
これまで50件以上のおうちを設計させてもらってきて、実は瓦は初めて。
機会がなかったというのもあるけれど、トウキョウでは選ぶ選択肢になかったなぁ、、、最初から。
っていうのが、正直なところです、、、。
でも、とっても不思議なんですが、
香川の山に囲まれた風景にいると、瓦屋根がとっても格好良く見えます。
ぎゃくに、トウキョウでよく使う、ガルバリウム鋼板やプラスチックっぽいものが、
そんな場所にいると、とても薄っぺらく感じてしまうのです、、、。
もう、この風景の中では、瓦しかないよねっ、
っていう、それがとても自然な感じなのです。

例えば、純粋な材料の性能とか、施工性とかで言うと、
圧倒的にガルバリウム鋼板とかの方が優秀なんだと思います。
瓦は、一枚一枚焼き物なので、割れちゃったりもするでしょうし、、、、。
屋根の勾配なんかも、きつくしないといけません。

でも、そういうコトを飛び越えて、瓦がしっくりとくる街。
それは、もう、
どっちが良いとか、そういうコトではなくって、
単純に「似合う」っていうコトなんじゃないかと思います。
あたり前の事ですが、
とにかく、設計をするからには、カッコいいものを作りたい。
そこまでは、たぶん、みーんな同じなのだと思います。
料理人が、おいしいものを作りたい、っていうのと同じです。
ただ、じゃあ、
「どういうのがかっこいいか?」
っていうコトで、きっと差があるのだと思うのですが、
僕の「かっこいい」の基準は、「似合う」というコト。
それは、街にに似合う、人に似合う、家族に似合う、持ち物に似合う、、、、というコト。
それが、僕のかっこいいの基準です。
それは、ケンチクに限った事でなくて、洋服でも、食べ物でも何でも同じなのです。

だから、単体のケンチクそのものには、昔からあんまり興味がない、、、というか持てないというか、、、。
それは、もうホントに変わらないなぁ、、、。
そんなやり方なので、ニコの家は、どれもこれも、ぜんぜん違うのですが、
これまでが、その対象が人や東京の街だったとすると、香川のおうちの相手は、もっと大きな空や山。
そんな雄大なものに、しっかりと似合う、そんなおうちになるといいな、と思って現在、
瓦研究中なのでした、、、、。