2020年02月03日

10年後の会話

2011年にお引渡しをした「尾崎さんの家」。


9758.jpg


家づくりのつぼノートでは、「102.この街に貢献したい」で、
エピソードをご紹介したお家です。

もうすぐ10年経つので、この期に、
プチリノベーションをしました。

、、、と言っても、来たことある方は、

「ん??どこが変わったの、、、、?」

という程度ですが、、、、、。



9767.jpg


例えば、竣工時は、白っぽい壁だったんですが、
ちょこちょこ汚れが目立ち始めていたので、この期に、ムラのあるグレーに一新したり、
下地の目立ち始めていた真ん中の壁を、厚みのある仕上げに塗り直したり、
外壁の杉板の塗装をしたり、
ハンモックの金具をつけたり、
キッチンや、洗面所の汚れやすい部分の仕上げを、タイルなどの汚れが目立ちにくい仕上げにしたり、、、、。

と、書き出すと細かい項目ばかりなんですけどね。

9761.jpg


「なんかさー、

最近のカッコイイ系のグレー好きのクールな内装に、なりすぎちゃった〜??」


と尾崎さん(笑)。

9759.jpg


「ほーら。

じゃあ、真ん中の壁、ピンクにすれば良かったじゃないですかー?


でも、まぁまぁ若々しくてカッコイイから、
次に変える時は、パンクな感じにしましょうねっ」


9764.jpg

と、
こういう風に尾崎さんとの会話を書き出すと、
なんか、美容室での会話みたいです。




9765.jpg

「でもですね、、、、。

仕上げがどうあれ、そもそもの設計がいいから、
やっぱ、尾崎さんちは、何度来てもいい家ですねー!!!!!」


10年後の自画自賛の僕。


いやいや、ほーんとに尾崎さんの家は、いい家です。

何よりも、尾崎さんにぴったりです。

9766.jpg


家にいると、
もうすぐ10年も経つのに、
打ち合わせの時の尾崎さんの言葉や、エピソードが浮かんできます。


「なんかさー、、、ファンシーな趣味の家に申し訳なそうに住んでる男の人って
 かわいそうだと思うのよねー。
 やっぱさ、家はさ、渋くて男らしくなきゃ、帰って来たくないでしょ??」


「せっかく家を建てさせてもらえるんだったら、ご近所さんに貢献できる家にしたいのよねー。」



9762.jpg


家づくりって、
やっぱり大きな買い物です。
だから、時々、あまりにも未来のコトを想像しすぎたり、
神経質になりすぎたり、メーカーの性能基準や、ネットの情報を調べすぎたり、、、と
情報の海に溺れてしまいそうにもなりがちです。


9760.jpg

でも、10年経っても、変わるのは人間ばかりで、
案外、家の方が、変わらずどっしりと構えてくれているものなんだなー、と
最近は思います。

家にとっての時間の感覚を想像すると、
ちょっとした手直しや、リフォームをするって言うのは、
人間が、美容室に行って、髪を短くしたり、パーマをかけたり、白髪染めをしたり、、、
するような、そんな事なのかもしれませんね!


だから、さっきの会話みたいに、


「じゃあさー、今度、手を入れる時はねー、、、、。」

って、美容師さんとの会話みたいに、家についても考えられると、
なんだか、また次の10年後を想像しながら生活できて豊かだなー、って思いました。


美容師さんと何度も何度も、あーでもない、こーでもない、と言いながら
一緒に歳を取るように、そんな家づくりのお付き合いもいいものですよ(笑)。


9763.jpg


あ、そうそう、
一つ、お知らせです。


9757.jpg


尾崎さんちのお隣の土地が、現在、売り出し中とのコトです。

練馬区で、もし80平米くらいの土地をお探しの方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、お問い合わせくださいませ!
詳しい情報をお知らせします。

僕も、尾崎さんちのお隣に、設計させてもらいたいですし、
尾崎さんちは、とっても素敵なご家族なので、住むにはオススメですよー。


僕も住みたいですー、、、、。



posted by 西久保毅人 at 23:08| 2020.02月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月07日

