2018年10月30日

おおきいちいさい たかいひくい

先週末は、江戸川区で永井さんちのオープンハウスでした!

午前中は雨予報でしたが、お天気も良く、
たくさんの方に見に来ていただきました!

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いつも、

「建物の説明が足りない。」

とか、

「なんでこうなったのかホントは聞きたい。」

とか怒られがちなので、、、、、、今日は頑張って説明してみましょう(笑)。

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そういえば、今回、いらっしゃった建築家の方から、

「ニシクボさんは、どこから最初に考えるの?」

って質問されました。

「、、、えぇと、、、、いろいろ同時に、、、。(汗)」

っていうのが、正直なところなんですが、
まずは、大抵、要望を頭に詰め込んで平面を考えます。
同時に、外観、っていうよりも、「たたずまい」を考えます。

「たたずまい」を決めるにあたってのポイントはいくつかあるのですが、
まずは、この江戸川区や葛飾区というのは、海抜が0メートル以下の地域なのです。

そして海も案外近い事から、周囲にも、少し地盤を上げたり、基礎が高い建物が
見受けられるんですが、それは万が一の津波や洪水の可能性が上げられます。


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心配し過ぎるとキリがないのですが、
そういう意味でまず、床を1mくらい上げておきましょう、というコトになりました。

でもそれは別の効果も実はあります。
永井さんちは、のんびりとした角地なのですが、
角地というのは、明るい反面、不特定多数の人の視線にさらされるという運命を背負っています。

お店なら最高の立地、というところでしょうけど、
住むには、少し気になります。

その解決策としては、

「塀で囲っちゃえ案」

が一番簡単なんですけど、それは僕は、一番嫌な解決策。


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家を作ろうが、ビルを作ろうが、
街の見通し、安全、など、実は角地は街の中で社会的な役割もあるのです。

角地に住む、というコトは、きっとそういうコト。

角地は、半分街のもの、なのです。

そういう意味で、床を少し上げる、というのは、暮らしが道から切り離されるため、
それだけで少し守られ感を作るコトができます。

塀を作らなくても、安心安心。

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アプローチ部分には、大きな軒を出すコトで、さらに家に奥行きがうまれ
さらに生活が守られた感じがしますし、
雨の日にも気持ちのいい場所になります。

将来車椅子でも出入りできるように設けたスロープも、玄関までの距離を
作り出すだけでなく、少し浮いたようなデザインにするコトで、
街と暮らしの縁を切るような効果が少しだけある気がします。


さらに、道路側にこれから木々を植えるコトで、
実際の長さ以上に、街との距離感を保ちながらも、
素敵な街角になっていくコトでしょう。

街の人にとって、素敵な街角でありつつも、

「あぁ、もしかしてこの街そのものが、私たちの敷地なんじゃないかしら??」

って思ってもらえるコトが、僕が目指す世界。


写真右側の空き地は、
実は将来、貸し駐車場にする予定の場所。
なので、ぽっかりと空いています。

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さてさて、中に入りましょう。


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このおうちのもう一つの特徴は、
何度もニコのおうちを体験していただいた方には分かりやすいですが、
天井や、廊下の幅など、
あらゆるところが、普通より広く、高いところです。



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似たようなおうちでは、
前に設計させていただいたマシューズさんちもそうでしたね。

身長190センチをこえるマシューズさんは、普通の高さだと頭ぶつけちゃうから、、、という
コトで、いろんなところを高く作ったんですが、

永井さんも体が大きいので、

「トイレとか廊下とか窮屈なのはいやだ。」

という事でした。

そこで、
高さに加えて階段とかの幅も広めに設計させていただきました。


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こういう時に、

「普通って??」

って思われると思うんですが、
木造住宅の場合、大抵は、廊下や階段や扉の幅は、
普通は、75センチ前後が一番一般的です。

それを永井さんちでは、20センチだけ広い95センチ程度に
設定させていただいたのです。

20センチっていうと、バナナ一本ぶんくらい。
でもたったそれだけで、階段を大人がすれ違えたりして、
ほーんとゆったりするのです。

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でも、

「じゃぁ、ただどこでも高くして、広げればいいでしょ??」

ってしないところが、まぁ、、、、僕たちの性格の悪いところ(笑)。

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やっぱり人間は、昔お腹の中で赤ちゃんだった訳だから、
安心できる大きさ感や、包まれ感、っていうのが
家の中でも必要なのだと思うんですよね〜。

永井さんちでは、
周りがとてもゆったりしているからこそ、
小さな場所、薄暗い場所、包まれる場所が
より一層、引き立つような感じになるといいなと思いました。



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そして、どんなにバリアフリー、と言ったって、
やっぱりちょこんと座れるような段差は、
やっぱり不可欠なのも、人の振る舞いを見ていると分かります。


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そして、
途中で変更して良かったなぁ、と思ったのは、
この仕事部屋です。

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家の基礎を上げたのはいいのですが、
そのぶん、大きな床下空間がうまれました。

そこで、永井さんの仕事場だけは、家の中から80センチくらい下げるコトにしたコトで、
天井の高い仕事部屋になったばかりでなく、
写真左の四角い穴から、床下に潜り込めるようにできたのです。

おかげで、たくさんの床下収納も、とても使いやすくなりました。






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こういう風に、1階の吹き抜け越しに、
2階のテラスや空が見えるのもいいですね!

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キッチンは、作業場が広く、とても使いやすい感じになりました。
今回は、オールステンレスのシステムキッチン。
広いから、打ち上げの飲み会の時には、さっそく不思議と「女子会」の場になっていたりして、
田舎の家での親戚の集まりっぽくて良かったなー。

個人的には、キッチン脇にある家事コーナーの小さな天窓が
やめなくて良かったなー、って思ったところです。
敷地の一番奥なのに、
1日中、自然光が入ってくる場所。

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さて、2階へ。

(ちょっと疲れてきたので、、、、、、短めに。。。)

そう、実は永井さんちって、
道路が北側なのです。

しかも、真南には、大きなアパートがでーーん、と建っているため、
視線もきになるし、ほとんど光が期待できませんでした。

そのため、南側は、上の方に、光取りの窓だけが付いているんですが、
それが大正解で、とても明るい吹き抜け空間になりました。


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2階は、敷地の角にあるルーフテラスが、
子供室にも、吹き抜けにも面しているのが
一番のミソかなぁ、、、。

おかげでどこにいても、テラス越しの空や街を感じるコトができるように
なっています。

これは、想像よりもよかったなー。



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そして、お風呂!

まぁ、お風呂も大きいのですが、
大きさよりも、注目すべきは富士山でしょう。(笑)


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日本の女性で一人しかいないという
銭湯絵師、田中みずきさんに、壁画を書いていただきました!

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そんな訳で、
子供部屋も、富士山カラー(笑)。

セルフペイントですけど、、、、。

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こういう風に、壁を2色で上下で分けるなんて、
永井さんちじゃなければやるコトにならなかったと思うんですが、
これがなかなか新鮮でいいなー、って思っています。

前々から、汚れやすい子供の高さや人の高さだけに色をつける、っていうのを
考えていたんですけど、ようやく実践できました。

なかなかいいです。


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ふぅー。

長くなりましたが、これで一通りおうちの説明をしてみました。



こういう風に説明してみると余計に思うのは、
結局、説明すればするほどに、一番大切な事が伝えきれてないなー、っていうコト。


さて、何をしたんだろう?


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

オープンハウスが終わって、恒例の打ち上げ。



「もう、今日は、昼から飲みましょうよー。」

と永井さんは、朝からうずうず、うずうず。。。



アパートに戻っては、ビールを運び、戻ってはクッションを運び。

戻ってきては、

「もう飲みましょうよー。」

と永井さん(笑)。


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いよいよ夕方になると、
ご両親から、お姉さんから、ハロウゥン帰りのおいっこから、
一堂に集まって、たくさんの手料理が運ばれてきました。

「そ、そろそろいいですよねっ。」

と永井さん。


きっとご家族みんなで、
今日の日を楽しみにされていたんでしょうねー。




「いやぁ、もう、大満足!なんの不満もありません。」

と永井さん。

「もうね、、、、あまりに嬉しいので、今日はここで寝ます。」

と永井さん。



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もうずいぶんと昔から、この家の家主だったかのような永井さん。

毎年、ここで親戚の集まりをしてたかのような
「いつもの」感のある永井家のみなさん。


あぁ、やっぱり永井さんちは、永井さんちだなぁ、って思う。

それ以外のなにものでもない。

そしてこんな風に
新しい答えに出会うたびに
ほーんと良かったなぁ、って思う。



答えはいっつも古臭くって、懐かしく、
そして体温に包まれている。



あぁ、いい家だなぁ、、、。


設計の話なんかよりも、ずっと、ずーっと。



posted by 西久保毅人 at 18:39| 2018.10月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする