2011年04月07日

タタミとモリスと赤い天井

先日、
ほーんと久しぶりに、
若い頃お世話になった象設計集団のオープンハウスに行ってきました。

東京郊外の、木造の保育園です。

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「また、やりすぎちゃったぁ、、、はははーっ。」

って、久しぶりにお会いした代表の関さんがニコニコして、うれしそうに
お話してくれたのが、きっと、すべてを物語っていて、
もう、週明けから開園というのに、工事はラストスパート。。。。

、、、、、金曜ですけど、、、今日。


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ケンチクは、できたら素敵ねぇ、、、ですんじゃう事が、
できる前は、なんにも見えないからみんな不安です。


とくに、保育園とか学校とか、規模や関わる人達が多ければ、多い程、
最初に描いた世界を実現するのは、ホント難しいのです。

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運営者、保護者、地域、法律、国、時代背景。

みんなの「あたりまえ」が違うから、少しでもこちらがゆるんじゃうと、

じゃあ、無難に、、、、、、って、

流されてしまいます。

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最初に描いたイメージを定規にしながら、
いろんな局面で、
どこは捨てて良くて、どこは死守するか?
そんな事の繰り返し。

責任、扱う命が多ければ、多い程、「無難」にすれば楽に違いないのです。

でも、その反面、

子供達が、人間が、ほーんとに、気持ちいい空間て、たぶん、「無難」を選択すればする程、
逃げていくものかも知れません。


でも、目指してるのは、きっと、「特別」なものじゃなくて、
自分達の定規のなかでの、「あたりまえ」や「ふつう」の事。

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それを実現するのが、いーちばん、難しいんだなぁ、、、、。

そして、その成果がでるのは、きっと10年後や20年後。
それは、住宅も、保育園も、町づくりも、きっと同じで、
そこで過ごした子供達が、オトナになった頃でしょう。


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たとえば、この保育園では、
赤ちゃんから、6才まで、みーんな畳でお昼寝。

質素で、どこにでもある素材でつくられた空間に選ばれたのは、
風にそよぐウイリアムモリスのカーテンという、19世紀のイギリスのデザイン。


天井を見上げると、ほんのり奇麗な夕焼けのような、赤い天井。


そんな、ハッとするような事を、さらりと、、、、。

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くそー、悔しいな。

あんまり人のケンチク見ても、こういう感情は湧かないのだけれど、
こういう大きな空間で展開される象のケンチクは、やっぱり特別です。



「ありがてえ、偽物じゃねぇ、、、、」

と、そーんな流川のような気分に、久しぶりにさせて頂きました。(笑)



責任重大なプレッシャーの中でも、


「はははっ、ごめんごめん、やりすぎちゃったぁ、、、。」


て言える人に、僕も、、、、、なりたいな。
posted by 西久保毅人 at 02:06| 家づくりと子どもたちまとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする