2015年09月19日

原風景

子供の頃、
この仕事を生業にするコトになるなんて
想像すらしていませんでしたし、
ケンチクゲンバなんて、一番遠い世界の出来事でした。

それでも、子供ながらに忘れられない体験っていうのがあって、
それは、餅投げでした。

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親戚の農家の家の建前があって、

「今日は建前だから、餅投げばい。」

と、なんだか大人がソワソワしていて、、、、。

?????

って感じでしたけど、、、。

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行ってみると、
出来たばかりの太い木組みの屋根の上に、
子供の頃、僕の苦手だった日に焼けた屈強の男の人達が屋根の上に登っていて、
屋根の上から、なにやら投げています。

中には慣れた人なのか、
傘を逆さまに持っているおばちゃんなんかもいたような気がするんですけど、
あまりに遠い記憶なので、はっきりは覚えていません。

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どうやら、お餅が降ってきているらしく、
餅にはたいして関心はないのですが、
そのお餅の入った小袋の中には、なんと小銭が入っているではないですか?

だから、正直言って、
僕の中に強烈に印象的に残っている理由は、

「屋根から餅が降ってきた!」

っていうからっていうよりも、むしろ、

「屋根から小銭が降ってきた! (餅付きで、、、。)」

しかも、なぜかもらっても今日は、親になぜか怒られない、、、。


日だったからかも、知れないなー、、、、、と
正直、今では思います。


その日の呼び方が、「モチナゲ」っていうだけで。

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さて、
そんな薄らぼんやりとした記憶しかない僕が
ケンチクの仕事をするようになり、いろんな体験をさせてもらうように
なったんですが、
ハマればハマる程に、当時の大人達の気持ちが分かるような気がします。

上棟の日、っていうのは、お祭りなんだな。

近所の人達に、「小さい頃、悪ガキだったうちの息子も、よーやく家を建てるようになりましたよ。」
っていうお披露目の日なんだな。

これからも、ご近所付き合いよろしくお願いしますね、っていう挨拶の日なんだな。

「よーやく、家を持てるようになったなぁ、、、俺も。」って、
しみじみと実感する日なんだな、、。


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自分ちの幸せを、これからお世話になるご近所の方々に
お裾分けする日なんだな。


「ウチの上棟の時はさぁ、、、」とか、
 家って言うのはよー、、、」とか、

まわりの経験者が、新米者の建て主に、語り継ぐ日なんだな、、、、。


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そして子供達にとっては、

「なんか、祭りでもないのに、
 屋根からピンクと白のおもしの入った小銭とお菓子が降ってきた!ラッキー!」

っていう記憶が、将来家を作るコトになるまで冷凍保存される日なのかも知れません。


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そんな訳で、
昨日、埼玉で設計をさせて頂いています「小熊さんの家」の上棟式と
餅投げが、盛大に行われました!

餅投げしたいしたい、、、と思いつつも、なかなか東京の住宅地では実現するのが
難しく、僕も香川の竹安さんち以来、2回目。

大工さん達も、

「20年以上ぶりですよ〜」

と、とても嬉しそうで、なつかしそうでした。

ほーんと、
家を作るっていう喜びをみーんなで共有できて、とても素敵な一日。

これ、ぜったいトウキョウでもやった方がいいよなぁ、、、って改めて思いました。


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いつか、街中の建設現場のあちこちで、
上棟の日、
屋根の上から、餅が降ってくるようになったらいいなー。


そして、建築のゲンバっていうのが、
街の子供達にとって、ワクワクするような場所になったらいいなっ、て思いました。
posted by 西久保毅人 at 20:57| 2015.9月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする