2017年04月26日

街のピロティー

僕は商店街が好きです。

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反面、デパートとかの密室の大きな商業空間が大嫌い。
すぐ外に出たくなっちゃいます、、、、。

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理由の一つは、僕が閉所密室恐怖症ぎみで、、
空気の流れないところは気持ち悪い、、、、、、というコトも
あるんですけど、


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それとは別に、こんな体験をしたコトがあります。

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僕の育った佐賀の街の中心には、もともと
割と賑やかで、長ーく続くアーケードの商店街がありました。

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でも実際僕が育った町は、
夜の9時には信号が点滅に変わり、
夜は明り一つなく田んぼしかない人口7000人くらいの町でした。
2017年の今だにそうです。

そんな町で生まれた僕にとっては、
時々親に連れらてそんな佐賀の街の商店街に行くのが、
とても特別で、ワクワクする体験でした。

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とにかく歩くだけでたくさんのお店が並んでいるコトに
気持ちが高ぶったのを覚えています。

いいなぁ、、、都会は、、、。
佐賀に住んでても、その中に都会と田舎があるのです。

さて高校生になり、ようやく街に出てると、
そんな商店街の近くに家があったり、家が商売をしている家の子と
仲良くなったりました。
商店街に住んでて、しかも家がお店なんて、、、、

なんと夢のようなコトだろう!

うらやましかったなー。

そんな青春時代。

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それが、ちょうどトウキョウに出てきてしばらく経った時、
その商店街が、よくある地方の再開発ビルの建設のため、なくなってしまったのです。

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もうすでにその頃は、建築や街の勉強をしていましたし、
そういう商店街があるコトが、自分の街の魅力だと思っていたので
なんと時代錯誤で馬鹿な計画なんだろう、、、、、って
思ったのですが、計画は進行し、古くから商売を営んでいた商店は
立ち退きを迫られ、あっという間に商店街がなくなってしまいました。

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でも実は、なくなった、、、、っていう表現は少し違います。

正確には、そのビルを作るために、つながっていた商店街が切り裂かれたのです。

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だから、商店街がなくなった、
というのは、正しくなくて、
実際は、中途半端に切り裂かれた商店街は、姿を残したまま、死んだのです。

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街は死ぬんだ。。。。


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その時に、
僕は街っていうのは、

ただの建物の集まりではなくて、
「生き物」なんじゃないだろうか?

血みたいなものが流れていて、
ひどく切り裂かれると死んでしまう生き物なんじゃないだろうか?


そんなコトを思うようになりました。


その証拠に、誰もいなくなった商店街は、
なんとも言えない死のにおいがしました。


僕にとっては、忘れられない体験です。

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じゃあ、そこに流れる「血」みたいなものって、
果たしていったいなんだろうか?

何を残したら、商店街は生き生きし続けるコトができ、
何を失ったら、街は死に向かうのだろう??

それから、仕事でいろんな商店街や街に出会うたびに
ぼんやりとそういうコトを考えるようになりました。

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世代交代、後継者不足、時代の変化。

特に最近では商店街であるコトが、
インターネットの普及でどんどん難しくなってきていますし、
コンビニは数年後には、店員がいなくなる方向に向かうらしい世の中です。


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時の流れの中で、元のままでいられない状況になるコトは
仕方がないコト。

でも、その時に
何を失わなければ、姿を変えても街は生き続けられるんだろうか?

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手段や理屈はどうでもいいんですけど、
その秘密さえ知れれば、、、、、、、。


そんなコトをいっつも考えています。


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さて、しつこいようですが僕は商店街が好きです。

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買い物をするにしても、食べ歩くにしても、お店と道を出たり入ったり。
お店の空気と外の空気を交互に感じられる町歩きの体験。
地面の上に場所を借りて、空の下、隣り合いながらそれぞれが主張する店々。

並んで自分の足で立っている感じでしょうか?
地面に根をはる植物にも似ています。


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反面僕はデパートやショッピングモールが大の苦手です。
状態は同じなのになぜだろうといつも思うのですけど、
一つ一つの店が直接街とつながっているのと、
そうでない事の間には、やっぱり決定的な差があります。



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デパートが酸素供給されている宇宙船のような環境だとすると、
商店街は、全体が一つの生き物のよう。



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じゃあ、一つ一つの商店は細胞でしょうか?

だからこその強さもあれば、弱さもあって、
活気が集まる事で、人を呼ぶエネルギーが増幅される事もあれば、
たった2、3件がシャッターを下ろす負のエネルギーが、
隣接しているお店に簡単に感染してしまうという事もあります。


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だから小さな一件一件が元気に軒を連ねている事がとても大事。
部分が全体に与える影響がとても大きいのです。


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そして子供を育てる環境としても、商店街はとても大切だと僕は思います。

通勤の共働きが当たり前で、核家族化した現代。
住宅地に昼間にほとんど人がいないという現状があります。


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小学校の帰り道、街に働く大人がいる事。

商店街の人たちは、子供達が接する初めての働く大人です。
そして、その街に決まった大人が毎日いる事は、
子供達が安心して過ごせる事も保証してくれます。



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そういう意味では、
歩いて移動するという手段しか持たない子供達にとって、
商店街は初めて接する生きている環境だとも言るでしょう。


だから、子供たちにとっても、
生き生きした商店街は、とても大切なのです。

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さて、、、、、。

これは商店街が好きすぎて、そこに住みたいと思ったご家族の物語。

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小田原さんちは、この街のカオスのような商店街の虜になったご夫婦です。


いよいよこの地に根をはるに当たって小田原さんちが選んだのは、
商店側のど真ん中の長細い敷地でした。



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昔ながらの商店が後継者不足などでたたむ店が増える中、
どうせこの街に住むなら
少しでも商店街の活気づくりに貢献したい、
と、そんな言葉を最初にいただきました。



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ちょうど奥様が絵を仕事にされているので、
そのアトリエが時にはギャラリーになったり、
お祭りの時はイベントスペースになったり、、、、。

時には街の子供たちにも開放して使いたい、とのコト。


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商店街も、飲み歩きも好きな僕にとっては、
とても楽しそうなご依頼でしたが、
考えてみて、なかなか一筋縄ではいかないなー、っていうのが正直なところでした。

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なぜなら

商店街が求める、商店街であるコト、と

家族が求める、家に暮らす、っていうコトは、

根本的に違うコトだからです。

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もし、お店の設計だったら、
できるだけ街に開きやすいような姿にすればいい。

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でも、暮らす、っていうのは、どちらかというと
その真逆のコトです。

多少は開くコトも大事だけど、商店街にとっては、人の暮らしが
開きすぎているコトは、あんまりいい雰囲気でもないでしょうし、
中で暮らす小田原さんだって、いくら商店街が好きがだからって、
生活が丸見えでも困るでしょう。

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かといって、街に背をむけたようなたたずまいも、
決して商店街にはいい影響は与えないでしょうし、
小田原さんの望むところでもないでしょう。

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要は、開くべき街に、守るべき暮らしを包む家を作るコトが、
そもそも矛盾しているです。

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開けばいい訳でもないし、
閉じればいい訳でもない。


そして、しっかりと距離をとる程、敷地も広くない。


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きっと塩梅の問題。

そこで、
商店街と暮らしの距離感を、
物理的な長さで確保するのではなく、

空間を何層にも重ね合わせた「層」として取ろうと考えました。


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「街のピロティー」とよんでいる、大きな門のようなしつらえは、
何の用途もありません。

でも、街のつづきの場所のようでもあり、
小田原さんにとっては、家に入る前の雨に濡れない場所でもあり、
中にいると、商店街と暮らしをぼんやりと繋げる緩衝帯のような場所でもあります。


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雨の日、商店街を通る人が、ちょっと雨宿りをするかもしれない。

お祭りの日、街の続きになって、小さなお店ができるかも知れない。

アトリエとつなげて、街の子供たちのイベントの場所になってもいい。

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そんなコトを考えると、

「なんの用途もない。」

っていうコトは、たくさんの用途がある、というコトの裏返しでもあります。

そして、そのたくさんの用途は、
いっつも、小田原さんの日常と街の連続の中にあり、
街と小田原さんの暮らしのあいだにあります。


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商店街や街の子供たちにとっては、
小田原さんちができるコトで、
いつも何かが起こりそうな奥行きや妄想が生まれますように。


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小田原さんにとっては、

「まさに、この商店街に住んでいるのだ」

っていうコトを日々感じながらも、
その暮らしが、程よく守られますように。

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商店街がいつまでも賑やかでであるコト。
商店街に家族が住むというコト。

矛盾するような両方のコトを、
ただ向き合わせて置くだけではなくて、
あいだに「街のピロティー」という、
どっちのものでもないようで、
どっちのものでもあるようなな空間を挟むコトで、
どちらにとっても、居心地のいい場所にしたい。



そんなコトを考えさせていただいた、、、、、超欲張りなお家です。


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、、、、、、僕、性格が欲張りで、しつこいので(笑)

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さて、
5年後、10年後、50年後、100年後、200年後。。。。。

廃墟が好きな小田原さんと話していると、
そんな先の未来の時間について想像してしまいます。

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もう僕たちはいないかも知れない未来の街。

その時に、この街に何が残って、どんな姿をしているのかなんて、
想像もできません。


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何を残したら、商店街は生き生きし続けるコトができ、
何を失ったら、死に向かうのだろう??


そんなコトの答えは未だに分かりませんが、
一つ確信しているのは、理屈や意味じゃなくて、
作り上げた愛情とか、情熱とか、、、、、みたいな
一番くさいものが染み込んだもの程、姿を変え、用途も変わりながら
残り続けるんじゃないかなぁ、、、、、っていうコト。

小田原さんの想いが、この街に染み込んで、
これからこの場所でどんなコトが起こるでしょうか?

だからですね、、、、。
一緒に作るコトも楽しかったですけど、
どっちかというと、これからの方が楽しみなのです!!!!

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さて、

僕は商店街が大好きです。


いいなぁ、、、、。商店街に住めるなんて!
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posted by 西久保毅人 at 20:51| 2017.4月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする