2019年05月23日

江頭さんの家、第1話 猿山のできるまで

さて、お待たせしました!


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誰よりも、江頭さん、お待たせしました!!!!(笑)。

「佐賀で一番よか家大賞」候補の、
江頭さんの家です。

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るうちゃん、ごめんねー、お待たせしました。

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さて、
ここまでの写真を見ての通り、
江頭さんの家は、猿山のように、屋根を存分に楽しめる家です。


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オープンハウスは、二日間とも晴天で、
北は東京から、南は宮崎県から、と近県からもたくさんご来場いただき、
ありがとうございました。

お子さんの近所の友達も、待ちに待ったとばかりにたくさん
遊びに来てくれたんですが、
幼稚園時から、小学生から、大人まで、
家の中にいるよりも、屋根の上にいる方が長かったかも??
というくらいに、屋根の上が、大人気!


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怪我ひとつぜず、
思い思いに、走り回る子供達。


ほんとに猿山のようでした(笑)。


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さて、なんでこんなコトが実現できたかというと、
屋根の勾配が緩かったり、
屋根の素材を、滑りにくい素材にしているコトも理由のひとつですが、
何よりも、

「屋根を一部だけ、地面にできるだけ近づけた」


ことがポイントだと思うのです。





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だから、なんか
屋根の上なのに、怖くない。


そして、低い屋根の下は、自転車置き場にちょうどいい高さです。


正直、たったそれだけの工夫なのですが、
ほんの一部だけの屋根を、極端に低くするコトで、
正面から見た時に、

「あれ?この家、なんか、よく見る家と、なんか、、、違う。なんだろ??」


っていうカンカクを覚えると同時に、

「家なのに、、、、なんか親しみやすい。」

というような、フレンドリー&ウエルカムな、家に人格があるような、
そんな佇まいになっているのです。



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、、、まぁ、
想像していた以上に、
フレンドリーな猿山。


もう、縦横無尽な猿たちに、大人はお手上げです(笑)。


裏テーマとしては、
残った庭に、フットサルコートでも作った時には、
屋根の上が、スタジアムの観覧席になるといいなー、って思ったのが、
この屋根の始まりなんですけどね、実は。


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だから、江頭さん、
あまった場所に、
頑張って、サッカー場作ってください!


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さて、屋根の話で終わりそうなので、今日は冷静に。

家の中に入りましょう!


そんな訳で、

「サッカーこそ我が人生」

の江頭さん。

もちろん、玄関あけたら、ロッカールーム、な訳です。

家族全員分のロッカーを玄関に作りました。

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玄関には、鮮やかな壁に、手洗いがあります。


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玄関で靴をぬぐと、こんな風景。

江頭さんの家は、ほぼ平屋の家なのですが、
平面図は、十文字型になっています。

中央に、多目的なパントリーを作っていて、その周りをぐるぐるぐるぐると、
回遊できるようなプランです。



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大雑把には、
左に曲がると、庭に連続したみんなの場所やお客さんを招くパブリックな場所。
右に曲がると、お風呂やクローゼットや寝室などのプライベートな場所に、
それぞれ性質分けをしているので、
来客時ににも、気楽な計画にしています。



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まぁ、とりあえず、左へ曲がってみましょうか?


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ここは天井の高いひとつの大きな空間なのですが、
土間続きの食堂のような空間と、
一段上がった板の間に分かれています。


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そんなダイナミックな大空間とは対照的に、
奥には、なにやら動物の巣のように、
ぽこぽこと穴の空いた壁面が見えますねー。

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おや、
上には、僕の佐賀の大先輩、

構造設計のオサジマさんが、、、、。

なんだか、東京で会う時よりも、楽しそうで、
子供みたいな笑顔です。

よっぽどこの中は、楽しいのでしょか?



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そう、この白い壁の中は、
子供たちだけのスペースになっているんです。

「まだまだ子供部屋はいらないし、分けなくっても大丈夫。

 でも、将来は、分けてたくなるかもなぁ、、、、。」



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そんな絶妙に楽しい時期を、そのまんま楽しめるように、
子供部屋は、ちょっと未完成。


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その代わりに、床が、だんだん、だんだん、と
スキップ状になっていて、
ハシゴや台を利用すれば、どんどん上まで登って行けちゃうのです。


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ほーんと、
こういうよく分からない怪しげな場所は、子供達は
たまりませんよね。

そんな訳で
もうすでに、悪の巣窟の香りが、、、、、。

子供達の隠れ家ですね。

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でも、ちゃんとリビングにはちょこちょこ繋がっているので、
完全に閉じこもれる訳でもなく、、、、。

頭隠して尻隠さず、、、な子供室です。

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さて、
無事、一番上まで登れたら、
屋根側に、キャットウォークになる予定の橋があります。


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この日の時点では、
まだスカスカだったんですが、
こないだ行ったら、ちゃんと歩きやすく板が貼ってありました。

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でも、子供達は、このまんまでも、ひょいひょい歩いて行くんですけど、、、、、

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そう、この家のもうひとつの特徴は、
最初に説明したように、
屋根の家に外からでも登れますが、
こうやって、家の中のキャットウォークからでも、登れちゃうコトです。

だから、平屋なんですが、
立体的に屋根を通じて、家をくるくると立体的にも、回遊可能なのです。



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そんな訳で、
ますます猿たちには、好都合な、江頭さんの家(笑)。

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オープンハウス当日は、
江頭さんの弟さんが、テントを貼ってくれました。

家に、テントに、猿山に、、、、、。
いいなぁ、、、、。羨ましい。

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さて、また中に戻って、
今度は、プライベートエリアの右に曲がってみましょう。

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きれいなオレンジの壁に導かれるこのエリアは、
お風呂や洗面、クローゼットがまとまっていて、
物干しテラスもあるため、家事が一箇所で済みますし、


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どろだらけのサッカー小僧も、
練習後に、まっすぐお風呂に直行できて、
着替えてリビングへ、ととても便利です。

スポーツ少年は、臭いですからねー(笑)。


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いまのところみんなの寝室は、
とても深いブルーの塗装で仕上げています。

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裏庭の光も、なんだかきれい。

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ここは、中央のパントリー。
通り抜けもできるので、
2重にも、くるくる動線になっています。


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さて、そんな感じで、
リビングに戻ってきました。

なんだか、家の中も、
猿山状態ですね(笑)。

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家の中が騒がしい時は、
屋根の上に、逃げちゃった方が、気楽だよねー。


小学生男子は、
うるさいからねっ!


、、、と、こんな風に、
家の中にも、屋根の上にも、
たくさんの「逃げ場」があります。





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家族みんな

「家」にいるのに、

こんなにも、ひとつながりなのに、


それぞれ気分で、好きな場所で、気ままに過ごせる。


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江頭さんの大らかな家族への愛情や、

どんな人でも迎え入れてくれる人柄や、

見ず知らずだった東京にいる僕に、設計を頼んでくれる思い切りの良さや、


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魂のこもった仕事への情熱や、


超ー、分厚いツボノートや、古いものへの愛情や、


まぁ、とにかく飲みましょうよ、っていう
ほぼ、設計の話はせずに、佐賀に帰るたんびに、深夜までお酒飲んでばっかりだった打ち合わせ?や、


飲みすぎて帰って、うっかり家の鍵持っていない事に夜中に気がついて、
家に入れず、「車の中で朝まで寝ちゃって風邪ひきましたよー」、っていう日や、


そんな僕たちを、
呆れながらも、時がくるまで、見て見ぬフリして放っておいてくれた
奥様の佐賀の女の人らしい気前の良さや、、、、、


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そんな、あげたらきりがないような、
家づくりとも、設計とも、
一切、まったく、完全に
関係のないエピソードの数々。


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でも、それが設計なのだ、と僕は思うのです。


これが、まさに建築なのだ、と僕は思うのです。



まぁ、出来上がったのは、ゆかいな猿山でしたけどねー(笑)。


そんな訳で、
今日は
このくらいにしておきましょうかねぇ、、、、江頭さん。



まだ、何もかもが、
ようやく始まったばっかりなんですから。



(江頭さんの家、第1話 猿山のできるまで。 おしまい。)
posted by 西久保毅人 at 05:50| 2019年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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