答えはいろいろあると思いますが、
僕は強い木のフレームと、それに対してあまりに弱くはかない障子紙という
極端な耐久性の違う素材の組み合わせなのだと思います。
フレームは手入れをしながら大切にし、
そのうち味わいが出てくるのに対して、
指で穴があいちゃう障子紙は、
定期的に張り替える、時には柄を変えてみる、というように
使い手に更新可能な自由さを想像させます。
シャープな力強さと、はかなさ、弱さの組み合わせ。
どっちか、じゃなくって、どっちも。
どっちも同時にあるからこそ、とっても魅力的なのです。

さて、現在工事中の五十嵐さんの家がいよいよ上棟し、
これから内装工事に入ります。
ちょうど、今日は明日から始まる内装工事前の構造体の確認と撮影に行って来ました。

かなり感動!
その感動は2つあって、五十嵐さんとイメージを膨らませてきた物語のある
構造体が、イメージ以上のできばえだった事。
もう一つは、工事中にも関わらず、あたかも「撮影用??」と思うくらい
現場がキレイに清掃されていて、ゴミ一つなかった事。
今日、行くなんて言ってなかったのに。
山縣さん、素晴らしいですねー。

さて、この五十嵐さんの家は、RC4階建ての2世帯住宅+工場という
建坪は、10坪くらいなのですが、中身がぎっちり詰まった計画です。
前にもかきましたが、家族の形はどんどん変わっていくものです。
変わっていく家族に対して、一度作ったら変わらないケンチク。
ケンチクと家族の関係は、そもそもスタートから矛盾している訳です。
特に、2世帯住宅は、現在の要望を満たせば満たす程、将来が不自由になるし、
逆に先の事を考えれば考える程、今が不自由になります。

じゃぁ、今と、将来、どっちが大切?

すみませんが、僕の答えは、
「どっちも!!」
基本的に欲張りなので、、、、、。
だから、最初の障子のように、
力強く、長持ちして、愛着と味わいのわくようなフレームと、
もしかしたら将来はずして家をつなげたり、吹き抜けにしたり、、、、、
とその時代の家族の形に対応できるような取り替え可能な床を
各階、スキップ状にもうけたような家の作り方を考えました。
なので、最大、今の現場のような、4階建てのワンルーム空間と
してしまう事も可能なのです。
まぁ、これはさすがにないかも知れませんが、、、、、。
いやいや、もしかしたら、5〜60年後くらいに、五十嵐さんのひ孫あたりが、
代々受け継いだこの家を全部スケルトンにして、
4階建ての隠れ家的なレストランにしちゃうかも知れません。。。。。

そんな、途方もない未来のイメージから、近い未来の生活まで、
住まいながらも、いろんな想像ができるような家となるように、考えました。
さぁ、これからの内装工事。
この骨格の魅力を、住まいながらも感じられるような家にしていきたいです。
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