なまえ

最近、月のとびらのairbnbを運営しているので、
いろんな国の家族と会う機会が増えました。


当たり前の事ですが、
それぞれの国には、いろんな名前があります。

9768.jpg


ある時、ふと、近くにマリオンがいたので、

「この、geraldineさんって名前、どういう意味??」

って聞いてみたら、

「この名前はフランスによくある名前ですが、意味はありませんよ。」

との事でした。

日本人って、ついつい名前には、意味があるもんだと思いがちなので、
名前に意味がない、って言われると、「ん〜〜???」って不思議に思います。


「じゃあ、どうやって付けるの??」

って聞いたら、

「うーん、音とか、ひびきとかだと思いますよー。」

との事でした。



「、、、名前は、ただのナマエです。」

との事。



なるほどー、と言っても、いまいちなるほどではないのですが(笑)、
なんか分かる気もします。

日本は、漢字があって、漢字に意味がありすぎるので、ついつい名前に意味を
込めすぎてしまいますね、確かに。
「意味がない」っていう事が、どこか許せない様な、国民性なのかも知れません。

だから、無駄に説明責任を追求したり、意味がないものを排除しようとしたり、
受け入れられなかったり、、、、、しがちですよね〜。

いい部分もあるけど、確かに何でもかんでも、意味と説明が必要って、ちょっと息苦しくもあります。


そういう意味で、一番大事って思われがちな、「人の名前に意味がない」っていうのは、
ちょっと爽快な感じがしました。


実は、僕も自分の子供たちの名前を決める時、
どちらかというと、あんまり意味を考えなかったんですよね。

それは、一つに、僕の名前である「毅人(たけと)」っていうのが、ちょっと扱いにくかったからでもあります。
まず漢字が難しくて説明が面倒くさい。
字面で意味が想像しにくくて、意味を聞かれても、いまいち面白い説明ができない。
などなど。

だから、人と出会った最初の説明が、たどたどしくなっちゃっいがちなんですよねー。
僕が、偏屈な性格なのは、この名前のせいかも知れません(笑)。



だから、僕が、子供たちの名前を決める時に、まず最初に思ったのは、

簡単である事。
誰でも読める事。
親しみやすい事。
何よりひびきがいい事。
お友達にも、先生にも、上司にも、苗字ではなく、名前で呼んでもらえる機会の多い人生だといいな、という事。


と、そんな訳で、

ノノ、リンタロウ、ソラは、
意味はともかく、目論見どおり、どの場面でも名前で呼ばれているみたいです(笑)。



よく聞かれる「ニコ設計室」だって、
まぁ、説明しろと言われたら、いろいろ説明はできなくも、なくもないけれど、、、、
結局は、あんまり意味はないんだよなぁ、、、、、。



という訳で、
来週末、中野区でオープンハウスです。

9769.jpg

お問い合わせは、こちらまで。
posted by 西久保毅人 at 01:10| 2020.02月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月10日

引き受ける瞬間、のようなもの。

僕は、設計させていただく時に、
今現在住まわれているおうちに必ずうかがう事にしています。

そのおうちは、なが〜く住んでいる場合もあれば、
引っ越して数年っていう場合も、いろいろではありますが、
必ず実行している事の一つです。



9771.jpg


そんな訳で、写真は、実は今週末のオープンハウスの清水さんの前の家。
この家を今回、建て替えるという計画でした。

実は、清水さんちの場合は、途中、計画をお休みしていた時期もあるため、
この写真の日付をみると、なんと2016年の10月!
3年半くらい前の写真です。

9772.jpg


なんか超〜若くないですか??清水さん(笑)。


このおうちは、奥様のご実家でもあったため、当時でもう築40年以上なのですが、
マントルピースや、ソファーセットや、調度品など、、、、
とてもザ昭和を感じる、なんとも言えない雰囲気のおうちでした。

こういうおうちを見るたんびに、
やっぱり、時間をまとった空間やものはいいなぁー、って思いますし、
なんか、清水さんたちの暮らしも、とても似合っていました。


「経年美化」

っていう、清水さんたちの口から発せられる言葉も、
なんか腑に落ちる瞬間でした。

9774.jpg


こういうのを感じられるから、
やっぱり、設計前に、ご自宅にうかがうのは、欠かせないんだよなぁ、、って思います。

なんていうか、
言葉や、メールの文字で表現される情報の
数倍のそのご家族の情報が、ここにある、っていう感じでしょうか?

そんな、暮らしの空気を感じさせていただくのが、
僕は、この上なく好きな瞬間です。


9773.jpg


「ご家族の生活を引き受ける瞬間」


とでも言えるかも知れません。


そして、この時の体に染み込んだ情報を定規に、
あーでもないこーでもない、という家づくりの時間が始まるのです。


9775.jpg


そんな訳で、
今週末、清水さんの家のオープンハウス楽しみです!

9769.jpg
posted by 西久保毅人 at 22:08| 2020.02月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

「経年飲み屋」

先週末の清水さんの家のオープンハウス。

いまだにやっぱりオープンハウス前は、なんだかピアノの発表会の前みたいに
ドキドキするのですが、お天気も良くて、とてもたくさんの方に見にきていただきました!


9777.jpg


清水さんの家は、中野区の住宅密集地に計画したお家です。
敷地の大きさは、25つぼ。
木造3階建てのお家です。

9778.jpg

敷地の大きさが25つぼ、っていうと、
それが小さいというのか、大きいというのかは、人それぞれだと思うんですが、
どの家も、敷地パンパンに建っていると、なんだか街が窮屈に感じます。
街が窮屈に感じる、っていうことは、きっと家の中にいてもなんだか、窮屈に感じるんだろうなー。

要するに、敷地が大きいか、小さいか、っていうよりも、
そんな「数字」を感じさせないようなたたずまいがとても大事です。


9810.jpg


清水さんのお家も、いろいろなプランを考えさせていただいたのですが、
ご要望を踏まえながら平面的にだけ考えてると、
どーしても地面の残りが少なくて、草木が生える場所がなくなりそうだったんですよねー。

そこで、道路側に階段室を持ってきて、
その下を少しだけ「くいっ」と持ち上げてみることにしました。



9779.jpg

面積は、ほとんど減らないのに、なんだ道路側の地面がたくさん残って、
そのうち、草木がたくさん生えてきそう!

近所の小学生や野良猫も、ちょっともぐってみたりしてくれそう、、、、、、。

と、そんな妄想が膨らめば大丈夫です。
それだけでもう、10年後が楽しみですねー。

9811.jpg
こんな風に、街の断面が楽しいと、街を手に入れたようなものなのです。(笑)。

9781.jpg


さて、玄関に入ると、
すぐにその、噂の階段室。


9780.jpg


たくさんの本のある清水さんちだから、
階段室も、ベンチがあって、踊り場でものんびり過ごせたらいいなーと思いました。
まさか、この階段室の中が、とても居心地のいい場所だなんて、
街の人は、気がつきませんよねー!


9782.jpg


9783.jpg


と、そんな風にして2階に上がると、、、、、。




街の続きのように、タイルの敷かれたこのステキな食堂が、清水さんちの中心です。
上がって左に台所、右には、オレンジ色のパントリーがあります。

9784.jpg



9785.jpg
見返すと、台所の奥には、小さな綺麗な柄の壁紙の納戸もあります。


9786.jpg
ここは、納戸。


9788.jpg
オレンジの部屋は、パントリー。

9808.jpg
こんな風に台所を中心に、回遊性を持ちながら、いろんな収納やいろんな場所があるプランになっています。

2階には、ちょっとした仕事場もあるので、いろんな用途のある2階なのですが、
オープンなフロアにいろんな役割を持たせると、ご入居後になんだか煩雑な空間になってしまいがち。

だから、段差や色でメリハリをつけて、同じフロアにいるけれど場所によって気分の変わるような
空間にしています。



9789.jpg
食堂を空間の中心にしつつ、
洋服の裏地のように、納戸やパントリーという案外どうでもいい部屋に
綺麗な色や、壁紙を散りばめたような空間。



9790.jpg
子供達は、あっという間に仲良くなって、
家の中をくるくる、ごろごろ。

やっぱ子供達が一番空間の変化を楽しんでくれますねー!


9791.jpg
さてさて3階へ。


9809.jpg
ほとんど日の入らない敷地だったので、明るい方位の南側は大きな空間にして、
3階から光を取り入れてています。


9792.jpg
3階は、屋上と、多目的なスペースになっていて、今のところ用途は決まっていないんですが、
ちょっと和風の空間にして、奥の壁にハタノワタルさんの和紙を、みんなで貼りました。



9793.jpg
まぁ、僕たちも腕が上がったものです(笑)。





9794.jpg
そうそう、今回、オープンハウスに来てくれた方々が、
口々に、「なんだか懐かしい感じがするー!」
っていう感想が多かったように思います。

和紙や障子があるから??

9795.jpg
古材のカウンターだから??


9796.jpg



9798.jpg
建具のガラスが、解体したもとのお家で使っていたものだから??


、、、と、そんないろんな要素がそんなコトを感じさせてくれたのかも知れません。

9807.jpg
前にも書きましたが、
家づくりの前に、清水さんのつぼノートの1ページ目に書いてあった素敵な言葉、
それは、

「経年美化」

という言葉でした。



9799.jpg


経年美化。


時間が経てば経つほど、美しくなっていく、というような事を感じさせる言葉ですね。
ある意味、それは、矛盾をはらんでいます。

9800.jpg

でも僕は、こういう矛盾をはらんだ言葉が、とても大好きです。


狭いのに逆に広く感じる、だとか、

新しいのに、懐かしく感じる、だとか。


9801.jpg

色や素材がたくさんあるのに、落ち着いてるとか、

暗いのに明るいとか、

どうでもいい部屋だから、綺麗にしよう、だとか、、、。

無駄なのに、無駄じゃないとか。


9802.jpg


9803.jpg

家なのに、飲み屋みたいだとか、、、、(笑)。

9804.jpg


この家には、真面目に考えれば矛盾しているコトがたくさんあります。
でも、やろうとしているコトが「矛盾」していればしているほど、
その違いが幅を持ち始め、ふくよかな体験になっていくというのが、とても不思議なんです。
それが、家づくり、建築作り、場づくりの一番楽しく、神秘的なところ。

そんな言葉にしても仕方がないようなコトを、
清水さんご夫婦とも共有できたコトが、とても嬉しかったなー。


「経年美化」

とてもステキな言葉。

9805.jpg


、、、、とそんな訳で、
矛盾ついでに、オープンハウス後の打ち上げでは完全に家は飲み屋になり、
特に家づくりに一切関わってもないニコの仲間たちも、
なぜか、謎のお祝いに駆けつけてくれました。。。。


そして清水さんに、

「さ、さすがに、、、、みなさま、そろそろお開きにしませんでしょうか、、、?」

と言わせるまで居座るという、

まぁ、なんとも清水さんちの家のこれからを象徴するような夜!(笑)。


あれ??

いただいた言葉、

「経年飲み屋」

でしたよね??
時間が経てば経つほど、飲み屋になっていく、、、、という、、、、。

9806.jpg




、、、、と、そんなあっという間の1日でした。


あぁ、、、、、
また、僕たちは、罪のない家を居心地のいい飲み屋にしてしまった様です。


清水さん、これからもよろしくお願いしますねー!!!!!
出禁にはしないでくださいね、、、。



そしてこんな飲み屋になったら困る方は、
ニコ設計室には、設計を頼まない様、くれぐれもお気をつけくださいませ。



posted by 西久保毅人 at 23:05| 2020.02月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする