2012年02月03日

要約

2月と言えば、、、、

そうです。僕の生まれ月。

2188.jpg
これは、井上さんちにあった人参雪だるま。


さて、
ちょっと前から伊坂幸太郎にはまってます。
、、、、、ずいぶん、流行遅れですが、、、、。


小説の内容もですが、小説っていうものに対する考え方がなんか、ぴんときたというか、、、、。

ある小説の中で、
モノごとは、要約すると、本質が失われてしまう、、、っていうくだりがありました。
だから、いちいち描写するのだ、というような。

ケンチクも同じですし、世の中の仕事やモノごと、いろんな局面で

「要約」する必要に迫られます。

ようするに、

簡単に言うと?  とか、ひと言で言うと?

みたいなコト。

そういうのがうまくできると、スジが通っているとか、明快である、とか、
たぶんそういう評価につながるんでしょう。きっと。

理解はできるんだけど、ニガテなんだなぁ、、、そういうの。


「この設計のコンセプトは? 一番大切にした事はなんですか?」


こういう質問も、雑誌の取材なんかでよく聞かれます。
ひと言、ふた言で、明快にビシッといえて、ほーらねって、
できたらカッコいいんだけどなぁ、、、、といつも思うんですが、、、、

正直、

「、、、うーん、、、全部。」

っていうのが、正直なところなんだよなぁ、、、でもそれじゃ、ラチが空かないよなぁ、、、。


もうひとつ、あるインタビューで、
小説の中に伏線をしいておいて、最後に関係付けてまとめる事を

風呂敷を広げて、たたむ作業に例えていて、

その中で、彼は、

「広げるだけ広げたものを、全部たたむ必要ないんじゃないか、むしろ広げっぱなしで、、、。」

そんなコトを言ってて、

「ほー、そうだよなぁ。。。」

と、妙に共感したりして、、、、、。

なんというか、
それこそ、リアル なのじゃないかと思うのです。

要するにすべてに説明がつくと分かりやすいんだけれど、
実際の世の中、そんな全てに説明がつくコトばかりじゃない。

むしろ、いろんなコト、説明がつくコト、理不尽なコト、わけの分からないコト、、、、が、
同時に平気な顔して並んでいるのが世の中なんじゃないかなぁ、、、。

だから、素敵なんじゃないかなぁ、、、、。
だから、感動したり、涙がでたりするんじゃないかなぁ、、、。

僕はそういう風に思うのです。



さて、
ずいぶん、サボってましたが、昨年完成しました「井上さんの家」と「尾崎さんの家」の
写真をアップしました。
こういう作業も、ある意味、「要約」。

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ホントはね、ビシッと三枚くらいの写真でカッコ良く決めたいところなんですが、、、、、。

僕には到底ムリムリムリムリ、、、、。

てな訳で、相変わらずたくさんの写真です。
これでも、泣く泣く厳選した訳ですが、、、、、。

どの家もそうですが、最初からのスジが通って実現した部分もあれば、
設計や現場の流れの中で、突然産まれたモノもあったり、、、、いろいろですが、
それぞれに、楽しいエピソードがつまっています。
ある意味、いいかげんなコトの集まりなのだけれど、
一つも欠けてはいけないもののような気がします。

でも、何かに入れ替わってはマズいかと言うと、そうでもありません。

そのくらい、おおざっぱで、緻密で、いいかげんな出来事の寄せ集まった全体。

その全体こそが、家であり、建築なのだ、と僕は呼びたいし、
そのくらいおおざっぱであっても、なお、強く

あぁ、これは、井上さんちだよなぁ、、、間違いなくとか、
あぁ、これは、尾崎さんち以外ありえないよねっ、てしっかりと思えて、

あぁ、もう、これは、間違いなくニコ設計室のしわざだなっ、

っていう仕事を、今後もこりずに続けていきたいと思っています。



、、、、、、て、ほーら、また文章長くなっちゃった、、、、(涙)


今年の目標

要約できる大人になる事!!!!!



posted by 西久保毅人 at 00:57| 2012年の気づきとカンサツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする