2020年12月26日

大切な記憶



あっという間に、2020年も終わろうとしていますね!

先日、文京区で工事中の小池さんの家が無事上棟を迎えました。
3階建てのスキップフロアで、テラスと内部が入り混じるような楽しいお家です。


9961.jpg

小池さんに初めてご相談いただいたのは、
まだコロナ禍なんて想像すらしてなかった昨年末。

それから設計させていただいているうちに状況が一変し、お打ち合わせも途中リモートミーティングを
挟みながら、、、、でしたがいつも前向きな小池さんにはいつも勇気を頂きました。
というか、今現在、設計させていただいている全てのお施主さんご家族には勇気をもらいっぱなしなんですけどね。

ていうか、今までもずーっとそうだったなー、とつくづく思う今日この頃。

9962.jpg


さてそんな訳で先日、
上棟した現場にて恒例の上棟式をして頂いたのですが、
その後いただいたメールにてお喜びの言葉とともに、

『ニコさんにお願いしようと決めた理由の一つが、実は上棟式だったんですよ〜!』

と書いてありました。

それは嬉しいなー、という思いと共にこんな事を思い出しました。


9966.jpg

小池さんにも伝えたのですが、今ではニコの恒例となった「工事中から家は食堂!」の上棟式。
でも実は、元々は僕たちから率先してやり始めたわけではないのです。

最初はかれこれ15年年以上前の本間さんの家の上棟式。
本間さんには、もう人生のいろんな事を教えていただいたのですが、
ちょうど上棟を迎えるある日、

「ええと、、、、上棟祝いにお世話になっている職人さん達に現場でお酒と簡単な料理を食べて頂き、感謝をお伝えしたいのですが、
いまどき現場で上棟式、っていうのをしてもいいでしょうかねぇ??」

「えっ?上棟式??」

と本間さんに促していただく形で恐る恐る行ったのが最初の上棟式でした。


9969.jpg

住宅の場合、工事期間は約半年くらい。
長いようで、案外あっという間に過ぎてゆくのですが、その間、設計者とお施主さん、設計者と現場監督さんや職人さん、
などと2者でのやり取りは続いていくのですが、案外3者が一同に、っていう機会ってあんまりありません。
あったとしても、工事中の職人さん達は、お施主さんが来る時はやっぱり緊張気味だし、
あんまり無駄に長居しても工事に迷惑かけちゃうから、
必要なお打ち合わせのみ、という事になりますので、打ち解ける場面はそれほどないものです。

でもこの初めての上棟式では、
普段現場で黙々と仕事をしている職人さん達と一緒に、即席のベニヤのテーブルを囲む事で
なんか急に距離感が縮まる感じがしたのです。
たったの数時間だけですが、施主でも設計者でも、現場監督でも、職人でもないような打ち解けた空気があり、
職人さん達も模型を見ながら、
「なるほどー、こうなるんだな」とか「うわーこれは思ったよりめんどくさそう〜。」とか、
普段、現場では言い合わないような本音を聞く事もできました。
職人さん達が、模型を見る機会も実はあんまりないのだな、という事も初めて知りましたし


9963.jpg

模型を見ながら、「でも、完成したら楽しそうだよねー」とか、「ここは見せ場だなー」とか、
とても嬉しそうに模型を眺めてくれる姿がとても印象的でした。
そりゃそうですよね、
大きさは違えども、同じものを作ろうとしている同士ですから。



9964.jpg

そんな話と同時に、職種の違う職人さん達の普段の関係や、ご家族やプライベートな話も入り混じり、
普段怖そうな大工さんにも親近感が湧いてきたりしましたし、お施主さんともお酒を酌み交わしたりして、
そこには上下関係なんてなくって、共に作る同士なんだなーということが、とても感じられる場だったのです。

そんな時間を過ごしたあとでは、
現場での関係もなんだか変わったように思いました。

どんな仕事でもそうですが、結局は人間と人間。
相手の素顔を少しでも想像しながら仕事をするのとしないのでは、やっぱり心持ちが違いますし、
お施主さん側としても、こういう素顔の職人さん達に自分の家を作っていただいたという想いが
家に宿るのだと思うのです。

完成後、数年しても、お施主さんと会うたんびに、

「上棟式の時はさー、、、」という話題がいつまでもありますし、
そういう意味では、長い家づくりの期間の中で、一番と言ってもいいくらいに
いつまでも家づくりの大切な記憶として残るのだなー、とつくづく思いました。


そんな訳で、ニコ設計室の家づくりには上棟式は欠かせないイベントとなっていったのです。


9965.jpg

最近は、働き方改革で無駄だとされる行事や飲み会などがどんどんなくなっていると聞きますし、
このコロナ禍がそういう事を加速化させていくのだろうなーと思います。
出社もしなくていいし、業務さえしてれば働く場所はどこでも良い、みたいな事もよく聞きますよね。
無駄なことや、人との接触は最小限が理想。
そんな世の中に向かおうとしているように思います。

そんな時、経営者としてはじゃあ何を残すか、何をやめるか、という決断にせまられる事が今後、増えていくでしょう。
でもそれは同時に、じゃあ果たして僕たちの仕事にとって、何が大切なんだろうか?という事を
あたらめて決断する機会でもあるんだろうなーと僕は思いますし、
それは必ずしも一律である必要はないのだろうな、とも僕は思っています。


僕たちの仕事は、家を設計する事です。
具体的な業務としては設計図を書くことと、現場を監理する事です。
そういう意味では、上棟式なんて設計には何にも関係ありませんので、
無駄と言えば無駄な行事。
もしかすると、これからの時代、真っ先に排除されていくような事でもあるだろうなーと思います。


9968.jpg


でも同時に、僕たちの仕事は、ほとんどのご家族が一生に一回、
もしかすると一生住み続ける家を作る事でもあります。
その家には、そのご家族の愛情が染み込んでいくといいなーと思いますし、
家族のいろんな物語の舞台であってほしいなーと思います。
そのためには、もちろんいい設計で、頑丈で、、、っていう事も大事ですが、
それだけでは足りない気がしていて、それが「共に作りあげた」という実感がともなった
記憶や物語なのではないかなーと思うのです。

だから、もしかしたらすがたかたちは変わってゆくかもしれないけれど、
その事だけは大切に設計していきたいなーと今回、年末の上棟式で改めて思いました。


9967.jpg

ちょっと長くなっちゃいましたが、
小池さんにいただいた言葉を読んで、こんな当たり前の想いを改めて思い起こさせて頂きました。
そして、どんな時代が来ようとも家づくりを仕事としているからには、
モノとしての建築だけじゃなくって、形には残らないご家族の家づくりの物語を作るお手伝いを
しているのだ、という事をいつまでも大切にしていきたいなーと改めて思ったのです。


小池さん、上棟おめでとうございました!
まだまだ工事はこれからですが、完成まで無駄な事をたくさん妄想して、
楽しい家にしていきましょうねー!!!


posted by 西久保毅人 at 12:57| 2020.12月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月31日

いろいろありすぎたから、一番新しいことを!

さて、本当にそろそろ今年が終わりますね!

なんかコロナ禍でいろんなコトが変わったり、決断を迫れたりの連続で
どこからが1年かがよくわからない感じですねー、まったく。

基本的にはストレスが多かった1年でしたが、逆に言えばそのストレスのおかげで、
案外、今までだったら絶対やってなかった、選んでなかったことを、
思い切ってやってみた年でもありました。

そういう意味では、マスクだってさ、
僕、最初の方はかっこ悪い、大丈夫って思ってつけてなかった時期もあったしなー。。。
もう今では、パンツくらい当たり前になりましたが。
それだけをとってみても、激変の世の中ですよねー。自分自身を含めて。

時々、人間は何をきっかけにパンツを履いたり、服をきたり、地域によっては女性は顔を隠していたり、、、
そういう習慣が当たり前になったんだろうなーって考えるコトがあったんですが、
このコロナ禍で、一瞬にして人間の着衣が一つ増えたんですもんね。
変わる時は一瞬なのだなー、というコトをリアルに体験できたという一点だけは、
2020年を生きた証というコトなのだろうなーと思うのです。


9970.jpg

さて、そんな歴史的な1年でしたので正直4月くらいは、さすがに潰れちゃうのでは、、、と
考えることもあったのですが、おかげさまでいろんな設計をさせていただく事ができ、なんとか
年を越すコトができそうに思う12/30日です。

動画を撮ってみたり、インスタやったり、ズーム打ち合わせや、ズーム対談、リモート授業、インスタライブ、、、
などそういう意味では、よくぞこんないろんな事に対応できたなー自分、、、、と自分を少しは褒めてもやりたい今日この頃ですし、
今まで案外、新しいコトを拒絶してきたのですが、新しいことも案外悪くない、という新しいものアレルギーが
吹き飛んだ1年でもありました。

そうそう、最近では、iPadで図面書いたりスケッチ描いたりしてますしね(笑)。


9971.jpg


さて、そういう年末の新しいことシリーズの締めくくりとして、先日、
「完成ちょい前見学会」っていうのをやってみました。

建物は、来年1月末に完成予定のグリーンハウス。
グリーンハウスは、30u弱のワンルームが5つに、ピラティスの先生であるオーナーさんが
運営するレンタルスペースが一つ、合計6部屋の2階建てのアパートです。


9978.jpg

もともとこの場所には、実は「旧グリーンハウス」が建っていて、老朽化のために
建て替えのご相談からスタートしました。

そのアパートはいわゆるよくある片廊下型のアパートだったので、
「どうしてグリーンハウスなんですか??」
とうかがったところ、今は亡きお父様が、お庭や植物が好きで緑がたくさんのアパートになってほしいという
意味を込めてつけられたのだと知りました。

そこで、もう最初から「グリーンハウス」っていう名前は引き継ごう、と決めていろいろ設計案を
考えさせていただいたのです。


9973.jpg

でもアパートだから、ある程度の大きさの個室を並べるとどうしても「グリーンハウス」っぽくなりません。
そこで、南側の壁を、斜めにカクカクと蛇行させたような平面形を考え始めました。

そうする事で、面積は確保しつつも3角形の植物が植えられるスペースをたくさん捻出するコトができ、
さらに窓からの視線も街に繋がっていくように考えました。

9972.jpg


そんな風に考えて設計させていただいたグリーンハウスもあと1ヶ月でいよいよ完成。
といっても、まだちょこちょこ未完成だし、お庭や外構もまだできてないし、、、、という状況。
建築現場はいつも直前までなんだかんだと現場感。


でもそんな中、
ちょっと縁があってご入居を検討したいという数名の若い方々がいらっしゃったので、
思い切って、

「完成ちょい前見学会、工事中なのはご勘弁!」

というのをやってみました。
賃貸アパートなので、どういう反応なのか、、、、超ドキドキ。。。。

9974.jpg


7名の方をご案内したのですが、
当日の外国みたいな青空のバックにも助けられてか、
みなさんに大反響で、とても嬉しい反応や言葉をいただきましたし、
このタイミングで入居を本格的に検討始められた方もいらっしゃったみたい。
わお。

まだ完成してないのに、、、。


9976.jpg


いつも、完成時のオープンハウスでもドキドキですが、
未完成だから、なおさらドキドキ。
いや、今までならできれば途中は見せたくないタイプです。

でも、この完成ちょい前だからこそ、
もし何か改善点があれば直すこともできるし、見学者さんたちの意見によってチューニングするコトが
可能です。だから案外、この完成ちょい前に人目に触れさせることは、
実は、いいことしかないのだと思いました。
なるほどねー。

大事なのは、グリーンハウスが入居者の方々に愛されること。
そう考えると、この見学会はたくさんの収穫があったのです。


9979.jpg

そういう意味で、この見学会含め、今年は自分の中で凝り固まっていた「あたりまえ」を思い切って取っ払う事のできた
僕にとってはとても新鮮な1年でした。そしてチャレンジした先には、案外収穫や学びしかありませんでした。


そうそう、実は来年2021年は、ニコ設計室が20歳になる年です。
20歳かーっ。


ん??

20歳ってコトは、、、、、、ようやく成人。大学生なら2年生。

ってコトは、、、
まだまだこれからってコトですよね、、、。

ていうか、
まだまだようやくスタートラインってコトですからね。


9977.jpg



いやぁ、、、、、人生はまだまだ始まったばかりです(笑)。


来年もよろしくお願いします。

9975.jpg

posted by 西久保毅人 at 01:39| 2020.12月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする