2007年05月20日

学校

50kareji.jpg

すみません、きたない黒板の字で・・・・。

さて、昨年から、こんな学校で講師をしています。

池袋ウエストゲートパーク的に言うなら、

ブクロの北口で。

もう、その名の通り、学生は全て現役の若い職人さんで、ほとんど大工さんの卵です。
「なかなか、若くていい大工がいない。」とよく監督さんが嘆く声を聞きますが、結構いるもんです。

で、そんな僕が日頃御世話になっている大工さん達に何を教えているかというと、もちろん設計の授業です。
でも、これが実は難しい・・・・。

はっきり言ってしまえば、経験的には大学で授業する方が、よっぽど簡単なのです。

相手は、図面を「見る」て「作る」事は慣れていても、「考えて描く」機会はほとんどない。しかも、パッと見、ちょっとみんなこわそうだし、最初は
「おいおい、ここはスクールウォーズか??」
と正直つっこみたくなってしましました。
まあ、でもそれはホント、見た目だけの話しで、働きながら学ぼうをしているヤツらなんで、本当に、近頃珍しいまじめな若者達です。

だから、去年は試行錯誤で授業をしたんですが、
実は、去年の授業は、僕自身、満足できる事ができませんでした。
それは、たぶん、僕の課題の出し方が間違っていたんだ、と今にして思っています。

「限られた時間の中で、なんとか、こいつらの面白い部分を引き出したい。」

という思いでやってたんですが、ただ白紙の敷地と家族設定などの条件をを渡してみても
そもそも設計に慣れてないんだから、うまくできる訳がないんですね。
別に、うまくできる事を目指している訳ではなく、

「けんちくは自由なのだ。」

という小手先ではない「カンカク」を感じて欲しいと思っていたのですけれど・・・。

そこで、今年は、根本的に課題設定を変えてみました。
渡したのは、紙にパラパラと適当にベットや風呂や、便器や家具、階段、木々が点在しているそれだけの紙。
そんなモノ達が、木々のまわりに点在している、それだけの紙です。

51.jpg

通常、我々や大工さんの仕事というのは、家具が置かれるハコを作るのが仕事です。
完成したら、そこに家具が持ち込まれ、初めて生活が始まります。

「でも、もしも、逆に敷地に置かれるモノの場所が最初に決まっていたら、どんな空間ができるだろう?しかも、森の中に、バラバラと適当に・・・・。」

そんな逆転の発想の設計です。

実は、これは去年の反省点でもあったんですが、建築というのは、スケール感を身につけると言うのが一番むずかしいんです。
例えば、ふとんの大きさ、便所の広さや、テーブルの大きさ、収納の大きさ。
それが、感覚で身に付いていて、それを絵にできて初めて設計ができるようになります。

「ふつう」が体で分かっていないと、「ふつうでない」事はできないんです。

だから、彼らの個性がそのままかたちになるように、

「森の中にバラバラとモノが点在した風景」

から逆に空間を想像していくような、授業をしてみよう、と思いました。
分かりにくいけど・・・・。

で、その作戦は、大当たり。

いやー、こんなにいろいろな事が考えられちゃうんだー、というくらい面白い作品達が出てきました。去年がウソみたいです。
あんまり面白い作品達なので、ここで終わらせるのはもったいないので、来週はそれを模型にして、立体化させようと思ってます。

やっぱ、学生の作品というのは、ハチャメチャなのが一番です。

そして、そんな風にしてできあがった自分の作品を、

「いつの日か、がんばって絶対実現してやるぞっ。」

という風に学生が思えるような授業にできたらいいなあ、と思っています。


54.jpg53.jpg52.jpg
posted by 西久保毅人 at 19:46| 2007.4月〜6月の気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする