンカク



いよいよ杉並区で設計をさせていただいたグリーンハウスが完成して、今日は管理不動産会社である
タカギプランニングオフィスさんの内覧会でした。明日はニコのオープンハウス。

ハウスって行っても、賃貸住宅だからちょっと感じが違いますが、それでもオープンハウスって呼び方が
似合うかなー僕たちは。


さてちょうど去年の8月に、おんなじようなタイトルのブログ「共に進んでいる、というカンカク」をそういえば
書いたのですが、また似たような気持ちになったのでもう一回書こうかと思いました。


9986.jpg


今回のグリーンハウスは、アパートの建て替えでしたので、
オーナーの石原さんは、大家さん、という事になります。
だから自分が住むわけではないけれど、石原さんも、自分が住むかのようなつもりで
色々お打ち合わせをさせていただきました。

でも、ここが普通の住宅と違うのは、事業的にも採算が合わないといけないので、
お金の計算もシビアにしないといけないし、入居者の使い勝手や、退去後のメンテナンスなども
考えて進まないといけません。
そして、もちろん募集はタカギさんがしてくれるとはいえ、自分たちでもなんとかグリーンハウスが
素敵な人たちとの出会いの場になるように魅力を伝えていくこともしないといけません。


9988.jpg

僕たちは僕たちで、建築家としてグリーンハウスの魅力を伝えたい、という思いと同時に、
やっぱり、素敵な入居者の人たちに住んでもらって愛されるアパートであり続けて欲しいなーとも思います。

でも一軒家だったら、いつ行ってもご家族が住んでくれているけれど、
アパートは、入居後は、そう簡単に中を見ることはできません。
そういう切なさも感じつつ、だからこそ、素敵な人に出会って欲しい。


そういう意味では、石原さんにしても、僕たちにしても、
そういうもどかしさも抱えながら、愛されて欲しいっていう、
なんか嫁に行く娘の心配をしているような気分なのかも知れませんね、一軒家以上に。


9987.jpg


と、そんな訳でお互いに「自分が住む訳ではない」けれども、
「素敵な人たちに住んでもらえるアパートになって欲しい」っていう
なんか運命共同体みたいな気分になり、
最近は、お互いにインスタグラムなどで告知を発信したりしています。
お互いに下手くそながら(笑)。


でも、なんていうか、こういう風にやったことないし、プロではないけど、
前に進むようにやってみましょう!っていうカンカクはとても新鮮で嬉しいです。

頼む側、頼まれる側っていう垣根がどうしても仕事にはありますが、
そういうのを超えて、共に進んでいくというカンカクが持てるのはとても素敵な事。
グリーンハウスの完成を前に、そんな風に改めて思う今日この頃。



9989.jpg



これからもこういう関係が続いていくといいなと思いますし、
僕も積極的にあれこれチャレンジしていきたいなと思っています。


共にチャレンジしながら進んでいく、というカンカク。
住宅に限らず、そういう想いでものづくり、場所作りができたら
どんなケンチクでもきっと楽しいだろうなー。
そんなコトを教えていただいています。
どうもありがとうございます、石原さん。


これからも共に進んでいっていただける素敵な方々と出会えますように!
、、、まぁご想像より仕事できませんので失敗多くてよろしければ、、、ですが。

9984.jpg


posted by 西久保毅人 at 20:12| 2021年.1月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月10日

反芻



先日、渋谷区のとても小さな敷地で計画中の貸店舗付き住宅「岸野さんの家」の地鎮祭でした。
昨年末から着工ラッシュです。


9990.jpg


さて、グリーンハウスでも、清水さんちでも、木元さんちでも山田さんちでも、
それこそ佐賀の江頭さんちでも。
それこそ独立以来、すべての設計をしていく中で、こっそり僕が裏テーマにしているのは、
地面をどう残すか?っていうコトです。

ば、バレてますかね、、、??


そんな誰に頼まれた訳でもないようなコトをコソコソ続けていると、
時々ご褒美のようなミラクルがおきます。

9991.jpg


じゃーん!!!!

めちゃくちゃ可愛くないですか??
オバQみたいじゃないですか??

これは、「地縄」と言って、工事を始める前に基礎のカタチを紐で地面に描くんです。
これをガイドに穴を掘ったり、建物の位置を再確認したりするもの。

まぁ、そんな実務的な話は置いといて、
めちゃくちゃ可愛いですよね!!!!
どう見てもこれから建物を作るとは思えない、キュートなカタチ。

もちろん設計者ですから、どんな基礎になるかなんてもちろん知っていますよ。
でも、知ってることと、実物を目にすることは全く違うんです。
だから、これ見て超感動しました。

さて、同時に僕に染みついている言葉を思い出しました。

「ケンチクってね、地面とどう付き合うか?って事なのよね、私最近ようやく気がついたの!」

これは、僕の前職の象設計集団の設立者である富田玲子さんの言葉です。
でも、本人も覚えてらっしゃらないんじゃないかなーって思います。
ほーんと、何気ない雑談をされている中でしたし、別に僕に対して話された言葉でもないんですから。

ちょうど僕が25歳くらいの頃。
もう20年以上前のことです。

ふとその言葉が耳に入ってきて、
しかもあまりに生き生きと、まるで子供が大発見の自慢話でもするかのようにニコニコと話されていたのが
とても印象的で、なんかすーーっと僕に染みついてしまいました。

いやいや、正直にいうとその瞬間は染みついたことには気がついてなかったと思うんですが、
その後、独立して仕事をしていく中で何度も何度も浮かび上がってきてしまう言葉。


この前、インスタにも書いたんですが意識しているとか、目標にしている、とかそういう類の信念的なものではなく、
本当に「浮かび上がってきてしまう」言葉。
もうそれ以来20年間、浮かび上がってきては反芻し、浮かび上がってきては反芻し。

まるで食べ物を何度も飲み込んでは吐き出し、またむしゃむしゃして飲み込んでは吐き出す牛みたいだよなぁ、
と自分でもつくづく思います(笑)。



9992.jpg


って思ったら、僕は実は丑年。
この僕の性格はそのせいかー!

今年は丑年だからこの地縄は「よくもまぁ飽きずにおんなじコトを考え続けているもんだ」という
記念のサプライズだったのかも知れません。



と、なんだか妙に腑に落ちた2021年のスタートでした。


この僕の変態気質はもう一生変わる気がしませんが、
この言葉のおかげで何年経っても、新しい敵に挑むような気持ちで仕事を続けられているのも事実です。
だって今の世の中、放っとくとどこでもかんでもコンクリートでべたーって草も生えなくしちゃいますし、
そしたらセミの幼虫出て来れませんし、、、


そしてこの言葉のおかげで出来上がった数々のケンチクが、
ニコ設計室を選んでくれるきっかけになっているのもまぎれもない事実。
おかげでたくさんの素敵な方々と巡り会えることができています。



そんな訳で、もはやこのまま牛として、牛らしく生きていこうとようやく決意した今日この頃でした(笑)。


posted by 西久保毅人 at 23:20| 2021年.1月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする