先日、かれこれ12年ぶりに、友人と再会しました。
スガワラくん。
彼とは、12年前、イスタンブールのドミトリーで出会いまして、
彼は大学卒業して、就職もせず、1年間の世界貧乏旅行の真っ最中、
僕はといえば、その先のギリシャ、シチリアへの旅の予定だったのですが、
イスタンブールでであったサズ、というトルコの弦楽器の音色の虜になってしまい、
その後の予定をすべてキャンセルして、イスタンブールで、
楽器を習っていたのです。。。。。
その無計画さは、今につながる訳ですが、、、、、。
ドミトリーというのは、要するに貧乏旅行者用の旅の宿の事で、
8帖くらいの部屋に2段ベッドが3つか4つ、詰め込んであり、
トイレもシャワーも共同のかわりに、500円くらいで泊まれる
世界中のどこにでもある宿の形式です。
そのため、いろんな国の、いろんな境遇の、いろんな状況の人が
出入りする事になり、たいがいの旅人は、そこを通過して行くのですが、
僕は、僕で、楽器を習うために、一ヶ月以上滞在してるし、
スガワラくんはスガワラくんで、1年の旅の中間地点で、かなり体力的に
弱っていて、僕がいた期間は、ほとんど外出もせず、
僕のベッドの下で、メシをくう意外は、ほとんど寝てたような感じでした。
どこか、見に行く訳でもなく、夕方になると、パスタをゆでて、
毎日、ちょっとだけ違う味のケチャップをかけて食べてたスガワラくん。
そんな宿なので、建築家を目指す若者も、度々同居し、
僕は良く覚えていませんが、夜な夜な、ケンチクについて
熱く語る夜もありました。
僕の中でのスガワラくんは、そんな感じでした。。。
数年後、僕が独立してしばらくした頃、
突然、スガワラくんからメールがきまして
実家のある仙台で、地元の建築家と自宅を建てるとの事。
おお、がんばれ、がんばれと、
たまにメールでアドバイスをしつつ、さらに数年が過ぎました。
そして、昨年、いよいよスガワラ邸が完成したと連絡をもらったのです。
久々、飲みながら話したのですが、
スガワラくん曰く、
「あの時、君たちに会ってなかったら、建築家と家を建てようなんて
おもわなかったよ。」
との事。
そんなに、人のジンセイを狂わせるようなコト、
しゃべってたっけ、、、、?と僕は半信半疑ではあるんですが、、、、、。
でも、僕も人の家を設計させていただく立場として、
「いざ、建築家と自分の家を建ててみて、ぶっちゃけ、どうなの?」
って、いうのが聞きたかったのですが、
もう、その、自慢げな、スガワラくんの顔がすべてを物語っていました。
「いやー、めちゃくちゃ、たのしい。建てて良かったー。」
との事。
もちろん、数年がかりでできた家には、紆余曲折あり、
ちょっとした不具合もあるようなのですが、
そんな事を飛び越えるくらい、幸せそうなスガワラくん。
温厚だけど、ギラギラした目は、12年前、そのまんまでした。
独立して仕事をするって、
実は、一人旅みたいなもの。
一人旅だから、僕なんかに頼んでいただけるコトに,僕を見つけていただいた事に、
毎回心から感動できますし、ご家族との出会いに、運命を感じます。
そんな出会いと感動の中で生まれるケンチクをつくっていきたい、
と思って僕は独立しました。
だから、実は、ニコ設計室って名前を決める時に、最終候補として、
「ドミトリー」っていう事務所名も、真面目に考えていたのです、実は。
たまたま、同じような志をもった旅人が、
国籍も年齢も関係なく、
たまたま居合わせて、何かが生まれるような場所。
、、、と、そんな昔の事を思い出しながら、
さんざん飲んだ夜でした。
やっぱ、一人旅は大切ですね。
初心忘るべからず、です。



