久しぶりに2年前に、ちょっとした増築をさせていただいたイドリスへ
寄ってみました。

イドリス、っていうのは、このご家族に名付けられた、場所の地名みたいな
もの。
平屋部分だったところをちょんぎって、黒い板張りの2階建てを増築しました。

写真では分からないけど、この黒い部分、約6帖の2階建て。
なので、入り口のニワ部分は、やく4.5帖くらいです。
1階にお風呂、2階に子供部屋を作って、ハナレのように渡り廊下でつなぎましたが、
とにかく小さい。
約3坪の、ニコでの史上最小のケンチクです。

でも、小ささと優雅さって、ゼンゼン関係ないんだなぁ、と
この場所を訪れるとつくづく感じます。
たった4.5帖くらいのスペースに、ご家族によってしつらえられたたくさんの
植物。種類も豊富なのに、なんか自然に生えてきたような感じで、
アプローチがとても長く、立体的に感じます。
まぁ、ぐねっとした設計もいいんだけど、、、、、
でもそれより何より、植栽のセンスですね。
細い路地なのですが、歩く人が皆立ち止まりたくなるような
そんな素敵なばしょです。

最近、ケンチクの足もとが気になってしょうがありません。
僕の仕事は建ものを設計する事ではあるのですが、
逆にいえば、空地をどう残すか?っていう仕事ともいえます。
いわば、土をどう残すか?っていう仕事。
高さ1.2mより下の世界。
オトナは気がつかないけど、子供達の目線に残る風景。
土があって、ミミズがいて、虫がいて、雨のしみ込む場所。
エコとか、タコとか、そんなことより、
子供達に残すべきは、きっとこんな風景。
【関連する記事】