頼む立場からすると、
「いつもいつもメンドクサくてすみません、、、。」ていう気持ちもあるけれど、
そういうのを超えて、向ってきてくれる職人さんにはホント、感動します。

ちょうど、年末に向けて工事中の長谷川さんの家。
こないだ、現場にいったら、床に何やらぽつぽつと、、、、。
「、、、これ、何ですか??」
と聞くと、それは今回計画している曲面の木の格子を固定するための手のこんだ細工でした。
固定の仕方は、タダでさえめんどくさい設計なのでお任せしていたんですが、
「くぎも見せたくないし、この方が後々も、ズレないしね。。。」
とのコト。
「あー、あと50本もめんどくさー。。。」
といいながら、丁寧に施工してくれていました。

なんでもそうですが、僕たちは現場でも少しでも良くなるように、
そして、図面では表現できなかったコトが少しでも伝わるように、
と思って職人さん達と話す訳ですが、
「、、、そこまでこだわるの??」
って言われちゃうコトも、多々あります。。。
建築は、そんなところが考えだしたら無限にあるので、
「もう付き合ってられない、、、。」
と、言われないように、
いつも多少の駆け引きの気持ちももちつつ、いどむのですが、
ちょうど、先日、大工の齋藤さんと打ち合わせをしていたら、
「、、、で、ニシクボさん、これがいいの??」
とのコト。。。。。。。

これが、いいの? と、これでいいの?
似た言葉だけど、意味は全然違います。
ようは、いろいろ大変なコトもあるけれど、
せっかく作るなら、意思をもって「これがいいです。」
と、言われたモノを作りたい、っていう、齋藤さんのメッセージ。
これでいい、って言われたモノを作るより、
多少大変でも、これがいい、って言われたものを作りたい。
そんな気持ちは、立場は違えど、実は僕たちも同じです。
これがいい、って言葉は、
何よりもまさるガソリン。
なんていうか、花道流にいうと、
「ダンコたる決意」
ができる瞬間。。。。。

作る時は、ちょっと大変でも、その瞬間の決断が何十年も残ると思うと、
少しでも、後悔のない決断をしたい。
後悔のない、ってどういうコトかというと、
僕の場合は、
一歩でも、頼んでくれている人のイメージに近づきたい、っていうコト。。。。。
そいいう思いが、いつも完成の瞬間まであって、
なので、しつこい、何を今さら、、、、と思われる事も多々、あるんですが、
こんな風に最後の瞬間まで、
「、、、で、ニシクボさん、ホントにこれがいいの??」
と聞いてくれる大工さんの言葉に、嬉しくなってしまいました。
そのうちに、大工さんからも、
「、、、まぁ、大変だけどさ、、、ニシクボさんがこれがいい、って言ったコトは
出来上がってみるとさ、、、、ホントにいいからなぁ、、、、。」
って言われるようになりたいなぁ、、、、とも改めて思いましたよ!
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