2016年08月22日

デビュー??

さて、全国のホソダタカユキファンの皆様に朗報です!

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今月の新建築住宅特集9月号に、
春に完成しました「中道さんの家」を掲載していただいたのですが、

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メインカットの中庭の写真の中心に、
ニコの専属モデルで副業で設計もする細田くんが
堂々と誌面デビュー!!

この日のために新調したであろう、ホワートジーンズに花柄のシャツが、
より一層、中道さんの家の魅力を引き立てていますので、
ファンの方は、切り抜いて持ち歩き用と、保存用、
2冊購入されるのをお勧めしますよ〜!


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さて、、、、、、。

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という訳で、今月の住宅特集という専門誌の、「職住一致」特集
にて、中道さんの家を掲載していただきました。

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専門誌なので、僕が解説や設計趣旨を書く訳ですが、
下の文章は、
ページの都合上、このまんまの掲載には至らなかったもの。

でも、好きな文章。

せっかくなので、ここに載せておきます。


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街になる建築


「このなかでいちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなってなくって、
 あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」
                            宮沢賢治 どんぐりと山猫


鎌倉市材木座に計画した店舗併用住宅である。
この地で10年以上美容室を続けてきた中道さんが、自宅と美容室を併設すると同時に、
せっかくならエステや貸店舗も併設して、自分たちだけの場所ではなく、
街の人たちが気軽に立寄れる場所にしたい、というのが、このプロジェクトの概要だ。 


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時折、中道さん家族とこの街を散歩したのだが、
ふざけながらも出会う人それぞれに誠実で、
職を超えて家族ぐるみでこの街に根付くのだ、という決意みたいなものを、
僕はその姿からひしひしと感じた。
職住一致で街に根を張る、というのは、こういう事なんだなぁ、、、。

そう、中道さんは、この街と繋がろうとしているのだ。



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同時に、同じ場所でお客さんを待ち続ける美容師を生業とする場合の
職住一致はどうあるべきなんだろうか?とも考えていた。

「、、、手に残る残像を消すために、お客様の変わり目には必ず外に出るんです。」

と中道さん。場所からは逃れられないとしても、そんなちょこっとした時間の隙間に、

「ああ、この街に生きているのだ。」と感じられたら。

移ろう空や光。風や道や雨のにおい。
通り過ぎる子供達。

一歩踏み出すだけで、
街に迷い込んだように気持ちをリセットできるような場所になるといいなと思った。


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この建築は、周囲に残る里道のような路地を、敷地の中に引き込む事を中心に展開している。
1階中央に「中道」という名の小道をつくり、
2階までのアプローチや内部空間を含めて立体的な路地空間のように体験が街に染み込むように、
さらには佇まいも周囲の屋根並みと呼応するような小さな屋根の集合体としている。
見るからに店舗と住宅が分節してしまう佇まいを避けているのと同時に、
店舗と住居が、時間の経過の中、
空間単位で侵食し合えるような許容のある

「すがたかたち」

を目指した。



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そうそう実は、この原稿を書いている今も、この住宅は動き続けている。

「新たにこの場所に参加したいという仲間ができたので、
ガレージも店舗に改装しようかと思うんですけど、、、。」

、先日こんな連絡が入った。


ここはすでに生きている場所なのだ。


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「街のように」を目指した建築が、
周囲の屋根並みに滲むように「街」になろうとしている。



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敷地境界線を超えて、街とともに生きはじめている。



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以上、西久保毅人
posted by 西久保毅人 at 18:13| 2016年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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