2016年04月23日

中道さんの家のオープンハウスでしたよっ!

先週末、好天のお散歩日和の中、
鎌倉市で「中道さんの家」のオープンハウスを行なわせて頂きました!

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ほーんといいお天気の一日!

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遠方にも関わらず、たくさんの方にご来場いただき、
そして、今回は、中道さんのお店のオープンともあわせて
地域の方々や中道さんのお客様もたくさん来て頂きました!

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訪れる皆さん口々に、

「この場所、『中道』って地名にしたらいいんじゃじゃないのー?」

「『中道』っていうバス停にしたらいいんじゃないのー?」

とか。。。。。

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僕らが一切説明もしてないのに、
なんだか設計中に考えていたような感想を言って頂いて面白かったです!


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そして、何よりも中道さんをご存じの方々はみなさんが口を揃えて、


「いやぁ、、、、しかしまぁ、中道さんぽい場所になったねぇ、、、。」




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いろんな言葉を頂きましたが、
中道さんご家族を知る地域の人達に言って頂いたこの感想が、
僕たちにとって
いちばん嬉しい言葉でした!

やりましたねっ!中道さんっ。

って感じです。。。。


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前にも少し書きましたが、
中道さんちは、「中道さんち」っていっても、
家だけではなくて、同じ場所に中道さんの仕事場である美容室と、
今回新たに新設されるエステスペース、
それとひとつだけ貸部屋のあるおうちです。

一般的な言い方をすると、店舗併用住宅とかいうのでしょうね。


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ニコでもいろんなおうちの設計をさせて頂いていますが、
最近は、おうち+◯◯、、、っていう御依頼も増えていています。

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おうち+◯◯の◯◯部分はいろいろなんですけど、
◯◯がつくお家の一番の特徴は、
よその人が入ってくるのを前提にしているっていうコト。

これは、小さなコトようで、家にとっては、いろんな意味でとても大きなコトです。

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そもそも、家って、「巣」だから、
外敵や、雨風から家族を守り、安心して眠りにつく場所。
そして、こども達を産み、守る場所です。

そういう巣の機能だけでいうと
地球上のあらゆるいきものに共通していて、
ただそれだけの場所なんですが、
ただそれだけのコトなのに、
地球上にはいろんなすがたの家があります。

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でも、今と昔のおうちでずいぶん違うのは、
昔は、家のそばに仕事があったので、ある程度、社会が入り込む余地が
家にもあったのでしょうし、
何より、おじいちゃんおばあちゃん、親兄弟も一緒にいたりするから、
単世帯でない、っていう事だけでも、
家という場所には、いつも他人が入り込むような暮らしがあったんだと思います。

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それが、単世帯だけになり、
仕事も電車で街にいく様になり、、、、

という暮らしの変化にともなって、
「守る」っていう家の側面ばかりが強くなって、
「つながる」っていうコトがだんだん求められなくなってしまいました。

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まぁ、なんでもかんでも繋がればいいってもんではないですけど、、、、。

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こういう家族や社会の変化は、たぶん日本に限らずなコトだと思うんですけど、
日本の住宅街と他の国との決定的な違いを作っているのは、
「靴脱ぎ文化」のあるなしだと僕は考えています。

、、、、ええとここからはホントに僕の自論なんで、適当に読んでください、、、。

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もともと日本の住宅って、物理的な境界となる壁は弱いのですが、
靴を脱ぐっていう独自の習慣で、精神の中にウチ、ソトっていう
境界を創りだして暮らす文化を築いていたのでしょう。

ようは、モノとしての境界は薄くて弱いけれど、
精神的な境界との合わせ技で、程よく外と繋がった暮らしが実現されていたんだと思います。

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逆に、面白いなぁ、、、って思うのは、
靴をはいたままの国のお家の壁は、日本と比べると
物理的な境界とても厚いけれど、なんか街の連続の中に暮らしている感じがしますよね。

きっとこれも、
壁の厚さはあるけど、靴はいてるから、まぁ、、、っていう
合わせ技で、程よく外と繋がった暮らし。。。。


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そんな中、
ライフスタイルや家のカタチだけを輸入して、
結局靴を脱ぐ生活を捨てなかった僕らの国の住宅地はどうなったかというと、、、、

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壁も厚くなって、頑丈になったのはいいけれど、
さらに靴を履く場所は「ソト」、脱ぐ場所は「ウチ」、っていう境界は
あいかわらずそのままなので、
物理的な境界も、精神的な境界も、
どちらも強くなっちゃった、、、、、っていうのが、
今の日本の住宅街の現状なんじゃないかなぁ、、、って僕は思います。


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だから、住宅地は、どんどん閉鎖的になっていってしまう、、、。


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あっ、

ちなみに紹介が遅れましたが
僕は、この日本の靴脱ぎ文化と、畳のにおいを愛してやまない、
佐賀県出身のこってり日本人、、、、、、、、畳普及委員会杉並支部です!

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ニコの事務所も座卓ですし、、、、、(笑)

いつ事務所を畳にしようかと、ひそかに計画してるんですけど、、、、。


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と、
そんな具合に、
僕は、この靴脱ぎ暮らしの日本の文化はとても素敵だなぁ、、、って
思っているんですが、
だからこそ、

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今の時代に合った、
日本らしい街とつながった住宅や街の作り方を真剣に考えていきたいなぁ、、、
って思っているのです。

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はたして住宅って、誰のものだろう?

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そんなあたりまえのような問いを、
今さらながらいつも反芻してます。

そりゃぁ、お金を出して建てた建て主さんのものだ、ってコトくらい
僕だって知っています。


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だから、この中道さんの家は、
中道さんのモノであるのは、間違いないんだけど、
それと同じくらい、街や地域のモノであってほしいな、と
僕はいつも思うのです。


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もっと言えば、街や地域そのもの、

街や地域の断片であってほしい。

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そうあるコトが、
僕は絶対に、住む人にとっての一番優雅で、贅沢なくらしに
つながるに違いない、と僕は確信を持っているのです。

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靴脱いで、畳にゴロゴロしながら、
やんわりと街の気配を感じつつ、
街そのものを手に入れたような、そんなくらし。

、、、、ついでにお酒とつまみでもあれば、、、。

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さらには
街のこども達や道ゆく人も、
なんだか自分も参加できそうな
ワクワクをあげられるような、そんなたたずまい。


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急に雨が降りだした時には、
ちょっと軒先を貸してあげられるような、そんな風景。。。。


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さて、、、、、。

そういえば、最初に中道さん、

「自分ちで迷子になりたいんですよねぇ、、、。」

っておっしゃっていて、いろんな要望もあったんですが、
それがとても印象的でした。

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そりゃそうだよなぁ、、、。

僕らみたいに、いろんな現場に行ける訳でもなく、
現場行ってきまーすっ、ていいながら、適当に街をブラブラできる訳でもなく。。。。

美容師さんて、毎日同じ場所で
お客様を待つお仕事です。

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ある時に、「どうやって気分転換してるんですか?」

って聞いてみたんですが、

「、、、気分転換ていうよりも、
 次のお客様をカットする前には、必ずいったん外に出て、
 自分の手に残る、前のお客様のカンカクを消すようにしています。」

とのコト。


なるほど。。。。
プロとはこういうものか、、、と思ったのを覚えています。

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そういう意味では。
新しい中道さんちは「中道」を中心に

晴れの日は晴れの日で、
雨の日は雨の日で、

その時々に過ごせる場所がたくさんありますから、
存分に迷子になって頂けたら、、、、、と思っていますよ!
たくさんの場所がありますから、

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そうそう、

「迷子になりそう、、、、。」

っていうのも、
オープンハウスで多かったご感想でした、、、、、、(笑)


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さて、最後に。
実は中道さんち、ニコでは細田くんが担当だったんですが、
もう1人、ウラ担当がいて、その人はもとニコにいた大塚くんです。

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大塚くんは、今茅ヶ崎に住んでいるので、
おかげで材木座の現場監理がとてもスムースに運びました。

大塚くんもニコの仕事は久々だったから、最初はお互い遠慮気味では
ありましたが、終盤にはもうすっかり中道さんとも仲良くなって、
大塚くんのいいところも存分に発揮してくれた現場だったなぁ、、、。

こういう関係は、とても嬉しかったです。またよろしくー。

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そういえば
現場が終わった先日。
大塚くんから、来たメールにこんな文面がありました。

「、、、、いつも問題であふれていますが、現場はやはりいいですね。」

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そうなんですよね〜。

ほーんと、僕らの仕事は、いっつも問題であふれています。(笑)

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もう、僕は独立して15年程になりますが、
問題って、いつかはなくなるものなのでしょうか、、、?


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、、、っていうか、
どうも年々、問題、増えている気がするぞ、、、、。

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むしろ、最初の方が、そんなに問題なかったような、、、、。

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、、、て、大塚くんのメールが嬉しくもあり、
やればやる程、減るはずの問題が逆に増えていくというような、
この矛盾がおかしくもあり。。。。。

いつまでもプロになりきれない自分達にがっかりしつつも、

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ああ、いつも問題であふれているなんて、
なんとゼイタクなんだろう、、、、とほくそ笑みつつ、、、、。


そんな訳で中道さん、
これからもたくさん、問題増やしていきましょうねーっ!

たくさんのご来場、ありがとうございました。
これからが楽しみです!
posted by 西久保毅人 at 20:20| 2016年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする